「AIに英文を直してもらっても、なぜ直されたのか分からない…」
結論を先に言うと、伸びる添削の条件は「理由つき+代替表現3パターン」。これを完全版プロンプト1つで実現できます。
こちらの記事では、その完全版の添削プロンプトをご紹介。エッセイ・メール・レポートのタイプ別対応も共有していきます。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 伸びる添削の条件は「理由付き+代替表現3パターン」。これを完全版プロンプト1つで実現する。
- 誤り訂正フィードバックは文法的正確さを高める効果が確認済み(g=0.59/Lim & Renandya 2020)。
- エッセイ・メール・レポートで観点を切り替え、仕上げはKiminiの人間講師で運用力を磨く。
「ただ直す」添削が伸びない理由

AIに「直して」と頼むと、きれいな英文は返ってきます。しかし、それを写すだけでは英語力は伸びません。なぜなら、修正の「理由」を理解しないと、次に自分で書くとき同じ間違いをするからです。三人称単数のdo否定(He don’t → He doesn’t)のような基礎的な抜け漏れも、表面だけ直されると、次の英文でまた同じ形で出てきます。
添削が学習に効くのは、間違いに気づき、正しい形を理解したときです。以下は論文の一部引用となります。
“written corrective feedback has the potential to improve L2 written grammatical accuracy”
(和訳)「誤り訂正フィードバックには、第二言語の文法的正確さを向上させる可能性がある。」
このメタ分析の効果量はg=0.59(中程度)。ポイントは「ただ直す」ことではなく、「なぜ直すのか」を伴う添削にあります。それを引き出すのが、次の完全版プロンプトです。
これ1つでOK|ライティング添削の完全版プロンプト
伸びる添削に共通する条件を、プロンプトを渡す前に整理しておきましょう。
①文法・語彙・構成・論理を分けて見る
英文の弱点は一種類ではありません。文法の間違い、語彙選びの弱さ、文章構成の乱れ、論理のつながりの甘さは、それぞれ別の観点でチェックする必要があります。観点を混ぜて指摘されると、何を優先して直せばいいか分かりにくくなるためです。
②「なぜ」を説明させる
修正結果だけを見せられても、理由が分からなければ次に活かせません。文法ルールの名前や、不自然に聞こえる根拠まで言語化させることで、同じ間違いを繰り返しにくくなります。
③代替表現を複数出させる
正解は1つとは限りません。同じ内容でも言い方は複数あり、代替案を並べて見ることで、自分の言葉の引き出しが増えていきます。
④優先順位をつけさせる
添削結果が多いと、どれから直せばいいか迷います。「最優先で直すべき点」を絞ってもらうことで、次に書くときに意識すべきことがはっきりします。
この4条件を1つのプロンプトに詰め込むと、次のようになります。まずはこのままコピーしてください。

あなたはプロの英語編集者です。次の英文を以下の手順で添削してください。
1. 修正を「修正前→修正後→理由」の表で示す(文法・語彙・構成・論理の観点を明記)
2. 各修正に、より自然な代替表現を2〜3パターン添える
3. 全体の評価を「良い点」「最優先で直すべき点3つ」にまとめる
4. 最後に、私が次に意識すべきことを1行で
レベルは[CEFR B1]を目標にしてください。
英文:[ここに貼る]
期待できる出力:「修正前→修正後→理由」の一覧表に加え、各修正の代替表現、良い点と優先度の高い改善点、次に意識すべき一言までが、貼り付けた英文に対してひとまとまりで返ってきます。
このプロンプトは、英文を貼り替えるだけで、どんな文章にも使えます。ただし、狙った効果を安定して引き出すには、もう少しコツがあります。
「理由付き」を確実に引き出す技法

AIは放っておくと理由を省きがちです。次の指定を足すと、説明の質が安定します。
- 観点を名指しする:「文法・語彙・自然さのどれに当たる修正か明記して」
- ルール名を求める:「関係する文法ルールの名前も書いて(例:時制の一致)」
- 初心者向けに:「中学英語の知識で分かる説明にして」
- 見落としを拾わせる:「日本語の直訳っぽい表現があれば、それも指摘して」
理由が「なるほど」と腑に落ちる形で返ると、知識として定着しやすくなります。
「代替表現3パターン」を生成させる方法
表現の幅を広げるには、1つの正解だけでなく複数案を出させるのが効果的です。

次の文を、ニュアンスの異なる3パターンに書き換えてください。
それぞれ「カジュアル/標準/フォーマル」と明記し、使う場面の違いも説明してください。
文:[英文]
期待できる出力:たとえば「I think this plan is very good.」を投げると、カジュアル「I really like this plan.」、標準「I believe this plan is effective.」、フォーマル「I am confident that this plan will prove highly effective.」のように、使う場面が思い浮かぶ3案が返ってきます。
3パターンを比べることで、「どの場面でどれを使うか」という運用感覚が身につきます。
1~3個:文章タイプ別プロンプト(エッセイ/メール/レポート)
文章の種類によって、見るべき観点は変わります。完全版プロンプトに、次の一文を足して使い分けましょう。
【エッセイ】
論理構成も評価してください。主張→根拠→例→結論の流れが通っているか、
段落のつながりが自然かを指摘し、改善案を出してください。
期待できる出力:主張の一貫性や段落のつながりに関するコメントが、文法指摘とは別枠で追加されます。

【メール】
ビジネスメールとして添削してください。フォーマル度・簡潔さ・相手への配慮を評価し、
冷たく聞こえる箇所があればやわらげる表現を提案してください。
期待できる出力:フォーマル度・簡潔さの評価に加え、冷たく聞こえる箇所があればやわらげた言い換え案が添えられます。
【レポート】
客観性と正確さの観点で添削してください。主観的すぎる表現、曖昧な数値表現、
受動態と能動態のバランスをチェックし、学術的な書き方に整えてください。
期待できる出力:主観的な表現や曖昧な数値表現の指摘に加え、受動態と能動態のバランスについてもコメントが返ります。
同じ完全版プロンプトでも、末尾の一文を差し替えるだけで、評価の重点をタイプごとに調整できるのです。
添削例5個(Before→After)

実際の添削がどう返るか、5つの例で見てみましょう(出力例)。
例1【文法】
Before: He don't have time.
After: He doesn't have time.
理由: 三人称単数のdo否定はdoesn't。代替: He has no time. / He's short on time.
例2【語彙】
Before: I think this plan is very good.
After: I believe this plan is highly effective.
理由: very good は弱い。believe + highly effective で説得力UP。代替: promising / well-designed
例3【自然さ】
Before: Please teach me the reason.
After: Could you tell me why?
理由: teach me the reason は不自然。tell me why が自然。代替: explain the reason / help me understand
例4【構成・メール】
Before: I need the report. Send it today.
After: Could you send me the report by today? Thank you in advance.
理由: 命令形は失礼。依頼形+お礼でやわらげる。代替: Would it be possible to... / I'd appreciate it if...
例5【論理・エッセイ】
Before: AI is useful. People should use it.
After: Because AI saves time and reduces errors, people can benefit from using it.
理由: 主張だけで根拠がない。because節で論理をつなぐ。代替: Given its efficiency, ... / As AI improves, ...
このように「理由+代替」がセットで返ると、書き直すたびに表現の引き出しが増えていきます。
添削を受けたあとにやるべき一手
添削してもらって終わりにすると、理解した気になるだけで終わってしまうことがあります。仕上げにもう一手間加えましょう。
有効なのは、添削結果を見た直後に、元の英文を見ずに自分の力で書き直してみることです。記憶からの取り出し(retrieval)を挟むと定着率が上がることは、テスト効果として知られています。
“Taking a memory test not only assesses what one knows, but also enhances later retention, a phenomenon known as the testing effect.”
(和訳)「記憶テストを受けることは、知識を測るだけでなく後の記憶保持も高める。これがテスト効果である。」
書き直した英文は、次のプロンプトでもう一度チェックさせると、直っていない点まで確認できます。
元の英文を見ずに、先ほどの添削内容だけを思い出しながら書き直しました。
書き直した英文を、先ほどの添削結果と比較して、まだ直っていない点があれば指摘してください。
書き直した英文:[ここに貼る]
添削→書き直し→再チェックのサイクルを1つの英文で2〜3周させると、直された表現が「見た記憶」ではなく「使える記憶」に変わっていきます。
AIで直し、人間講師で運用|Kimini活用
AI添削で整えた英文は、実際に「使って」初めて自分のものになります。書いた表現を口に出し、会話で使う経験が、知識を運用力に変えます。
ただし、AI添削は万能な解決策とは言えません。文法・語彙・構成の指摘には強い一方、業界特有の言い回しや、微妙な文化的ニュアンスの当否までは判断しきれないことがあります。そうした部分を補うのが、人間講師とのやり取りです。
KiminiのスタンダードPlus・ウィークデイPlusプランのご利用者は、Kimini AIの校正・文法チェック機能(追加費用なし)も使えます。そこで整えた表現を、Kiminiの人間講師との25分レッスンで実際に使ってみる。書く力と話す力を同時に伸ばす、効率的な学習サイクルが回り始めます。
まとめ:「理由+代替」を出させれば、添削は一生モノになる
- 伸びる添削の鍵は理由付き+代替表現3パターン。完全版プロンプト1つで実現できる
- 誤り訂正フィードバックは文法的正確さを高める(g=0.59/Lim & Renandya 2020)
- エッセイ・メール・レポートで観点を切り替え、仕上げはKiminiの人間講師で運用力に変える
英語ライティングは、正しいフィードバックを毎回受けられれば、独学でも確実に伸びます。まずは完全版プロンプトをコピーして、今日書いた英文を添削させてみてください。そして整えた表現は、Kiminiの無料体験レッスンで講師相手に使ってみることをおすすめします。
