あらすじとは概略であり、まとめたものを指します。ドラマや映画、小説などのあらすじもそうですし、資料や論文を的確に要約した形のものもあります。

さて、皆さんはあらすじの英語表現を知っていますか?
本記事では要約・概略・まとめ・趣旨・要旨・概略などなど、あらすじにまつわる表現を7つ紹介します。ビジネスから趣味の読書や映画鑑賞までカバー、ぜひバリエーションを増やしていきましょう。

summary (要約、概略、まとめ)

日本語でもサマリーと言うことのある名詞summaryは、要約・概略・まとめの意味を持ち、書かれたもの、または話されたことの要点を抜き出したものになります。ビジネスにもよく使われますし、英語圏の学校では子どもたちが課題についてサマリーを作成することもあります。
summaryには自分の意見や解釈、コメントは含めませんし、含める必要もありません。

summaryを使った例文

Aさん
My colleague made a summary of the presentation and sent it to the attendees in advance by email.
訳)同僚がプレゼンのサマリーを作成し、事前に出席者にメール送信しました。
Aさん
The financial summary explained how we did well last year.
訳)決算まとめでは、昨年の業績がいかに好調であったかが説明された。

outline (概略、趣旨、要旨)

summaryの意味に近いものとして使われるのがoutline(アウトライン)です。文章のボリュームはサマリーよりアウトラインのほうががさらに絞った形になります。スピーチや論文で提示される資料として、トピックの順序やそれぞれの相対的な重要性などを説明します。
outlineは名詞とだけでなく動詞としても使われます。

outlineを使った例文

Aさん
An outline should be a direct and clear map of your essay.
訳)アウトラインは、エッセイの直接的、また明確なマップでなければならない。
Aさん
The boss asked me to outline the proposal.
訳)上司が私にその提案の要旨を説明するよう尋ねた。
Aさん
I just want the simple outline of the briefing, not the 4 hour version!
訳)4時間分のものじゃなく、ブリーフィングのシンプルな概略だけが欲しいの。

digest (摘要、梗概、ダイジェスト)

digestも日本語ダイジェストとして馴染みがある言葉ですね。digestには知識や食べ物などを消化する、意味を飲み込むという意味があります。ダイジェスティブビスケットならしっかり噛んで消化に良いビスケットですし、新聞などのダイジェスト版なら要約版の意味になり、重要なところだけをまとめたものになります。消化を良くするために噛み砕くように、分かりやすく説明するものというニュアンスで覚えるのはいかがでしょう。

digestを使った例文

Aさん
I have no time to read them all but the digest helps me to understand.
訳)それらをすべて読む時間はありませんが、ダイジェストは理解に役立ちます。
Aさん
I can get information quickly by reading the digest.
訳)ダイジェストを読むことで情報が早く入手できます。
Aさん
The digest will just give me the facts I need.
訳)ダイジェストは私が必要な事実だけを教えてくれる。

sketch (素描、点描、概略)

ここでは、絵を描くときのスケッチでもお馴染みのsketchを紹介します。デッサンやドローイングとも同じ意味のスケッチですので、素描や点描の意味があります。加えて、草案や見取り図などの概略の表現にもスケッチが使われます。動詞として「概略を説明する」という意味も持っています。知らなければ少し意外と感じるものの、その作業には共通するものがあると考えられます。

sketchを使った例文

Aさん
The teacher sketched the outline of the book.
訳)先生は、その本の概略の説明をしました。
Aさん
Let’s ask her to sketch out her plan.
訳)彼女に計画の概略を説明してもらいましょう。

rundown (ざっくりとしたまとめ)

まとめはまとめでもrundownは、ざっくりとしたものを表します。細かなものではなく、おもに取り上げたいこと、一番理解してほしいことなどを大まかにまとめたものです。

rundownを使った例文

Aさん
I gave you a rundown the other day, have you read it?
訳)この前、ざっくりまとめたものを渡したけど、読んだ?
Aさん
It would be helpful if you give me a rundown of everything you discussed in the morning meeting?
訳)朝の会議で話しあった内容のざっくりまとめたものをもらえるとすごく助かるんだけどな。

synopsis (あらすじ、大意)

英語学習をしているみなさんは、海外の映画やドラマを観ることがあるでしょう。予め日本語のあらすじを読むことでストーリー展開を理解するのに役立ちます。
この場合に言うあらすじこそがsynopsis(スィノプスィス)です。論文や本などの梗概(こうがい・短くまとめたもの)もsynopsisが表現します。

synopsisを使った例文

Aさん
Don’t tell me the synopsis!
訳)あらすじ、言わないで!
Aさん
I read the synopsis and decided to watch the film.
訳)あらすじを読んで、その映画を観ることにしたんです。
Aさん
This is a long article to read. Could you give me a synopsis of it please so can get an idea of what it is about.
訳)これは読むのには長い記事だ。どのような内容か分かるように、大意を教えていただけませんか?

story(話)

最後は、皆さんにとってもお馴染みのstoryでしめましょう。
storyには物語・話・文学作品などの短編小説、そして小説や映画の筋・ストーリーといった意味があります。
フィクション(創作・小説)に対して、ノンフィクション(記録文学・紀行文・歴史など実話)がありますが、storyはどちらも含んでいます。

ちなみに、”あんな話ししてるけどさ、あれって本当なの?”などとその人の話しを信じていないときにもstoryが使われます。これはフィクションのストーリーというニュアンスからきているからかもしれませんね。

storyを使った例文

Aさん
My father told me the story of his life.
訳)父は私に彼の人生の話をしてくれました。
Aさん
The poster of the film expresses the sentiment very well about the story.
訳)その映画のポスターは、ストーリーの筋をとても上手く表現しています。
Aさん
I went to the photo exhibition in London. Every single picture tells you the story.
訳)ロンドンでの写真展に行ってきました。一枚一枚すべての写真がストーリーを物語っています。

まとめ

  • summary (要約、概略、まとめ)
  • outline (概略、趣旨、要旨)
  • digest (摘要、梗概、ダイジェスト)
  • sketch (素描、点描、概略)
  • rundown (ざっくりとしたまとめ)
  • synopsis (あらすじ、大意)
  • story(話)

7つの表現を紹介しましたが、使い分けは少し難しいかもしれません。storyは良いとして、まとめはsummary、ざっくりしたまとめがrundown、そして誰もが使うシーンがあると考えられるsynopsis、この辺を抑えて慣れていくのはどうでしょう。
仕事などであらすじ・まとめに関する英語を使うことがあるけれど迷う場合には是非、オンライン講師に尋ねてみてくださいね。