日本には様々な礼儀やマナーがあります。敬語を使うというのもその一つでしょう。
日本人は時に外国人から賞賛され、海外に出ればときにはまったく理解されないことがあります。

筆者が住むイギリスは礼儀正しい人たちが多くいます。さて、この「礼儀正しい」や「礼儀正しい態度」などの英語表現はどのように表現するのでしょうか?

この記事では、英語「礼儀正しい」を紹介します。
人とのお付き合いに覚えておきたい表現を学びましょう。

「礼儀」の英語

まず、英語「礼儀」からみていきます。
礼儀のある態度とは、例えば丁寧な挨拶をしたり、初対面の相手に敬語を使うことなどが挙げられます。これらの行動には、人を敬う気持ちが込められています。

礼儀の反対語は”無礼”です。礼儀をかくという表現もあり、失礼な態度や行動を指します。

礼儀の英語はcourtesy

礼儀を表す単語として、名詞「courtesy」を紹介しましょう。courtesy(カートスィ)には、以下のような意味があります。

礼儀
礼節
礼儀正しいこと
丁寧
親切
親切な行ない
丁重な行為
愛想
好意

これらのどの意味を見ても、相手に対する礼儀、丁寧な態度が含まれていることが分かります。

礼儀courtesyの使い方

名詞courtesyをどのように使うのか以下、例文を紹介します。

Aさん
They had the courtesy to say thank you to the organiser.
訳)彼らは主催者に礼儀を持って感謝を伝えました。
Aさん
I was treated with courtesy all the time.
訳)私は常に丁寧な対応を受けました。

courtesyを相手に対しての礼儀や丁寧という意味でどのように使うのかお分かりになったでしょうか?

無礼の英語はrudeness

礼儀の対極である”無礼”の表現も紹介しましょう。
無礼を表す代表的な単語は「rudeness」です。名詞rudenessは「無礼・失礼・礼儀知らず・行儀の悪さ」「不愉快・嫌気」「無知・無教育」といった耳が痛くなるような意味が満載です。

無礼には他にも、disrespect, dishonourやaffrontなどの単語があります。
disrespectはディスるという日本語でもお馴染みですが、敬意(リスペクト)の欠如を表しています。dishonourもhonour(尊敬の念を持つ)を否定する形ですね。

「礼儀正しさ」の英語

「礼儀正しさ」の英語

さて、続けて礼儀にまつわる表現をみていきましょう。
「礼儀正しさ」という言い方があります。これは名詞でpolitenessになります。

また、礼儀正しさを英語で話すとき、ネイティブがよく使う表現に「polite」があります。polite(ポライト)は形容詞であり「礼儀正しい、丁寧な」に加え、「上品な・洗練された」といった意味を持っています。

例えば、礼儀正しい人ならpolite person、礼儀正しく振る舞うと言いたいときはbehave politely(politelyは副詞で”礼儀正しく・丁寧に”の意味)、そして反対に、礼儀正しくないの場合はimpoliteになります。

politeness・politeの使い方

礼儀や礼儀正しいというときの英語表現は一つではなくいくつかあります。そのなかで先述したネイティブが普段使うという点から、politeness・politeを使った例文をみてみましょう。

Aさん
Politeness is part of the British character.
訳)礼儀正しさはイギリス人気質の一部です。
Aさん
Visitors to Japan are always very grateful for their politeness.
訳)日本を訪れる人は、日本人の礼儀正しさにいつも感謝します。
Aさん
She is always polite.
訳)彼女はいつも礼儀正しいです。
Aさん
He had to be more polite to his teacher.
訳)彼は先生に対し、もっと礼儀正しくなければならなかった。

この機会に、politenessとpoliteを覚え、外国人と礼儀正しさについて話せるようにしましょう。具体的にどんな礼儀を持っているのかまで言えるようになると素晴らしいです。

マナー・エチケットの英語表現と礼儀との違い

マナー・エチケットの英語表現と礼儀との違い

次はもう少し普段使いの英会話に活かせるマナー・エチケットの英語表現をみていきます。

まず、皆さんはマナーとエチケットの違いをはっきりとご存知ですか?分かっている様で、いざ説明するとなると自信がないという人もいるかもしれません。マナーとエチケットは日本語にすると、どちらも礼儀になります。

マナーとは社会全般やある集団において、特定の誰かでなくみんなが気持ちよく過ごすためのちょっとした行動や思いやりです。一方、エチケットは特定の相手に対する思いやり、不快を与えない作法になります。
このことから、マナーはエチケットよりも範囲が広くなるところがポイントになるんですね。

マナーはmanners

マナーは英語mannerからきている言葉です。mannersは「礼儀・礼節・マナー」に加え、「態度・立ち居振る舞い」などの意味があります。ちなみに、mannerと単数扱いにすると”やり方”という意味あいが強くなります。この記事で扱っているマナーは複数形mannersにして使いましょう。

マナーというときには、エチケットよりも広範囲で使うポイントを説明しました。
例えば、食事のマナー。海外のどんな国でも食事に関するマナーがあります。

Aさん
There are many table manners.
訳)多くのテーブルマナーがあります。
Aさん
He has no manners.
訳)彼にはマナーがありません。
Aさん
My Italian friend was surprised to find so many Japanese manners when she’s been to Japan last year.
訳)友人のイタリア人ですが、去年日本へいったとき、多くの日本のマナーに驚きました。

エチケットはetiquette

etiquetteはフランス語が由来です。もともと”規定された行動”を意味した言葉だったんです。
現在のエチケットは、日常生活などでの礼儀、作法として使われています。特に、人と人との関わりにおける場面ですべき行儀や作法です。

Aさん
British pubs have their own etiquette.
訳)イギリスのパブには独自のエチケットがあります。
Aさん
You better look at a person’s face when you speak, that’s etiquette.
訳)話すときには相手の顔を見た方がいい、それがエチケットです。

マナー・エチケットと礼儀との違い

マナーとエチケットの違いを理解し、正しい使い分けができるようになったのではないでしょうか?
では、マナー・エチケットと礼儀との違いはどうでしょう?

マナー・エチケットとも外来語であり、日本語で言うならば礼儀ということになります。どの言葉も、自分だけで生活しているわけではなく、その範囲は違っても気持ちよく時間を過ごすためのものに間違い、違いはないんですね。

「礼儀作法」の英語

礼儀作法という言葉があります。一般的に決まっている礼儀であり、人と接するときの正しいと言われる態度・行動・気持ちです。
一般的にと述べたのは、一旦国が違うとこの礼儀作法が他のものになる可能性があるからです。国によっての礼儀の違いは次で紹介しましょう。

礼儀作法の英語

実は礼儀作法の英語は、これまで紹介してきたcourtesy・manners・etiquetteで表すことができます。
しかし、この中で特にetiquetteが礼儀作法に近い言葉になります。courtesyは礼儀正しさを、そしてmannersはよりマナーという意味で使われるからです。

礼儀作法の例文

Aさん
Begin and end with a bow. This is the etiquette for Japanese martial arts.
訳)礼に始まり礼で終わる。これが日本の武道の礼儀作法である。

外国人の多くが憧れる日本の武道。多くの礼儀作法があり、文化の違いに驚き、だからこそさらに好きになるという面があります。

国によっての礼儀の違いを紹介

国によっての礼儀の違いを紹介

最後に、英語学習をしている皆さんへ、国によってどのように礼儀に違いがあるのか紹介しましょう。

国よる礼儀の違い

国よって文化の違いは山ほどありますが、礼儀という点ではどのように異なる点があるのでしょうか?日本と外国と一括りにすることはできませんし、理解するためにこの記事ですべてを紹介することも不可能です。

例えば、返事の仕方ひとつとっても違いがあるでしょう。
日本ではストレートにNOを言うことがはばかられ、言葉を濁したり、本音と建前という言葉が存在します。これは相手を気遣う点からもきているでしょう。

ところが、外国で本音と建前はありません。自分の考えをはっきりと伝える文化があり、NOと言うことに恐れを感じる必要がありません。もちろん、失礼に当たらない言い回しで伝えることは外国でも必要となります。
しっかりと相手とコミュニケーションをとることが礼儀につながるということこそが筆者の印象です。

礼儀正しいイギリス人

最後に、筆者が住むイギリスについて紹介します。どちらかといえば気難しい印象のあるイギリス人。しかし、子どもから大人までとてもフレンドリーで礼儀正しいと感じます。
前から自転車に乗った子どもが来て道を開けてあげれば、ほぼほぼ100%がサンキュ〜と言って過ぎていきますし、どんなに混んでいるロンドンの主要駅でも人にぶつかることがありません。譲り合って、声をかけ合って、気持ちよく暮らすことができる、これが筆者がイギリスに住んでいて良かったと思う理由の一つです。

まとめ

周りに目を向け、気持ちよく暮らすために必要なものが礼儀、マナーやエチケットですね。礼儀は過剰になり過ぎず、かつ丁寧に生活したいですね。