昔は外出着を「ズボン」、下着を「パンツ」と言い分けるのが普通でしたが、最近はどちらも「パンツ」と呼ぶことが増えてきましたね。

さて、そんなパンツですが、英語でもそのまま「パンツ(pants)」なのでしょうか。ということで、今回のテーマは「パンツ」です。

最近の日本と同様、外出着も下着も pants なのか、それとも別々の表現があるのか。また、「ブリーフ」や「トランクス」、「パンティ」など、いろいろなパンツの呼び方は英語でも健在なのか、気になりますよね。実際のところどうなのか、詳しく確認していきましょう!

下着の「パンツ」は英語で何て言う?

下着のパンツはアメリカ英語だと “underwear” と言うのが一般的です発音記号は「ˈʌndɝˌwɛr」、カタカナだと「アンダーウェア」です。日本語だとアンダー”ウ”ェアと後ろにアクセントを置いて発音しますが、正しくは “ア”ンダーウェアと前にアクセントが来るので注意です。

underwear とは、読んで字のごとく「(under)にる(wear)」であり、日本語の「下着」と同じ語の成り立ちをしています。

underwear はパンツを表すことが多いものの、実際はインナーシャツやブラジャーなどを総称する集合名詞です。そのため、1枚であっても an underwear とはならず、underwears と複数形にもしません。この点も日本語の「下着」と非常に似ていますね。

Aさん
I need to buy new underwear.
訳)新しいパンツ(下着)を買わなきゃ。

underwear ≒ undies ≒ underpants

また、underwear の口語表現として “undies” という言い方もあります発音記号は「ˈʌndiz」、カタカナだと「アンディーズ」です。

https://kimini.online/blog/wp-content/uploads/2022/12/ElevenLabs_2023-06-29T06_51_04.000Z_Adam_nrMmROjVRTvMJJh4pEcd.mp3?_=1

underwear が男女両方の下着用パンツを指したのと異なり、undies は主に女性用の下着用パンツを指して使われます。

反対に男性用の下着用パンツを指す単語としては “underpants(アンダーパンツ)” が使われます。

どちらも underwear と異なり、常に複数形で使われます。

Aさん
This shop has many women’s undies, but doesn’t have any men’s underpants.
訳)このお店に女性用下着はたくさんありますが、男性用下着はありません。

なぜパンツ(pants)は複数形なのか?

undies と underpants だけでなく、パンツ関連の英単語は ~pants などと複数形にするのが基本ですこれには2つ説があって、1つは「足が2本あるから」、そしてもう1つは「布を2枚縫い合わせるから」。

前者の説は、右足と左足を通すから right pant と left pant で pants ということです。shoes も右と左のペアとして複数形にするのが普通ですが、それと同じ感覚ですね。

後者の説は、下着用パンツの発祥が布を前と後ろの2枚張り合わせただけの簡易的なもので、布の2枚セットだから pants と呼ばれていたというもの。日本で言う「ふんどし」のような形だったようですね。

これらの説のどちらを支持するにしても、「パンツは常に複数形」というのはぜひ覚えておきましょう。

ちなみに、パンツを1枚2枚と数えたいときは “a pair of ~”、”two pairs of ~” と添えればOKです。

アメリカとイギリスで pants の意味が違う?

先述の通り、アメリカ英語では下着用パンツを underwear と言いますが、イギリスでは単に pants と言います

文章にするとややこしいので、表で説明しますね。アメリカとイギリスでは、下着のパンツとズボンを、それぞれ以下のように呼び分けているんです。

アメリカ英語 イギリス英語
下着用パンツ underwear pants
ズボン(外出着用パンツ) pants trousers

いやはや、表にしてもややこしいですね(笑)

日本でズボンのことをパンツと言うのは、完全にアメリカ英語の影響です。ただ、同じ感覚でズボンを指してパンツと言うと、イギリス人には誤解されかねないので注意しましょう。

Aさん
You wear stylish pants.
訳)おしゃれなパンツ履いてるね。
Bさん
What? Why can you see my pants? Are you a clairvoyant?
訳)何?なんでパンツ見えるの?透視能力持ってんの?(※Bさんはイギリス人)

 

外出着の「パンツ(ズボン)」は英語で何て言う?

上記表にもある通り、外出着用のパンツ(ズボン)は、アメリカ英語だと pants、イギリス英語だと trousers と言います

trousers の発音記号は「trάʊzəz」、カタカナだと「トラウザーズ」です。pants と同じく、常に複数形で使われます。

https://kimini.online/blog/wp-content/uploads/2022/12/ElevenLabs_2023-06-29T06_53_10.000Z_Adam_WAHKvjY7ZLFWhVrP2IWU.mp3?_=2

アメリカ英語の pants はメンズとレディースどちらも指しますが、イギリス英語のtrousers はメンズのズボンのみを指して使われます。レディースも含めて表す場合は “slacks(スラックス)” の方が適切です。

余談ですが、「ズボン」という単語はフランス語の “jupon(ジュポン)” が由来になっています。

Aさん
The word “pants” people say in the U.S.A. means “trousers” in the U.K.
訳)アメリカで言う「パンツ」は、イギリスでの「トラウザーズ」を意味します。

いろいろなパンツを表す英語表現

一括りにパンツと言っても、その種類はいろいろ。ここでは、さまざまなパンツを表す英語表現を一挙紹介していきます。

「ブリーフ」in English

真っ白な下着用パンツ「ブリーフ」は、英語でも “briefs” ですパンツなので必ず複数形にする点は注意してください。

brief には「簡潔な」という意味がありますが、その名の通りブリーフは、数あるパンツの中で最も簡潔かつ基本的な形をしていますね。

日本では男性用パンツだけを指してブリーフと呼びますが、英語の briefs は女性用パンツも指します。

「トランクス」in English

ゆったりしたデザインの男性用下着パンツ「トランクス」は、英語だと “boxer briefs(ボクサーブリーフス)” あるいは単に “boxers(ボクサーズ)” と呼ばれます

ボクシングの試合を見たことがある人は、ボクサーが履いているズボンを思い出してください。ゆったりしたデザインで、まるで下着のトランクスみたいですよね。ボクシングを見たことがない人は、代わりにバスケットボールの選手を思い浮かべてもらえれば大体同じです。

「あれ、でも男性用下着にボクサーパンツってあったような…」

そう思った人、鋭いですね。そう、ここから話はまたややこしくなるんです…。

「ボクサーパンツ」in English

嫌な予感は当たるもので、日本語のボクサーパンツは英語だと “trunks(トランクス)” と言いますなんと、日本語と英語で意味が逆転してしまっているんです。

日本語 英語
トランクス boxer briefs(boxers)
ボクサーパンツ trunks

ちなみに、英語の trunks は下着というより、ガチの競技用パンツを表す方が一般的。つまり、boxer が履いている衣装は trunks ってこと。ややこしい限りですね。

「パンティ(ショーツ)」in English

日本で女性用下着パンツを表すパンティとショーツは、アメリカ英語だとそのまま “panties(パンティーズ)”、イギリス英語だと “knickers(ニッカーズ)” と言います

パンツと語感が似ている panties は良いとして、knickers は聞きなれない単語ですよね。実はこれ、日本で鳶(とび)職の方々が履いている「ニッカポッカ」の語源と言われている単語。もともとはゆったりしたブルマのような下着を指していたようです。

「ショートパンツ」in English

日本では主に外出着用の短いズボンを表す「ショートパンツ」は、英語だと “shorts(ショーツ)” と呼ぶのが一般的

日本でショーツと言うと女性用下着のイメージが強いですが、英語ではどちらかというと少年が履くような半ズボンを指すことが多いです。

最近では日本でも、おしゃれなメンズを中心に「半ズボン=ショーツ」と呼ぶことが増えてきました。同じ言葉がいろいろな意味を表す群雄割拠状態…。英語より日本語の方が難しい気がしますね(笑)

まとめ

今回は、「パンツ」を表す英語について詳しく確認してきました。

アメリカ英語を基準とすると、下着用パンツは underwear、外出着用パンツ(ズボン)は pants です。イギリス英語だとまた異なりますが、一気に覚えようとすると混乱するので、まずはアメリカ式からマスターしましょう。

たかがパンツ、されどパンツ。今回ご紹介したことを参考に、日本語でも英語でも間違いのない呼び方ができるように頑張りましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!