映画のリブート作品を見たことはありますか?
最近よく聞く「リブート」という言葉は、どんな意味で使われているのでしょうか。
そもそも「リブートって英語なの?」と疑問に思った方もいるかもしれませんね。
「リブート」は、英語の”reboot”からきたカタカナ言葉です。
映画の「リブート」は、原作と同じ設定でありながら、ストーリーを新たに作り直し、前作とは違う作品として世に出すことを表します。
「リブート」に厳密な定義はないですが、カタカナと英語で意味や用法に違いはあるのでしょうか。
今回は、カタカナ言葉「リブート」に焦点を当て、「リメイク」との違い、英語”reboot”の意味と使い方、類義語を紹介していきます。
「リブート」の意味
「リブート」は、実行している機器やシステムを一旦停止した直後に、再び起動することを意味するカタカナ言葉です。
英語の”reboot”に由来しており、ソフトウェアや電子機器、モバイル端末などにおけるシステムの「再起動」のことを指して使われます。
OSの設定を変更したり、新しいプログラムをインストールしたりする際に、パソコンを「リブートする」と言います。
IT分野では、パソコンだけでなくシステムや元のサーバーなどの再起動時にも「リブート」という言葉が用いられます。
そんな「再起動」の意味から転じて、映画やドラマを一から作り直した作品を「リブート作品」と呼ぶこともあるので覚えておきましょう。
「リブート」には次のような使い方があります。
・1967年公開の「007 カジノ・ロワイヤル」が2006年にリブートされた。 ・「スパイダーマン」のリブート「スパイダーマン ホームカミング」は大ヒットした。 ・OSの設定を変更したので、端末をリブートした方が良い。 ・プログラムをインストールした後は、パソコンのリブートが必要だ。 |
「リブート」と「リメイク」の違い
「リブート」には、再起動という意味の他に、過去に製作された映画やドラマを一から作り直した作品という意味もあります。
似たような意味の言葉で「リメイク」を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。
日本語ではほとんど同じような使われ方をしている「リブート」と「リメイク」ですが、2つに違いはあるのでしょうか?
リブート | 同じ原作をベースにして、新たな視点や解釈で作り直した作品のこと 時系列や登場人物が大幅に変更されていることも多い |
リメイク | 原作を新たな映像技術や特殊効果を加えて作り直した作品のこと ストーリーや登場人物に大きな変更はない |
「リブート」は、原作の内容を含みつつ、全く別の新しい作品に作り直すことです。
過去作品が、映像の不鮮明さや道徳的問題によって未完に終わってしまったような場合に、シリーズの知名度や人気を復活させることを目的として制作されます。
一方の「リメイク」は、原作のメインストーリーは変えずに、俳優や新しい映像技術などを加えて作り直した作品を指します。
最新技術を駆使し、現代風なアレンジを加えることで、オリジナル作品の魅力を再発信するのが目的です。
混同しやすい「リブート」と「リメイク」。
前作(シリーズ)を作り直した映画やドラマが公開されたときは、「リブート」なのか「リメイク」なのかによって、見方が変わってくるかもしれませんね。
”reboot”の意味
”reboot”は、パソコンや電子機器の「再起動」を意味する英語です。
動詞と名詞2つの用法があり、機器やシステムで何かしらの不具合が生じたり、動作が遅くなったりしたときの「再起動」を指して使われます。
映画やドラマなどの作品を新たな視点や設定で作り直すことも”reboot”で表現します。
辞書では以下のように定義されています。
verb
- (of a computer) to switch off and then start again immediately, or to make a computer do this
(コンピューターの)スイッチを切り、すぐに再スタートさせる- to start something again or do something again, in a way that is new and interesting
何かを再び始めたり、新しく面白い方法で再び何かをしたりすること
noun
- an occasion when a computer is switched off and then starts again immediately:
コンピューターの電源がオフになり、すぐに再起動する場合- a new and interesting version of something such as a film or television show, or the act of making a new and interesting version
映画やテレビ番組などの新しい興味深いバージョン、または新しい興味深いバージョンを作成する行為
”reboot”の発音記号は /ˌriːˈbuːt/ で、「リブゥトゥ」と読みます。
カタカナの「リブート」のように語尾をはっきり「ト」とは読まないので注意しましょう。
”reboot”は、「元の場所に戻る、再び、もう一度」という意味の”re-”と「パソコンを起動してOSを読み込ませる」という意味の”boot”を組み合わせてできた単語です。
”re-”は、ラテン語に由来しており、「再び、新たに、反対に」を表す接頭辞として広く使われるようになりました。
フランス語やラテン語からきている”re-”のついた単語のなかには、もともとの正確な意味が忘れられ、二次的な解釈をされたり、全く認識されなくなっていたりするものもありますよ。
例)receive, recommend, recover, reduce, recreate, refer, religion, remain, request, requireなど
”reboot”を使った例文
”reboot”を使った例文を紹介します。
動詞と名詞2つの用法があるので、それぞれ分けてみてみましょう。
動詞の”reboot”
訳)それでもうまくいかない場合は、アプリケーションを終了し、システムを再起動してください。
訳)同社は、マーケティング戦略を再構築することを決定しました。
訳)実行中のすべてのプログラムはディスクに保存され、再起動時に復元されます。
名詞の”reboot”
訳)システムがシャットダウンし、強制的に再起動します。
訳)彼らは、待望の「オズの魔法使い」リブート版、「ティン・マン」を制作しました。
訳)その映画は、1970年代のクラシックシリーズのリブート版です。
”reboot”の類義語
「再起動」を表す”reboot”は、他にもいろいろな英語に言い換えられます。
同じような意味を持つ”reboot”の類義語を紹介します。
restart
”restart”は、「再開」を意味する英語です。
コンピューターやシステムが一度停止した後、何かのプロジェクトや活動などが中断した後に、再び始める行為を指して使われます。
訳)スマートフォンの動作が重くなったときは、いつも再起動します。
renewal
”renewal”は、「新たに再び始めること」を意味する英語です。
古くなったり、過ぎ去ったりした古いものを再びよみがえらせることを表します。
契約や会員資格などを更新するときや自分の気持ちを新しく切り替えるときも”renewal”で表現できます。
訳)パスポートの更新日を確認する必要があります。
refresh
”refresh”は、「新たなエネルギーを与えること」、または「新鮮さを取り戻すこと」を意味する英語です。
新しい活力や気力を取り入れ、元気を取り戻すようなニュアンスがあり、日本語でもカタカナ表記で「リフレッシュ」と使われています。
訳)少し休憩すると、気持ちをリフレッシュできます。
resume
”resume”は、「仕事や学業などの再開」を意味する英語です。
自分自身の経歴やスキル、資格などをまとめた文書のことを指し、「職務経歴書」や「履歴書」と訳されることもあります。
訳)彼は休暇の後、就職活動を再開する予定です。
revive
”revive”は、「再生させる」「よみがえらせる」という意味を持つ英語です。
何かが衰えそうだったり消えそうだったりする状態を活気づけるときに使われます。
訳)朝の元気の回復には、濃いめに入れたコーヒーが必要です。
まとめ
カタカナ言葉「リブート」に焦点を当て、間違いやすい「リメイク」との違い、英語”reboot”の本来の意味と使い方、そして類義語を解説しました。
「リブート」は、英語”reboot”をカタカナ表記した言葉で、英語本来の意味である「再起動」を表します。
「再起動」の意味から転じて、映画やドラマを再び作り直したものを英語でも”reboot”と言います。
「やり直す」「再び始める」といった意味を持つ英語は他にもたくさんあり、”restart”や”renewal”などに言い換えが可能です。
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