Daylight Saving Timeって何だかご存知でしょうか。
なかなか、我々日本人には馴染みが薄いかと思います。
この記事では、Daylight Saving Time (DST)について理解を深めていきましょう。
その発端や理由、使われている地域、期間なども確認します。
関連する英語表現もご紹介するので、英語力向上にもぜひ参考にしてみて下さいね。
Daylight Saving Time/サマータイムとは?
“Daylight Saving Time”は、日の出時刻が早まる時期である、毎年3月~11月の間、時計の針を1時間進める制度のことです。
太陽光(Daylight)を有効活用(Saving)する時間制度(Time)という訳です。
略してDSTです。別名サマータイムとも呼ばれています。
何と私の夫はこのサマータイムへの調整日に、飛行機に乗り損ねたことがあります。
その慌て様は忘れもしません。
サマータイムなるものの存在感をかみしめた年でした。
学生だったので、「若かったのだな」ということにしています。
最近ではスマートフォンが自動で時間を切り替えてくれるので、そんな失敗も少なそうですね。
どうやって時間調整するの?
時間調整のタイミングは、地域によって異なります。
ここではひとまず、アメリカ・カナダ・メキシコ(一部除く)を例にとってご紹介します。
これらの地域では毎年下記のタイミングで調整します。
- 開始日 3月の第2日曜日 午前2時
- 終了日 11月第1日曜日 午前2時
2022年の場合、3月13日に時計の針を1時間進めて、11月6日に戻すことになります。
厳密にいうと、両日それぞれ下記の様に合わせます。
- 開始日 1:59AMの後は3:00AM
- 終了日 1:59AMの後は1:00AM
つまり、開始日は1日が23時間、終了日は逆に25時間になるということですね。
なんで始まったの?
細かい沿革までは知る必要はないかもしれませんが、実際に国レベルで適用開始されたのが世界大戦に起因するというのは興味深い点ですね。
世界大戦中、人工的な電気の使用量を減らして燃料を蓄える目的があった様ですよ。
- 1784年 ベンジャミン・フランクリンにより初めて言及される。
- 1895年 ニュージランドの科学者が2時間の調整を提案。
- 1905年 上記の科学者と、イギリスの建設者が同時期に、20分毎4回づつの調整を提案。
- 1908年 カナダのオンタリオの一部で1時間の調整を開始。
- 1916年 ドイツとオーストリアが、国として初めて開始。英国やフランスを始めとする国々が追従。
- ほとんどの国が第一次世界大戦後には廃止するも、第二次世界大戦中に再開。
Daylight Saving Timeがある国はどこ?期間は?
Daylight Saving Timeを採用している国々はどこか、また、地域ごとに異なるDSTの期間をご紹介します。
Daylight Saving Timeがある国はどこ?
国連加盟国193か国の内、30%程度にあたる約60か国が実施しています。
また、オーストラリアなど州単位で起用している国もあります。
採用国には下記の様な国々が含まれます。主に西洋が中心ですが、イランやヨルダンも入ってくるのは意外ではないでしょうか。
- ヨーロッパ40ヶ国
- カナダ(一部除く)
- アメリカ(一部除く)
- オーストリア南東部
- ニュージランド
- フィジー
- メキシコ(一部除く)
- キューバ
- ハイチ
- バハマ
- パラグアイ
- チリ(一部除く)
- イスラエル
- イラン
- ヨルダン
- キプロス
- シリア
これ以外にも、エジプトやモロッコ、トルコなど、過去に実施していた国が多くあります。それらの国々では、現在は廃止されています。
そして何と実は日本でも、第二次世界大戦後の1948年~1952年の約4年間導入されていたそうです。
日本列島は縦に長いため、日照時間に差がありすぎるということがネックになり、結局廃止となった様ですよ。
いつからいつまで?
サマータイムの実施期間は地域によって異なるのですが、特に北半球と南半球では大きく違います。
<北半球>
- アメリカ・カナダ・メキシコ
3月第2日曜日午前2時〜11月第1日曜日午前2時 - ヨーロッパ
3月最終日曜日午前1時〜10月最終日曜日
なお、例えばアメリカでは、アリゾナ州の大部分とハワイ州にはサマータイムがありません。これは、もともと日の入りが遅い地域だからだと言われています。
同じ国内で採用と非採用の地域があると混乱しそうですね。夏に別の州から、これらの州に入る時には時計を1時間遅らせる様に注意してください。
<南半球>
- オーストラリア
10月第1日曜日午前2時〜翌年4月第1日曜日午前3時 - ニュージーランド
9月最終日曜日午前2時〜翌年4月第1日曜日午前3時 - ブラジル
10月第3日曜日午前0時〜翌年2月第3日曜日午前0時
Daylight Saving Timeのメリット・デメリット
そもそも、DSTはなぜ今だに採用されているのでしょうか。意味はあるのでしょうか。
実は、DST採用の是非に関しては、多くの議論がなされています。
一般的に主張されているメリット・デメリットを確認しておきましょう。
メリット
- 省エネや温暖化ガスの削減につながる。
- 余暇が増えて消費が拡大する。
- 夕刻の通勤時間や買い物時間が相対的に明るくなり、交通事故や犯罪発生の抑制につながる。
デメリット
- 残業が増えて労働時間が延びる。
- 航空や鉄道ダイヤの変更などのへの負荷。
- コンピューターシステム変更への負荷。
- 体内時計の乱れによる体調不良。
- DST不採用の国との時差が変わる不便性。
皆さんはどう思われますか。
スウェーデンでいうと、夏場は時間調整をしなくとも、日照時間がとても長くなります。
6月中旬の現在は朝の4時頃には明るくなり、日が落ちるのは何と夜の11時。
そのため、合えて時計の針をズラさなくとも、上述した様なメリットの効果は自動的にある様な気もします。
実際にEUでは、DST廃止の声が高まっている様です。
2019年の3月には、欧州議会は、EU内でのDST廃止の案に賛成する意向を示しています。
Daylight Saving Timeの関連英語表現
最後に、DSTにまつわる英語表現いくつかに目を通しておきましょう。
- We switch to DST every year in March.
(訳)DSTには毎年3月に切り替えます。 - DST is practiced to make better use of natural daylight.
(訳)DSTは自然の光をより有効活用するために適用されています。 - We set our clocks one hour forward in the spring.
(訳)春に1時間、時計の針を進めます。 - We set our clocks one hour back in the fall.
(訳)秋に1時間、時計の針を戻します。 - During summer DST is observed and clocks are advanced one hour.
(訳)夏の間は、DSTが適用され、時間が1時間早まります。
時間調整のことを表現するには、“switch”, “set it forward”, “set it back”, “advance”などの単語が便利です。
また、制度を適用しているというときに、“use” 以外にも、“practice”や“observe”を使うと表現が広がりますね。
下記は、主にアメリカで使われている表現で、これでサマータイムの調整方法を覚える様に教わりますよ。
Spring forward, fall back.
訳)春は(ジャンプして)先に、秋は(倒れるように)後ろに
まとめ
Daylight Saving Timeについてご紹介しました。
時間調整の仕方に始まり、DSTの起源や採用している国々などにも言及しました。
スマートフォンなどの時計は自動で切り替わるので便利ですね。
目覚まし時計を使っている方は、眠る前に忘れずに時間を変更しましょう。
日本に居ながら、DSTを採用している国の方々とやり取りする場合も、ミーティングの設定時間などに気を付けて下さいね。