「文法はできるのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない」
「単語は知っているのに、会話の中で出てこない」
「何年も勉強しているのに、変わっていない気がする」
英語講師として17年間、2000人以上の生徒を指導してきました。この記事では、その指導の中で見てきた「英語が伸びる人」「話せるようになる人」の共通点を、実際の生徒の例とともに整理します。事例は、塾での対面指導と英会話スクールでの指導で見たものです。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- 伸びる人は原因を自分に探す:うまくいかないときも他人のせいにせず、自分の準備や練習のやり方を見直す姿勢が成長につながると筆者は感じています。
- 正しいやり方で毎日続ける:少し難しい教材でのシャドーイングや、日本語を言い換えてから英語にする練習など、負荷のある練習を続けることが大切です。
- 「予習→レッスン→復習」のサイクルを作る:レッスンに任せきりにせず、前後に知識を声に出して使う練習を加えると変化が出やすくなります。
結論:英語を話せるようになる人に共通することは?

筆者の指導経験では、英語を話せるようになる人に共通するのは、才能や英語力の高さよりも、「うまくいかない原因を自分に探す姿勢」と「正しいやり方での毎日の積み重ね」だと感じています。「文法や単語は知っているのに出てこない」状態は、知識を口に出して使う練習が足りないことが原因の場合が多いと感じています。レッスンの前後に予習と復習を添え、知識を使う機会を増やす人ほど、変化が出やすいと考えています。以下は個人の指導経験に基づく所感であり、効果を保証するものではありません。
英語を話せるようになる人の共通行動は?【5つ】
指導してきた生徒を振り返ると、伸びた人には次の5つの特徴が見えてきました。
- うまくいかない原因を、他人のせいにせず自分に探す
- 練習を毎日続ける
- 続けるだけでなく、正しいやり方で練習する(少し難しい教材で口を慣らす、日本語を言い換えて英語にする、など)
- レッスンの前に準備をしてから臨む
- レッスンの後に、言えなかった表現を復習する
どれも特別なことではありませんが、続けられているかどうかで差が出ると感じます。
英語が伸びる子の口ぐせ・態度とは?
対面の塾で指導した中学3年生の女の子の例です。中学2年生で指導を始めた当初は、偏差値が50に満たず、学校のテストも60点前後を行ったり来たりしていました。この子の一番の特徴は、「決して他人のせいにしない」ことでした。単語テストの点数が良くなかったときも、「勉強時間が足りなかった」と、原因を自分に探します。
成績は急には上がりません。テストで70点前後まで取れるようになり、着実に成長していましたが、本人は納得せず、「こんな点数で申し訳ない」と私に謝るほどでした。成績が上がらなかったとき、何かの理由をつけて自分のせいにしたくないと思うのは、ごく自然なことです。それでも、この子は自責の姿勢を崩さず、今では学校のテストで90点を超えています。これは話す力に限らず、英語力全般が伸びた例ですが、「どこまで行っても自分に原因を探す」姿勢が、確実な成長を引き出す一因だったと考えています。
もう一人、早くからコツコツ積み上げた中学3年生の女の子の例です。小学5年生で英語を始め、早い段階から中学1年生の文法を先取りしていました。中学入学時にはテストで常に90点以上を取り、中学2年生になる頃に英検®3級、2年生の終わりに準2級を取得しています。過去問にも取り組みましたが、積み重ねがあったのでスムーズでした。これは話す力そのものというより、学習の積み上げ方の例です。それでも、「早くから積み重ねる」という共通点は、話せるようになる人にも当てはまると考えています。
実際に話せるようになった例はある?

英会話スクールで指導した30代の男性の例です。製造業の人事担当として、外国人の労務に携わっている方でした。入会前のカウンセリングでは中級レベルと判断しました。仕事で英語を使っているので、それなりに話せてはいましたが、文法が崩れる、英語がパッと出てこない、同じ言い回しばかりになる、という状態でした。
そこで、シャドーイングの教材をあえてワンランク上にして、負荷の高い状態を作りました。口が慣れるまでは、シャドーイングがつっかえてしまいます。そのため、音のつながりや欠落を意識して練習すると同時に、日本語を言い換えてから英語に変換する「日→日トレーニング」を徹底しました。その結果、3か月で、英語でのプレゼンや会議のファシリテーションまでできるようになりました。
知識がある人でも、口が慣れるための負荷のある練習と、言い換えて使う練習を重ねることで、「出てこない」「同じ言い回しばかり」という状態が変わる例だと感じます。
逆に、英語を話せるようにならない人がやりがちなことは?
スピーキングがなかなか伸びない人の特徴として、まず挙げられるのは「継続ができない」ことです。英会話スクールで担当した別の30代の男性は、もともと英語がとても苦手で、「なんとか話せるようになって、仕事に使いたい」とおっしゃっていました。しかし、宿題をどうしても継続できませんでした。さらに、やっていても正しいやり方ではなかったため、成長のスピードはとても遅いものでした。日々の勉強を継続することはもちろん大切ですが、正しいやり方で取り組むことも同じくらい重要だと感じます。
もう一つは、「先生に英語力を伸ばしてもらおう」と考えてしまうことです。英会話スクールで講師をしていたとき、2年間通ってくださった50代の方がいました。週に1回のレッスンに加えて毎日の宿題を出し、音読やシャドーイングの練習を毎日やるようお伝えしていましたが、結局やってこられませんでした。そして週1回のレッスンのたびに、「これだけやってもなかなか話せるようにならない」とおっしゃっていました。英会話ができるようになるには、レッスン以外の毎日の練習が必要です。単語の暗記や音読・シャドーイングの時間をレッスンの外で確保しないと、期待した上達は得にくいと感じています。
共通点を、今日からどう真似すればいい?

5つを一度に始める必要はありません。まずは、「予習→レッスン→復習」のサイクルを作ることをおすすめします。レッスンは、始まる前の予習からすでに始まっています。この流れは、知っている文法や単語を「言いたいこと」に結びつけ、実際に声に出して使う練習になります。
- キーフレーズを確認し、文法の説明を日本語で読んで理解する。レッスンで出てくる単語もあらかじめ調べておく
- スライドを見て、言いたいことを日本語でメモし、英語に直しておく
- 準備した英文のうち、どれか1つでも言えれば合格くらいの気持ちで臨む。全部を言う必要はありません
- レッスンで言えなかったものを英語に直し、発音練習をする
- シャドーイングは、少し難しめの教材で負荷をかけ、音のつながりや欠落を意識する。日本語を別の言い方に言い換えてから、英語にする練習も効果的だと感じています
「何年やっても変わらない」と感じるときは、勉強の量だけでなく、レッスンの前後に「使う練習」があるか、やり方が合っているかを振り返ってみてください。「うまくできなかった」と感じたときも、その原因を自分の準備や練習のやり方に探すと、次のレッスンの準備につながります。
よくある質問(FAQ)
Q. レッスンだけで英語を話せるようになりますか?
A. 筆者の指導経験では、週1回のレッスンだけで期待した上達を得るのは難しいと感じています。単語の暗記や音読・シャドーイングなど、レッスンの外での練習が必要です。
Q. 毎日勉強しているのに、なかなか伸びません。なぜですか?
A. 継続していても、やり方が適切でないと成長のスピードが遅くなることがあります。筆者が英会話スクールで担当した、もともと英語が苦手だった30代の男性も、やり方が正しくなかったため、変化がとてもゆっくりでした。「予習→レッスン→復習」の流れに沿った練習がおすすめです。
Q. レッスンの予習では、何をすればよいですか?
A. キーフレーズの確認、文法を日本語で読んで理解すること、出てくる単語を調べること、言いたいことを日本語でメモして英語に直しておくこと、の4つです。
Q. 英語が出てこない、同じ言い回しばかりになるときは、どうすればよいですか?
A. 筆者が指導した、仕事で英語を使う30代の男性は、少し難しい教材でシャドーイングに負荷をかけ、音のつながりを意識する練習と、日本語を言い換えて英語にする練習を続けて、3か月で英語でのプレゼンまでできるようになりました。
まとめ
英語を話せるようになる人の共通点は、特別な才能ではないと感じています。
- うまくいかない原因を、他人のせいにせず自分に探している
- 練習を毎日続け、負荷のかけ方や言い換えなど、やり方も正しいものにしている
- レッスンに任せきりにせず、予習と復習を自分で行っている
- 早くからコツコツ積み重ねている
冒頭の5つの行動のうち、1つだけ変えるところから始めても構いません。次のレッスンの予習から、小さく始めてみてください。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

