近年、IELTS(アイエルツ)という英語の試験について耳にする機会が増えてきましたが、IELTSについてご存知でしょうか?

IELTSは、International English Language Testing Systemの略称で、英語運営能力を評価する試験です。何の略なのかを聞くと、「なるほど、そうなのか」という感じですね。

IELTSのスコアは、1.0から9.0までの0.5刻みで採点されます。

IELTSのスコアはヨーロッパ共通のCEFR(セファール)と呼ばれる外国語の習得度合いでも測ることが出来るので、TOEICや英検、TOEFLのスコアとも比較しておおよそ換算もできます。

IELTSはイギリスのBritish Council(ブリティッシュ・カウンシル)が運営する公式の英語力の指標で、アメリカやカナダの大学進学や移住の語学要件はもちろん、特にイギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどのイギリス英語圏の大学進学や移住の要件として特に強い英語力の指標になります。

この記事では、そんなIELTSのスコアがどんな難易度・レベルであるのかや、TOEICや英検、TOEFLなど他の英語資格に換算するとどれくらいのレベルになるのかについて詳しくお伝えします。

IELTSのスコアはどうやって算出するの?

IELTSのスコアをTOEFLやTOEICに換算するとどれくらい?

冒頭でお伝えした通り、IELTSのスコアは1.0から9.0までの0.5点刻みで算出されます。

IELTSはリーディング(読解)、リスニング(聴解)、ライティング(英作文)、スピーキング(英作文)の4技能が上述の1.0から9.0までの0.5点刻みで算出され、4技能の総合スコアが「OverAllScore(オーバーオールスコア)」という形で全体のスコアが算出されます。

4技能の総合スコアであるOverAllScoreが、一般的に言われる「IELTSのスコア」になるわけですね。

日本IELTSの公式サイトに各スコアごとの評価が掲載されているのでぜひ参考にしてみてください。↓

9 エキスパート・ユーザー
英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。

8 非常に優秀なユーザー
不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。

7 優秀なユーザー
不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。

6 有能なユーザー
不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。

5 中程度のユーザー
不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することできる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。

4 限定的なユーザー
慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。

3 非常に限定的なユーザー
非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。

2 散発的ユーザー
慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。

1 非ユーザー
単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。

IELTS Japan バンドスコア・採点方法より抜粋

IELTSのスコアをTOEFLやTOEICに換算するとどれくらい?

IELTSのスコアをTOEFLやTOEICに換算するとどれくらいになるのか気になりますよね。

順番にTOEFLとTOEICに換算するとどれくらいになるのかをお伝えします。

IELTSのスコアをTOEFLに換算すると?

冒頭でお伝えした通りIELTSのスコアはTOEFLのスコアとおおよそ換算することができます。

TOEFLにはTOEFL iBT試験とTOEFL ITP試験がありますが、日本で一般的にTOEFLを指すTOEFL iBT試験との換算をお伝えします。

IELTSのスコアをTOEFL iBT試験のスコアに換算すると大まかに以下の通りになります。↓(IELTS受験者の多くを占める5.0までをまとめました)

  • IELTS9.0 → TOEFL120
  • IELTS8.5 → TOEFL119
  • IELTS8.0 → TOEFL117〜118
  • IELTS7.5 → TOEFL109〜116
  • IELTS7.0 → TOEFL100〜108
  • IELTS6.5 → TOEFL90〜99
  • IELTS6.0 → TOEFL80〜89
  • IELTS5.5 → TOEFL69〜79
  • IELTS5.0 → TOEFL61〜68

IELTSのスコアをTOEICに換算すると?

冒頭でお伝えした通りIELTSのスコアはTOEICのスコアとおおよそ換算することができます。

IELTSのスコアをTOEICのスコアに換算すると大まかに以下の通りになります。↓(IELTS受験者の多くを占める5.0までをまとめました)

  • IELTS7.5 → TOEIC970〜990
  • IELTS7.0 → TOEIC870〜970
  • IELTS6.5 → TOEIC820〜870
  • IELTS6.0 → TOEIC740〜820
  • IELTS5.5 → TOEIC600〜740
  • IELTS5.0 → TOEIC550〜600

満点が9.0のIELTSに対して、TOEICの満点である990点がIELTSの7.5であることから、IELTSで上位のスコアが非常に高いレベルの英語力であることがわかりますね。

IELTS、TOEFL、英検のスコア比較表

IELTSとTOEFLや英検のスコアを比較した表があるので、紹介します。
上記で解説した通り、TOEFL iBT 120点=IELTS 9.0ですが、それより下の点数の比較については、上記の解説とスコア比較表で多少のずれがあります。

英検1級のCSEスコアは最低ラインが2630とされていますが、IELTSの7.0が英検1級とだいたい同じぐらいのレベルです。
IELTSがどれだけ難しい試験かというイメージが湧いてきましたね。

TOEFL iBT TOEFL CBT TOEFL PBT 英検 IELTS
120 300 677 3299 9.0
119 297 673 3272
118 295 669 3245
117 292 665 3219
116 289 662 3192
115 287 658 3165
114 284 654 3138
113 281 650 3112
112 279 646 3085 8.0
111 276 642 3058
110 273 639 3031
109 271 635 3005
108 268 631 2978
107 265 627 2951
106 263 623 2924
105 260 619 2898
104 258 615 2871 7.5
103 256 612 2844
102 255 608 2817
101 253 604 2791
100 251 600 2764
99 249 598 2737
98 247 595 2710
97 245 593 2684
96 244 590 2657
TOEFL iBT TOEFL CBT TOEFL PBT 英検 IELTS
95 242 588 2630
1級
7.0
94 240 586 2615
93 238 583 2600
92 236 581 2586
91 234 579 2571
90 233 576 2556
89 231 574 2541
88 229 571 2526
87 227 569 2511
86 225 567 2497 6.5
85 223 564 2482
84 222 562 2467
83 220 560 2452
82 218 557 2437
81 216 555 2423
80 214 552 2408
79 212 550 2393 6.0
78 211 547 2378
77 209 544 2363
76 207 542 2348
75 205 539 2334
74 202 536 2319
TOEFL iBT TOEFL CBT TOEFL PBT 英検 IELTS
73 200 533 2304
準1級
72 198 531 2293
71 195 528 2282
70 193 525 2270 5.5
69 191 522 2259
68 188 519 2248
67 186 517 2237
66 184 514 2226
65 181 511 2215
64 179 508 2203
63 176 506 2192
62 174 503 2181
61 172 500 2170
60 169 497 2159
59 167 494 2148 5.0
58 165 491 2136
57 162 487 2125
56 160 484 2114
55 157 481 2103
54 155 478 2092
53 152 475 2081
52 150 472 2069
51 147 469 2058
50 144 466 2047 4.5
49 142 462 2036
48 139 459 2025
47 137 456 2014
46 134 453 2002
45 131 450 1991
TOEFL iBT TOEFL CBT TOEFL PBT 英検 IELTS
44 129 446 1980
2級
43 126 442 1969
42 123 438 1958 4.0

参照サイト:
https://www.miyaco.com/score.html

IELTSの難易度やレベルは?

IELTSの難易度やレベルは?

前項の「IELTSのスコアをTOEFLやTOEICに換算するとどれくらい?」でお伝えしたように、TOEICで満点でも8.0以上のスコアには換算されないIELTSはとてもレベルの高い試験であることがうかがえます。

特に以下の要素がIELTSの難しい点だと言えます。

単語が難しい

IELTSは、英検やTOEICと比べて英単語が難しい傾向にあります。

例えば、TOEICは日常英単語に加えてビジネス英単語が出題されますが、一般企業で働いている人にはお馴染みの語彙が多いです。

一方、IELTSは実際の書籍、論文、講演の抜粋から出題されるので、専門性の高い英単語が出題されることも多いです。

こうした単語の難しさが、IELTSを難しく感じさせるひとつの要因だといえます。

Aさん
TOEIC questions are business-related words and sentences, IELTS questions tend to be academic difficult words and sentences.
訳)TOEICでは、ビジネス関連の単語や文章が出題されますが、IELTSでは、アカデミックな難しい単語や文章が出題される傾向にあります。

長文問題が長くて難しい

IELTSの長文問題は長くて難しい傾向にあります。

例えば、TOEICの長文問題は数は多いものの、一文一文はシンプルなものが多く、複雑な英文の構造は少ないです。

一方、IELTSの長文問題で使われる英文構造は、英検上位級(準1級や1級)と比較しても、長くて複雑です。

なので、英単語や英文法の他にも読解に特化した練習をしっかりこなしておく必要があるため、IELTSが他の英語試験と比べても難しいと感じる大きな要因だといえます。

Aさん
I agree that each sentence is simple in TOEIC tests.
訳)TOEICの試験で、一文一文はシンプルなものだというのには同意します。
Bさん
IELTS tests use more difficult vocabulary and sentence structures than the EIKEN grade 1 tests.
訳)IELTSテストは、英検1級のテストより難しいボキャブラリーや文章が使っています。

時間管理が難しい

IELTSの試験は時間管理が難しいです。

例えば、TOEICのリーディングパートは問題数が多く、スコアが800を超える上級者でもすべての問題を解ききるのは難しいことで知られています。

IELTSの問題も、時間に対しての問題数がとても多く、さらには先述のとおり専門性の高い英単語や長くて複雑な文構造を読むのですから、なおさら時間内に解ききることが難しいわけですね。

英単語や文構造の難易度、そして制限時間に対して問題数が多いことも、時間管理が難しくIELTSを難しいと感じさせる大きな要因といえます。

Aさん
It is true that there are many questions in the reading section of a TOEIC test, but there are more questions in an IELTS test.
訳)確かにTOEICテストのリーディングでは、問題数が多いですが、IELTS試験ではもっと問題数が多いです。

IELTSの試験結果はいつ どうやってわかる?

IELTSの結果については、IELTS Official Centreにて以下のとおり確認できます。

IELTSの試験結果は、通常、筆記テスト13日後の13:00にマイページにてご確認いただけます。

(中略)

また同日夕刻に、管轄のテストセンターより成績証明書(Test Report Form)を、ご登録の「郵便物お届け先情報」のご住所宛てに郵送いたします。

IELTS Official Centreより抜粋

13日後の13時に最速でスコアを見ることができ、その後の郵送で公式な成績証明書を受け取ることができるというわけですね。

また同公式テストセンターで以下の言葉も確認できます。

IELTSの成績証明書(Test Report Form-TRF)は下記の日程でそれぞれ結果が発行され、郵送にて発送されます。
・ペーパーで受験するIELTS:13日後
・コンピューターで受験するIELTS:3-5営業日後

(中略)

また、IELTS公式テストセンターでの受け取りも可能です。その場合は、事前にご連絡を頂き、テスト当日に使用したパスポートをご持参の上、13時から17時の間にお越し下さい(成績証明証の受け取りはご本人に限ります)。ただし、金曜日が祝日の場合、オフィスは閉まっておりますので、全て郵送で対応いたします。

IELTS Official Centreより抜粋

コンピューター受験の場合は最速で3〜5日後に結果を確認でき、また金曜日が祝日でなければ事前の連絡で成績証明書を直接受け取れるわけですね。

まとめ

この記事ではIELTSのスコアについて、気になるTOEFLやTOEICとの換算点、IELTSの試験の難易度、結果がいつどのように確認できるかについてお伝えしました。

この記事でお伝えしたことが、あなたのIELTS受験をより円滑にできれば幸いです。