子どもの頃、近所に首輪をつけていない犬が2匹いました。片方はいつも温厚な「ぼーこちゃん」、もう一方はすぐに噛みつく獰猛な「番ちゃん」。

幼き私はある日、何を思ったか番ちゃんをぼーこちゃんと間違えて駆け寄っていきました。あわや噛みつかれるかと思いきや、番ちゃんはクンクンと甘えてきたのです。人も動物も、先入観をもって接してはいけないんだな、そんな教訓が得られる貴重な経験でした。

さて、ということで(?)今回のテーマは「首輪」です。英語で首輪を何と言うか、関連表現も含めて詳しく確認していきましょう!

「首輪」は英語で何て言う?

「首輪」は英語で何て言う?

「首輪」は英語で “collar” と言います。発音記号は「kάlɚ」、カタカナだと「カラー」です。

collar の語源を遡るとラテン語で「首」を意味する “collum” に行き着きます。古代ローマ時代当時は首飾りをはじめ、首に巻くもの全般を表していたようです。

Aさん
Originally, the term “collar” was used to refer to any decorative item worn around the neck.
訳)もともと「カラー」って単語は、首につける装飾品を意味していたんだ。
Bさん
In modern English, “necklace” is the more commonly used term for the ones.
訳)現代英語では、「ネックレス」って単語の方が一般的だね。

「犬の首輪」と「猫の首輪」に違いはある?

英語では、犬でも猫でも首輪は collar を使います。そのため、犬の首輪なら dog collar、猫の首輪なら cat collar とでも呼べばよいでしょう。

ちなみに、日本では猫の首輪に鈴(bell)を付けますが、これは日本独自の文化です。海外では飼い主の名前や住所を記した札を付けることはあっても、鈴を付けることは一般的ではありません。

なぜ鈴を付けるかには諸説ありますが、猫の居場所を確認しやすくするという説が有力です。

Aさん
Attaching a bell to a cat’s collar is a unique culture in Japan.
訳)猫の首輪に鈴を付けるのは、日本独自の文化なんだね。
Bさん
In other countries, it’s more common to attach a dog tag to the collar.
訳)他の国だと、首輪に鑑札(ドッグタグ)を付ける方が一般的だよ。

 

Aさん
But it’s weird to call it “a dog tag” for a cat. It should be called “a cat tag”, right?
訳)でも猫に付ける鑑札を「ドッグタグ」って言うのは変だよね。「キャットタグ」って呼ぶ方がよくない?
Bさん
That’s right!
訳)確かに!

「首輪をつける」「首輪をはずす」は英語で何て言う?

「首輪をつける」ことは英語で “put on a collar” と言います。

また、犬や猫が首輪をつけている様子は “wear a collar” と言います。「つける行為」が put on で、「つけている状態」は wear ということです。人間の洋服の場合と同じですね。

また、反対に「首輪をはずす」ことは “take off a collar” と言います。

Aさん
I put a collar on my dog and he wears it obediently.
訳)私が犬に首輪をつけてあげて、犬はおとなしくそれをつけてるんだ。
Bさん
At my place, I wear the collar, but my cat puts it on for me.
訳)うちの場合、僕が首輪をつけてるんだけど、うちの猫がそれをつけてくれるんだ。

 

Aさん
You’re kidding, right?
訳)嘘でしょ?

「首輪」と「襟」は同じ単語?

ここまでを読んで「あれ、collarは襟って意味じゃなかったっけ?」と思った人は鋭い。なんと、洋服の襟と首輪とは、どちらも同じ collar という単語で表せるんです。

その理由については、もう明らかでしょう。双方に共通しているイメージは「首」ですね。collar がもともと首飾り全般を表していたことを考えると、スムーズに納得できるのではないでしょうか。

Aさん
Hey, you forgot to put a collar on your dog.
訳)ねえ、犬に首輪付け忘れてるよ。
Bさん
Well, collarless shirts are in fashion these days, didn’t you know?
訳)ふっ、最近は襟無し服が流行ってるんだよ。知らないの?

 

Aさん
No, that’s a different type of collar!
訳)いやいや、それカラー違いだから!
Bさん
Oh no! The dog ran away!
訳)うわ、犬が逃げた!

 

Aさん
Ah!
訳)きゃー!

「リード」「ハーネス」など、首輪の関連表現を英語で言ってみよう

「リード」「ハーネス」など、首輪の関連表現を英語で言ってみよう

首輪の英語表現がわかったところで、「リード」や「ハーネス」など、その他のペット用品についても確認していきましょう。

中には、日本と海外でのペット文化の違いがわかるアイテムもあるので、動物好きの方はぜひ参考にしてください。

「リード」in English

ペット、特に犬の首輪につけるリードを英語では “leash” と言います。

日本であの紐をリードと呼ぶのは、もともと馬を牽引する縄を “lead rope” と呼んでいた名残りだといわれています。馬が導入立ち止まったり誤った方向に進んだりした際、正しい方向に「導く(lead)」するためのアイテムです。

そのため、日本のリードには無理やり引っ張るイメージがありますが、海外の leash はあくまでペットの護身用としての安全紐です。同じ紐でも役割が違っている点が面白いですね。

Aさん
I often see leashes attached to dogs’ collars, but not so much for cats.
訳)犬の首輪にリードがついてるのは見るけど、猫の場合はほとんど見かけないね。
Bさん
Well, cats usually only go in the direction they want to go anyway.
訳)まぁ、猫はどうせ自分の行きたい方向にしか行かないからね。

 

Aさん
I see, that makes sense.
訳)なるほど、合点がいった。

「ハーネス」in English

ペットの胴体に取り付ける「ハーネス」は、英語でもそのまま “harness” と言います。

ペットの首に首輪をつけると、引っ張った際の衝撃がすべて首に行ってしまいます。その一方、胴体につけるハーネスであれば圧が全体に分散するので、ペットにストレスを与えずに済みます。そのため、海外では首輪よりハーネスの方が一般的なようです。

また、首輪だと首の骨が細い小型犬や猫などは簡単にはずせてしまい、脱走の原因になりますが、ハーネスならその心配もありません。そんな理由もあり、最近では日本でもハーネスを使用するケースが増えてきているようです。

Aさん
I feel uneasy with just a harness, so I put both a collar and a harness on my dog.
訳)ハーネスだけだと何だか不安だから、うちの犬には首輪とハーネスの両方をつけてるんだ。
Bさん
Well, that’s just mean to the dog…
訳)いやー、それは犬がかわいそうだよ…。

「マイクロチップ」in English

ペットの体内に埋め込むマイクロチップは、英語でもそのまま “microchip” と言います。チップのスペルを “tip” と間違えないように注意しましょう。

と、当たり前のように書いていますが、「ペットにマイクロチップ!?」と驚いた方も多いのでは。

日本ではまだ一般的ではありませんが、海外ではペットの身元確認のために、体内に個体識別番号を記したマイクロチップを埋め込むのが一般的です。特にイギリスでは、ペットへのマイクロチップ埋め込みが法的に義務づけられています。

日本でも近年、身元不明のペットが野良化することが社会現象となっているので、今後マイクロチップの埋め込みが当たり前になってくるかもしれません。

Aさん
In the UK, they implant microchips into pets.
訳)イギリスではペットにマイクロチップを埋め込むんだって。
Bさん
Really? That sounds like something from a sci-fi movie.
訳)へえ、なんだかSF映画みたいな話だね。

 

Aさん
Yeah, it does. Hey, what is that thing on your shoulder…?
訳)本当にね。あれ、君の肩についてるそれって…。
Bさん
Huh?
訳)え?

 

まとめ

今回は「首輪」を表す英語表現について、詳しく確認してきました。

首輪は英語で collar と言います。洋服の襟も同じく collar であり、どちらも首の周りにつける点で共通しています。

今回ご紹介したことを参考に、ペットに関連する諸々も英語で表現していきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!