TOEICは990点満点の国際的に認知された英語能力テストであり、その点数は就職や昇進において重要な指標となります。英検のように1級2級と分かれていないため「どの点数がどのくらいのレベルなのか分かりづらい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、TOEIC点数のレベルについて、100点ごとに区切って紹介します。
一般的に、600点以上で日常会話レベル、700点以上でビジネスコミュニケーションが可能、800点以上で高度なビジネスシーンでも十分活躍できるとされています。目指すべきスコアは、個々のキャリア目標や業界の要求によって異なります。
記事を最後までチェックすれば、どの点数がどのくらいのレベルなのかはっきりしますよ。これからTOEICを受験するつもりの方で、目標スコアが決まっていない方、何点を目指せばいいのか分からない方は参考になるはずです。
TOEICの効果的な勉強法についても解説しますので、ぜひ記事を最後までチェックしてみてください。
TOEICの点数に関する基本情報
TOEIC（Test of English for International Communication）は、英語を母国語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るために設計された試験です。主に国際ビジネスの場で使用される英語力を評価するもので、リスニングとリーディングの2セクションがあります。
TOEICは990点満点の試験です。満点が990点だということは多くの方が知っています。しかし最低点数が10点ということは、意外と知られていません。スコアは10点から990点の範囲で評価され、リスニングが495点、リーディングが495点の満点です。
またTOEICではスコアは5点単位で変動します。つまり600点の次は605点で、その次は610点です。601点や609点といった点数は存在しません。
TOEICが他の試験と異なるスコア方式を採用しているのには理由があります。それは実施回によって平均点に差が出にくくするためです。TOEICは就活などで使われる試験です。TOEICの信頼性を担保するためには、毎回平均点が同じくらいのスコアである必要があります。それでこそ「600点はこのくらいのレベル」「700点はこのくらいのレベル」と判断できます。
採点方法の詳しい仕組みは明らかになっていません。しかしこれらの仕組みを採用することで、英語力をできるだけ正確に測定できるようになっています。
TOEIC点数のスコア別レベル
TOEICスコア別のレベルを以下8段階に分けて紹介します。
- TOEIC〜300点
- TOEIC300〜400点
- TOEIC400〜500点
- TOEIC500〜600点
- TOEIC600〜700点
- TOEIC700〜800点
- TOEIC800〜900点
- TOEIC900〜990点
なおTOEIC300点以下のスコアは、100点ごとに区切っていません。TOEICはマークシート式で3〜4択の試験なので、適当にマークしても4分の1である約250点は取得できてしまうからです。
一般的に、スコアの範囲に応じて英語力のレベルが分類され、例えば、450点以上は基礎的なコミュニケーションが可能なレベル、700点以上はビジネス英語が十分に使えるレベルとされています。スコアを効率的に向上させるためには、自分の現在の英語力を正確に把握し、具体的な目標を設定することが重要です。また、公式問題集を活用して試験形式に慣れることや、定期的な模擬試験で時間配分を身につけることも効果的です。
それぞれ詳しく見てみましょう
TOEIC〜300点
TOEIC300点未満の方は、英語超初心者レベルです。TOEICは選択肢3〜4つの中から正解を選ぶ試験です。満点が990点なので、とりあえずマークさえしておけば、250点程度は取れてしまいます。よって、TOEIC300点未満の方は、自力で解ける問題はほとんどないと言っても過言ではありません。
TOEICを受験して300点未満だった方は、TOEIC対策ではなく、中学英語の復習から始めましょう。中学高校の英語を一通り学び直すだけでも、400点程度は取れるはずです。無理にTOEIC対策用の参考書や単語帳を購入しても、内容が全く分からず挫折につながってしまいます。
中学英語を一通り学べる教材を購入し、その中でも忘れてしまっている単元のみを学習しましょう。
TOEIC300〜400点
TOEIC300〜400点は、中学英語は一通り理解できているが、高校英語は曖昧なレベルです。まだ資格としてもアピールできず、履歴書には記載しない方がいいです。簡単な英語の読解はできるが、英会話は単語レベルの会話しかできないレベルです。
TOEIC400〜500点
大学入試を経験した高校生が、大学入学後にTOEICを受験した際、最も多いのが400点〜500点です。500点は新卒社員に期待するTOEICスコアの最低ラインです。
TOEICは600点から履歴書に書けると言われます。TOEIC400〜500点の方は600点までもう少しなので、この調子で600点を目指しましょう。
TOEIC500〜600点
TOEICの平均点は毎回580点前後です。よって500〜600点はTOEICの平均点に近い点数だと言えます。新卒採用では「TOEIC500点から記載可」としている企業もあり、少しずつTOEICが就活などの役に立ってくるレベルです。ただし英会話に関しては簡単な会話に留まります。
TOEICを受験するのであれば、最低でも目指したいレベルが500〜600点です。
TOEIC600〜700点
TOEIC600点は、上場企業が一般社員に求めるTOEICスコアの平均です。600点は就職活動における最低ラインとされることが多いです。ですから、TOEIC600点以上を取得すれば、就職や転職がかなり有利になるからです。
TOEIC600〜700点では、正しい英語ではないにせよ、英語で意思の疎通ができるとみなされます。航空業界や旅行業界など英語を使った職種で求められる英語力の最低ラインです。
TOEIC700〜800点
TOEICでは、700点あたりから高得点と言われるようになります。本記事ではTOEICのスコアを100点ごとに区切っていますが、TOEIC600点から990点までを4つに分割して、600点・730点・860点・990点と分けられることも多いです。
TOEIC700点から800点を取得すれば、国際部門での業務も支障なくこなせるとされています。また海外赴任の条件や、昇進・昇給の条件としても定められることの多いスコアです。
TOEIC800〜900点
TOEIC800点以上を取得していれば、外資系企業も含めて、ほとんど全ての企業で、就職・転職時に足切りにあうことはないと言われています。
例えば社内公用語を英語にしている楽天は、TOEIC800点以上の取得を社員に課しています。
TOEIC900〜990点
TOEIC900点以上は、TOEIC受験者全体のわずか3%程度です。TOEICで900点から990点を獲得することは、非常に高い英語力を示すものであり、エキスパートレベルと言えます。このスコアレンジは、英語を母国語とする国でのビジネスシーンでも十分に通用する能力を持つことを意味します。英検でも最も難しい1級に相当するレベルです。
具体的には、複雑な文献を短時間で理解し、会議や交渉で積極的に意見を述べることができるレベルです。例えば、国際会議でのプレゼンテーションを任されたり、グローバルなプロジェクトのリーダーシップを担当する機会が増えるでしょう。実践的なポイントとしては、専門的なボキャブラリーを増やし、ネイティブスピーカーとのディスカッションを通じて、流暢さをさらに磨くことが重要です。これにより、実務でさらに高い成果を上げることができるでしょう。
英語の聞き取りや読解については、日常生活で全く不自由を感じないレベルだとされています。
TOEICスコアと企業の求める基準
TOEICスコアは多くの企業において、社員や求職者の英語力を評価する重要な基準となっています。一般的に、600点以上が基礎的なコミュニケーション能力を持つとされ、700点を超えるとビジネスシーンでの使用に耐えると評価されることが多いです。例えば、大手企業では、海外業務に携わる社員に対して800点以上を求める場合もあります。このため、志望する企業の業種や職種に応じて、必要なスコアを確認しておくことが大切です。実際に、企業の求人情報では応募資格として具体的なTOEICスコアが提示されていることもあります。したがって、スコアを向上させることで、キャリアの選択肢が広がり、昇進や転職の際にも有利に働くでしょう。
業界別・職種別のTOEICスコアの目安
TOEICスコアは職種や業界によって要求されるレベルが異なります。一般的に、国際的なビジネス環境で働く場合は、高い英語力が求められます。例えば、外資系企業の営業職では800点以上が望ましいとされています。
一方、国内企業の事務職では600点以上で十分な場合もあります。また、IT業界では技術的な知識と併せて英語のドキュメントを理解する能力が必要となるため、700点以上が基準となることが多いです。具体的な職種に応じたスコアの目安を理解し、自分のキャリア目標に向けて計画的にスコアを向上させることが重要です。これにより、就職活動や昇進での競争力が高まるでしょう。
企業の具体例：楽天のスコア要求
楽天はグローバルなビジネス展開を進めている企業の一つであり、社員に対する英語力の要求が高いことで知られています。特に、TOEICスコアは採用や昇進の際に重要な指標となっています。楽天では、一般的にTOEIC800点以上が求められることが多く、これは日常的に英語を使用する職務において必要なレベルです。具体的には、海外拠点とのコミュニケーションや、英語でのプレゼンテーション能力が重視されるためです。楽天でのキャリアを目指す方は、TOEICスコアを計画的に向上させることが推奨されます。また、スコアだけでなく、実際に英語を使いこなせることが重要であり、英会話の練習や実務での英語使用を積極的に行うことが実践的な対策となるでしょう。
TOEICスコアアップのための勉強法
TOEICスコアを向上させるためには、計画的かつ効率的な勉強法が求められます。まず、基本的な説明として、TOEICテストはリスニングとリーディングの2セクションに分かれており、それぞれ異なるスキルが必要です。スコアアップのためには、各セクションでの弱点を明確にし、効率よく学習することが重要です。
具体的なアドバイスとして、リスニング力を向上させるために、公式問題集やオンラインリソースを活用して日常的に英語を聞く習慣をつけましょう。リーディングセクションでは、速読力を鍛えるためにさまざまなジャンルの英文を読むことが有効です。また、単語力の強化も不可欠であり、頻出単語を重点的に学習することがスコアアップに繋がります。
最後に、実践的なポイントとして模擬試験を定期的に受け、時間配分や問題形式に慣れることが重要です。これにより、試験当日のパフォーマンスを最大化することができます。これらの方法を組み合わせることで、より効果的にTOEICスコアを向上させることができるでしょう。
基礎の徹底：中学英語から始める
TOEICの点数を向上させるためには、まず中学英語の基礎をしっかり固めることが重要です。中学英語は、文法や単語の基礎が詰まっており、これをマスターすることがTOEICのリーディングやリスニングの理解力を高める鍵となります。具体的には、動詞の活用や時制、基本的な文型を復習し、日常的な英単語を正しく覚えることが大切です。たとえば、毎日少しずつでも単語帳を使って単語を暗記し、簡単な英作文をすることで理解を深めることができます。また、英語の例文を音読することで、リスニング力も同時に鍛えられます。基礎を徹底することで、より複雑な問題に対処する際の土台がしっかりと築かれ、結果的にTOEICのスコアアップにつながるでしょう。
パート別対策の重要性
TOEIC対策において、パート別の対策は非常に重要です。TOEICテストはリスニングとリーディングの2つのセクションに分かれており、それぞれが異なるスキルを要求します。例えば、リスニングセクションでは音声の理解力が求められ、リーディングセクションでは速読力と文法の知識が重要です。したがって、各パートに特化した対策を行うことで、効率的にスコアを向上させることができます。
具体的なアドバイスとして、リスニングではシャドーイングを行い、耳を鍛えることが有効です。また、リーディングでは時間を計って問題を解く練習をし、時間管理能力を鍛えることが重要です。さらに、各パートの出題傾向を理解し、それに基づいた学習を進めることで、問題の形式に慣れることができます。
実践的なポイントとして、過去問や模擬試験を活用し、本番の試験形式に慣れることが挙げられます。これにより、試験当日に緊張せず、実力を最大限に発揮できるでしょう。パート別の対策をしっかりと行うことで、TOEICの点数を効率よく上げることが可能になります。
必要なTOEIC対策は目標スコアによって異なる
先ほど、TOEIC点数のレベルを100点ごとに8段階で紹介しました。
実はTOEICに必要な対策は、どのあたりを目標とするのかによっても異なります。今回は必要な対策を大まかに3つの段階に分けて紹介します。
～TOEIC600点
TOEIC600点以下を目指す場合は、基礎学習が最も大事です。具体的には中学・高校レベルの単語と文法、TOEIC頻出の英単語を学ぶ必要があります。
TOEIC600点～800点
TOEIC600〜800点を目指す場合は、パート別対策が大事です。パートごとの解き方を理解して、苦手なパートが一つもない状態を作りましょう。
TOEIC800点〜990点
TOEIC800〜990点を目指す場合は、実践問題演習が大事です。実践問題演習を繰り返して、知らない表現を1つ1つ潰しましょう。
まとめ
TOEIC点数のレベルについて、100点ごとに区切って紹介しました。スコアごとに「どれくらい難しいのか」「取得すれば何ができるのか」などが分かったはずです。
TOEICスコアを効果的に上げるためには、計画的かつ段階的なアプローチが重要です。まず、目標スコアを設定し、現在の実力を把握することから始めましょう。公式問題集を利用して試験形式に慣れるとともに、オンラインの模擬試験で実践力を養うことが有効です。
次に、リスニングとリーディングのそれぞれのセクションに特化した学習を行い、弱点を補強します。例えば、リスニングの向上には、日常的に英語の音声を聞く習慣をつけることが役立ちます。リーディングでは、多様な英文を読み、速読の練習を重ねることがポイントです。そして、定期的に自己評価を行い、学習の進捗を確認しつつ、必要に応じて学習計画を修正しましょう。これにより、効率的にTOEICスコアを向上させることが可能となります。
TOEIC点数のレベル感が分かったら、さっそく目標スコアを決めましょう。そして目標スコアを達成するための勉強を始めてください。また今の自分の英語力がどれくらいかもTOEIC学習を通して確認してみてください。
自分の現在のレベルと目標スコアの距離が分かれば、学習計画も立てやすくなりますよ。
