古都鎌倉は近年インバウンドで多くの外国人が観光で訪れていますが、鎌倉市は観光と英語学習の連携プロジェクトも実施しています。

観光地、鎌倉市ならではの観光と英語教育を連携させたプロジェクトとはどんなものなのか、知りたくなりますね。

この記事では、鎌倉市の英語教育について詳しく解説します。

鎌倉市の英語教育推進プロジェクト

鎌倉市の英語教育推進プロジェクト

鎌倉市の英語教育推進プロジェクトには、さまざまな取り組みがありますが、そのうちの代表的なものをいくつか紹介します。

外国人英語講師 (ALT) の 派遣

鎌倉市では、中学校の英語教育や小学校の英語活動においてコミュニケーション態度と能力の育成を図り、異文化理解・国際理解を深めるため外国人を指導助手として小・中学校へ派遣しています。

小学校では英語活動の時間に外国の子どもたちとの交流活動、ネイティブスピーカーなどとのふれあいを通じて、「国際理解に関する学習の一環」「外国語 に触れる」「体験的な学習」として取り組んでいます。中学校では英語の授業にお いて、外国人英語講師によるコミュニケーション能力の育成に努めています。

英語を母国語にしない国の生徒とのオールイングリッシュのオンライン交流

2024年12月、株式会社COLORFULのファシリテートの下、御成中学校3年生の生徒たちが台湾の中学校とオンラインでつながり交流しました。

英語が母語でない台湾の中学生と英語でそれぞれの国の文化や生活を紹介し合いました。御成中学校の生徒は鎌倉の花火大会や鶴岡八幡宮などの観光名所や地元のお菓子、町の歴史など英語でのプレゼンテーションで伝えました!

台湾の中学生からは台湾の食文化や学校生活をプレゼンテーションで聞き、英語で質問をしていました。「台湾のナイトマーケットで一番有名なものは何ですか?」と何度も通じるまで言って、伝わった時は思わず感動している様子でした。
プレゼンテーション後、互いに質問をする中で、国が違っても好きなものが似ていたり、台湾の学生が日本に来ていたこともあり、親近感を感じていました。海外の人とやり取りしていて共通点を見つけると、国が違っても、人間の好みや共感することは似ているんだなと感じると、とても親近感が感じれらますね。

鎌倉の英語スピーチ大会の開催校

英語スピーチコンテスト

鎌倉女学院中学校では、毎年恒例の陸奥記念杯英語スピーチコンテストが行われます。2024年度は、中一はネズミの物語、中二はチャーリーとチョコレート工場の一部を暗唱し、みな感情を上手に込めながら身振り手振りも加え見事な発表でした。中三は6人がスピーチを発表しました。生徒たちは約500名の観客を前に堂々と発表しました。英語での司会も三年生が自分たちで企画し、コンテストを盛り上げました。

中学三年生になると、英語で司会もできて、自分の意見を堂々と述べられるまでになるという成長ぶりが、英語スピーチ大会を通して感じられます。

鎌倉の英語教師対象の研修会情報

鎌倉市では、鎌倉市教育センターの主催により、開催校教職員、市内小・中学校教職員希望者ならびに幼稚園教諭・認定こども園保育教諭・保育園保育士の希望者、その他の教育関係者の希望者を対象にさまざまな研修会を行っています。

英語講師対象の研修についても、研修会が行われていますので、詳細については、鎌倉市教育センターの公式サイトをチェックしてみてください。

鎌倉市で観光と英語学習の連携プロジェクトを実施

鎌倉市で観光と英語学習の連携プロジェクトを実施

TOEIC Programを実施する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、鎌倉市でおもてなしの意思表示マークを活用した実証実験「I’m Omotenable! プロジェクト」を2024年10月15日に実施しました。

IIBCでは、10月19日を「TOEICの日」と定め、英語に触れる機会を毎年提供しています。今年は、鎌倉市で外国人観光客に”英語でおもてなし”を実践しました。本プロジェクトは、IIBCと鎌倉市観光協会とが連携して実施。この企画の目的は、「英語に自信はないけれど積極的におもてなしに携わりたい方々」と「困りごとを抱えた外国人観光客」をマッチングさせることで、持続可能な観光地域づくりの一助を担っていくことでした。

本プロジェクトでは、事前に参加者はTOEIC Bridge Listening & Reading Tests(TOEIC Bridge L&R)を受験し、自身の英語力を確認。その後「オモテナブルマーク」を着用して鎌倉市内で外国人観光客と接触し、おもてなしにチャレンジしました。

Omotenable(おもてなぶる)という名前は、「おもてなし」+「できる」+「サステナブル」を組み合わせた造語で、「おもてなしがしたい!」という気持ちが連鎖していってほしいという思いが込められています。

鎌倉市の地元住民が、外国人観光客に英語で道案内したり、観光情報を伝えてあげたりすることによって、外国人観光客も助かりますし、鎌倉市民も自分の故郷を案内して外国人がおもてなししてあげられたという達成感が得られ、素晴らしいプロジェクトですね。

2024年3月、鎌倉女学院でも、中学3年生希望者が鎌倉を訪れている外国人観光客に英語でインタビューを行いました。外国人観光客とたくさん英語で話すことができて、鎌倉での国際交流を存分に楽しんだ一日になりました。近年、日本の観光地を訪れる外国人観光客はますます増えているので、海外旅行しなくても、外国人と英語で交流する機会を作ることができますね。

まとめ

鎌倉市の英語教育について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。古都 鎌倉は観光地としても有名ですが、インバウンドで外国人がたくさん訪れる観光地ならではの利点を活かして英語教育が行われていることが伝わったのではないでしょうか。

鎌倉市では、2024年から「I’m Omotenable! プロジェクト」が行われており、地元市民も英語力を高めて、「外国人をおもてなししたい」という気持ちから、その観光と英語学習の連携プロジェクトに参加する人が増えています。「外国人をおもてなししたい」という気持ちが強ければ強いほど、英語力を高めるという必要性にもどんどん対応していけるのではないでしょうか。その土地ならではの特性を活かして、英語力を高めて、プロジェクトを遂行するという姿勢はとても貴重で尊いもののように感じます。

鎌倉女学院では、英語スピーチコンテストを行うだけでなく、自発的に鎌倉を訪れている外国人観光客に英語でインタビューを行っていることが分かりました。英語スピーチコンテストで自発的に英語で司会をしたり、鎌倉を訪れている外国人観光客に自発的にインタビューするという生徒たちを育成できていることが、何よりも素晴らしい成果だと言えますね。きっと鎌倉市は観光地として今後もたくさんの外国人観光客を受け入れ、英語教育にも力をいれていくことでしょう。その取り組みについては他の都市も大いに学ぶべき点がありますね。