グローバル化が進んでいることや、小学校の英語必修化に伴い、子どもに英語を学ばせたいと考えている方も多いでしょう。
実際に、英語力を高めることができれば、世界に通じるコミュニケーション能力を取得でき、将来に役立つことが期待できます。
そこで今回は、日本と海外の英語の教育環境の違いを解説したうえで、広島県の英語の教育環境やおすすめのインターナショナルスクールなどを紹介します。
広島県で子どもに英語を学ばせたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
日本と海外の英語の教育環境の違い
日本では2020年度から小学校で英語が必修科目となり、社会全体で英語教育に力を入れていることがわかります。
では、日本以外の先進国では、どのような英語教育が行われているのか、比較しながら見ていきましょう。
日本
先に解説したとおり、日本では2020年度から新学習指導要綱で小学校の英語学習が必修となりました。
具体的には、「小学校3年生から4年生においては外国語活動として2年間、計70単位時間、小学校5年生から6年生においては教科として2年間、計140単位時間、合計210単位時間をかけて指導すること」となっています。
また、小学校の中学年では「聞く・話す」に重点を置いた英語学習を行い、高学年では「核・読む」を加えて、段階的に総合的な英語力を伸ばすような指導が実施されています。
海外
世界112か国220万人を対象とする英語能力統計のEF英語能力指数において、日本の英語能力は78位で「低い」に分類されています。
英語を母国語としない国は日本以外にもたくさんありますが、韓国や中国、オランダなどではどのような英語教育が行われており、英語能力指数はどのくらいなのか見ていきましょう。
韓国
EF英語能力指数において、韓国は東アジアのなかでは上位の37位にランクインしており、英語レベルは「標準的」と評価されています。
韓国では1997年より初等学校第3学年からの英語学習が必須となっており、早い段階から英語の教育環境を整えたことにより、日本よりも高い英語レベルとなっています。
中国
中国では2001年から小学校での英語教育が義務化されており、EF英語能力指数において、49位の「標準的」なレベルにランクインしています。
2001年に世界貿易機構(WTO)に加盟したことや、2008年に北京オリンピックが開催されたことにより、英語教育が強化されたという背景があります。
しかし、昨今では社会情勢の影響により、英語学習排除の動きが活発化しており、2020年のEF英語能力指数ではランキングが大きく下がっているのが現状です。
オランダ
EF英語能力指数で1位を獲得しているオランダは、人口の約9割の人が英語を話せると言われています。
というのも、オランダの公用語であるオランダ語は、英語と同じゲルマン系言語に分類され、文法も似ていることから、オランダ人にとって習得しやすい言語なのです。
また、オランダでは10歳までに英語を必修科目としなければならないと定められており、幼少期から英語の学習環境が整えられていることも要因といえるでしょう。
幼少期から英語を学ぶメリット
世界の先進国のなかでは、日本人の英語レベルは高いとは言えませんが、英語を習得することによって得られるメリットはたくさんあります。
とくに、大人になってから英語を習得しようとするよりも、以下のメリットが期待できることから、幼少期から取り組んでおくほうがよいとされています。
- 英語を英語として理解しやすくなる
- 英語耳が発達する
- 視野が広がる
- 多様性を受け入れやすくなる
- 就職に有利になる
まず、幼少期で英語を学ぶと、英語を習得しやすくなることがメリットです。
日本語と英語は言語構造が大きくことなりますが、幼少期から英語に触れておくと、英語を英語のまま理解できる「英語脳」が発達します。さらに、音声識別能力の高い段階で英語に触れられることで、「英語耳」も発達するため、結果的に英語を習得しやすくなるのです。
さらに、幼少期から英語に触れることで、視野が広がったり、多様性を受け入れやすくなったりするほか、就職で有利になることもメリットといえるでしょう。
インターナショナルスクールの種類と特徴
よりよい英語の学習環境を整えたい、外国の文化に触れさせたいと考える方のなかには、インターナショナルスクールに子どもを通わせたいと検討している方も多いでしょう。
そもそもインターナショナルスクールは、日本に暮らす外国人の子どもに向けて作られた施設ですが、昨今では、日本人でも通う人が増えています。
インターナショナルスクールの特徴は、日本の学校とは異なり、義務教育の枠に当てはまらない「各種学校」や「無認可学校」という区分となります。一部、日本の学校と同等であるとされる「一条校」もありますが、数が少ないのが現状です。
将来、子どもの海外の学校に進学させたいと考えている場合は、インターナショナルスクールを修了した際に、「国際バカロレア資格」を取得できるところがおすすめです。
国際バカロレア資格とは、100カ国以上20,000校以上の大学の入学資格を得られるものであり、海外の進学に有利になるのはもちろん、入学後の単位免除や奨学金、在学期間の短縮などを受けられることもあります。
広島県の英語の教育環境
広島県の教育員会では、「学びの変革」アクション・プランにおいて、「広島で学んだことに誇りを持ち、胸を張って広島や日本を語り、高い志のもと、世界の人々と協働して新たな価値(イノベーション)を生み出すことのできる人材」を育成することを目標に掲げています。
さらに、変化の激しい先行き不透明な社会において、「課題発見・解決学習」「異文化間協働活動」の2点を推進することを強調しています。
広島県のインターナショナルスクール5選
広島県にはグローバル化の達成に向けて英語の教育環境を充実させようとしている動きがあり、インターナショナルスクールも数多くあります。
では、広島県にはどのようなインターナショナルスクールがあるのか見ていきましょう。
広島インターナショナルスクール
1962年に設立された広島インターナショナルスクールは、3~18歳までの人を対象としている学校です。
生徒の国籍が偏ることにないよう、多国籍の生徒で構成されており、国際バカロレア資格やNEASC、CISといった資格を取得できます。
広島叡智学園
「グローバルな視野」と「地域に根付いた心」の双方を教育理念に掲げている広島叡智学園は、2019年4月に開校した全寮制の中高一貫校です。
生徒一人ひとりが主体的に物事を考えられるようにカリキュラムが組まれており、世界の問題を自分たちの課題に置き換え、課題解決につながるよう考える思考を身につけられます。
また、インターナショナルスクールのなかでは数少ない、日本の高等学校卒業資格を取得できることも特徴といえるでしょう。
参考:広島叡智学園
神石インターナショナルスクール
神石インターナショナルスクールは、日本初の全寮制の小学校です。
一条校に定められているため、日本の公立・私立の小学校と同様に、卒業後に義務教育を修了したとみなされます。そのため、卒業後に国内・海外のインターナショナルスクールや、日本の公立・私立中学校へ進学可能です。
まとめ
今回は、広島県の英語の教育環境について解説しました。
広島県では行政や地域が連携して、英語の教育環境を充実させようとしている動きがあります。
また、広島県には複数のインターナショナルスクールがあります。なかには日本初の全寮制小学校のインターナショナルスクールが開校されていたり、「一条校」として日本の義務教育修了資格を得られるところがあったりと、特徴的なインターナショナルスクールが多いといえるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、子どもの英語の学習環境について検討してみてください。