英語を勉強している人にとって、大きな課題のひとつが語彙力の強化。皆さん、さまざまな方法で語彙力アップを目指していると思いますが、語源を使った単語学習法もおすすめの方法です。

語源を使った単語学習法には、はじめて見る単語でも意味が推測できたり、同じグループの単語を効率的に覚えたりすることができるというメリットがあります。
でも、語源ってどういうものか、知っていますか?

そこで今回は、英語の語源についてご紹介します。語源の意味や英語表現、英語学習する際に必ず抑えておきたい語源について解説します。

そもそも英語の語源とは

語源とは単語の本来の形や意味のこと。それぞれの単語がどのように成り立ったか、を意味するものです。

語源は英語で何て言う?

語源は英語では「origin of a word」や「Etymology(エティモロジー)」と表現されます。「origin」には「起源」や「始まり」という意味があるため、イメージしやすいですね。

Aさん
I’m going to check the origin of the word.
訳)その単語の語源を確認するよ。
Aさん
The origin of the word is Latin.
訳)その単語の語源はラテン語だ。

Etymology」は「語源学」のこと。「語源学」ではある語がどこから来たのか、どのように変化したのかなどを探る学問です。学問の名称のため、「Etymology」が日常会話で使われることはほとんどありません。

語源を伝える表現に「be derived from」が使われることもよくあります。「be derived from」は「~に由来する」という意味です。

Aさん
That word is derived from French.
訳)その単語はフランス語に由来する。

英単語の3つの要素

英単語の3つの要素

英単語は次の3つの要素から成り立っています。

接頭辞+語根+接尾辞

どれも聞きなれない言葉なので、なんだかむずかしく感じてしまいますね。具体的にどのようなものなのかを確認しましょう。

  • 接頭辞
    英単語の頭の部分につき、その単語に意味やニュアンスを付け加えるもの。
  • 語根
    その単語の意味を成す中心となるもの。
  • 接尾辞
    英単語の最後につき、その単語に意味やニュアンスを付け加え、単語の品詞を決定するもの。

incredible(信じられない)」という単語を例にして考えましょう。
incredible」の場合、

  • 接頭辞 「in-」:~ではない(否定)
  • 語根-credit-」:信用、信じる
  • 接尾辞-able」:~できる(可能)

で成り立っており、これら3つの要素が組み合わさって「信じられない」という意味になります。

語源を活用してボキャブラリーUPを目指そう!

ボキャブラリーを増やすために、単語帳を活用したり、英語で日記を書いたり、海外ドラマを見たり、とさまざまな方法に挑戦している方も多いはず。

そんな方におすすめするのが、語源の活用も語彙数を増やす方法です。

語源を使って英単語を覚えるのは、部首ごとに感じを覚えるのと似ています。
」という漢字を知っていますか?初めてみる漢字でも部首が「さんずいへん」のため、「おそらく水に関する漢字だろう」とある程度推測できますね。
」は「みぎわ」、「なぎさ」と読み、水際や波打ち際を意味します。

このパターンと同様に、英語の語源を活用すると、ひとつひとつ丸暗記せずとも、ある程度意味の推測ができるのです。

先ほど例に出した「incredible」の接頭辞「in-」が否定の意味であることを知っていれば、「inaccuracy(不正確さ)」という意味がわからずとも、「何かを否定する意味」であることはなんとなくイメージできますね。

ちなみに語根の「-accurate-」は「注意が行き届く」、接尾辞の「-cy」には名詞にする役割と「~の状態、~の性質」という意味があります。

単語の成り立ちが理解出来ると記憶に残りやすくなります。さらにグループに分けて一気に覚えることができるため、語彙を覚えるスピードがグッとアップします。

最初に覚えておきたい基本の語源

最初に覚えておきたい基本の語源

ボキャブラリーを増やしたいときに、まず知っておきたい接頭辞、語根、接尾辞を5つずつご紹介します。

接頭辞①in-

incredible(信じられない)」でもご紹介しましたが、接頭辞「in-」には否定の意味があります。

  • inefficient(効率が悪い)
  • invisible(目に見えない)
  • incorrect(間違いの)

接頭辞②in-

接頭辞「in-」には「中に」という意味もあります。「否定」を意味する接頭辞「in-」とスペルが同じなので要注意。「in-」には「否定」と「中に」の2つの意味があると覚えておきましょう。

  • indoor(屋内の)
  • income(収入)
  • include(含める)

接頭辞③re-

接頭辞「re-」には「再び」という意味があります。

  • regain(取り戻す、回復する)
  • reborn(生まれ変わった)
  • return(戻る)

接頭辞④en-

接頭辞「en-」は「〜にする」という意味です。

  • enroll(登録する)
  • enrich(豊かにする)
  • enlarge(大きくする)

接頭辞⑤ex-

接頭辞「ex-」は、「外に」という意味です。

  • extend(拡大する、延長する)
  • export(輸出する)
  • exit(出口)

語根①-tract-

語根「-tract-」は「引っ張る」を意味します。

  • attract(興味を引く、注意を引く)
  • extract(抜く、抽出する)
  • tractor(耕運機、トラクター)

語根②-ject-

語根「-ject-」は「投げる」を意味します。

  • reject(断る、拒否する)
  • object(反対する)
  • inject(注入する)

語根③-spect-

語根「-spect-」は「見る」を意味します。

  • aspect(外観、様子)
  • inspect(検査する)
  • respect(尊敬する)

語根④-pend-

語根「-pend-」は「ぶら下がる」という意味です。

  • depend(頼る、依存する)
  • pendant(ペンダント)
  • pending (保留の)

語根⑤-duce-

語根「-duce-」は「導く」という意味です。

  • introduce(紹介する)
  • reduce(減少させる)
  • produce(製造する、生み出す)

接尾辞①-able

接尾語「-able」は「〜できる」を意味し、単語を形容詞にします。

  • visible(目に見える)
  • sustainable(持続可能な)
  • stable(安定した)

接尾辞②-ful

接尾語「-ful」は「〜で満ちた」を意味し、単語を形容詞にします。
接尾語として使われる場合は「full(満ちた)」ではなく、 「-ful」なので注意してください。

careful(注意深い)
colorful(色彩が豊かな)
helpful(役に立つ)

接尾辞③-al

接尾語「-al」は単語を主に形容詞にします。

accidental(偶然の)
emotional(感情的な)
governmental(政府の)

接尾辞④-ate

接尾辞「-ate」はその単語を主に動詞にします。

  • activate(活発にする)
  • calculate(計算する)
  • motivate(動機を与える)

接尾辞⑤-ive

接尾辞「ive」は「〜の性質を持つ」を意味し、単語を主に形容詞にします。

  • attractive(魅力的な)
  • impressive(印象的な)
  • sensitive(敏感な)

まとめ

語彙数を増やすために、語源を活用して記憶するのも良い方法です。語源がわかれば、知らない単語でもなんとなくの意味を推測できるし、同じような単語をまとめて覚えることができます。

語源を知ることで、退屈だった英単語の暗記に新たな面白さが加わるかもしれません。

語源での単語学習、ぜひ一度お試しください!