5W1Hは、英語学習の知識としてだけでなく、ビジネスからプライベートまであらゆる面で役に立つ思考術です。
この記事では、5W1Hについて、例文を交えながら解説していきます。
この記事を読み終わるころには、5W1Hを使いこなして円滑なコミュニケーションにつながる知識を十分に身に着けているのでぜひ最後まで読んでみてください。
5W1Hとは?
5W1Hとは、英語を使う上で必須となる「疑問詞」を総称したものです。
日本語で言うなら、「いつ、だれが、どこで、何を、なぜ、どうした」に当たります。
「5W1H」の「5W」とは以下のとおりです。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:誰が
- What:何を
- Why:なぜ
すべての言葉が「W」から始まるので、「5W」と呼んでいるわけですね。
そして「5W1H」の「1H」は以下を指します。
- How:どのように
この「5W1H」という要素は、本来中学生の時に英語の授業で聞く内容です。
しかしこの「5W1H」は、英語学習の枠を超えて優れた「思考術」としても使われます。
ビジネスでも活用できる5W1Hとは?意味と目的
「5W1H」は、ビジネスの基本に欠かせないコミュニケーションのフレームワーク(骨格)としても使われます。
具体的には、メールや書類、議事録などを構成・作成するときに、「相手にとってわかりやすく、伝えたいことをピンポイントで伝える」という目的で使われます。
4月15日の午後3時(When)に、株式会社○○の東京本社(Where)にて、弊社社長「梅村」(Who)がスピーチ(What)を行います。新入社員を激励し(How)、弊社の社員として新たな門出を祝うことが目的(Why)です。
上の例ではオーソドックスに5W1Hを意識して組み立ててお伝えしました。
話し言葉のように思いついたことから話すのではなく、「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」行うのかを明確にすることで、相手はスムーズにあなたの伝えたいことを理解してくれます。
言うまでもなくビジネスにおいてコミュニケーションのスムーズさは非常に重要です。
ミスコミュニケーション(誤解やすれ違い)が生じない、シンプルでスマートなコミュニケーションを構成するために「5W1H」はとても役に立つフレームワークだといえます。
基本5W1Hの要素と順番
5W1Hは、基本的に以下の順番で書かれることが多いです。
- When:いつ / Where:どこで
- Who:だれが / What:なにを
- Why:なぜ / How:どのように
この順番で書くことで…
- 「いつ、どこで」から話が入り、相手にその情景をイメージさせて内容が頭に入りやすくなります。
- 続いて「誰が、何を」を伝えることで、結果や結論を相手に伝えます。次の「なぜ、どのように」という情報を付加する前に、話のフレームワーク(骨組み)を先に伝えることで、「最終的に自分が何を伝えたいか」を明確にできます。
- 最後に、それまで伝えてきた情報に付加する形で「なぜ、どのように」を伝える形で、詳細を伝えることができます。
ビジネスでメールや書類を作成するのが苦手な方は、一度自分の文章を見返して、「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように…」と頭の中で呟き、過不足がないかを確認してみましょう。
そうすることで、「必要な情報がしっかり書かれ、かつ無駄なことが書いてない理想的な書類」が完成しやすくなりますよ。
さまざまな場面で役立つ5W1H
5W1Hは、ビジネスシーンのコミュニケーション以外にも、より根本的な「コミュニケーション」や「思考術」の面でも役に立ちます。
例えば「思考術」です。
ビジネスでもプライベートでも、考えるべきことが多くなっていくと非常にストレスがかかり判断力が鈍っていきます。
その際に、ぐちゃぐちゃになってしまった頭の中を「いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように」の枠組みで整理してみると、頭の中がスッキリしてパフォーマンスが正常に戻ります。
例えば、プライベートで達成したい目標が乱立して雑多になっていると、いつの間にかダラダラしてしまっていつまで経っても達成できないという経験はないでしょうか?
そんな際にも、まず優先順位をつけてから「いつまでに、どこで、何を、なぜ、どのように達成しているのか」という枠組みで考えると、やるべきことが明確になり、日々の時間を無駄にすることが少なくなります。
4か月後のTOEICまでに、職場で、TOEICスコア600を、昇給のため、1日2時間の勉強で達成している
このように、仕事のシーンだけでなくさまざまな場面で5W1Hを役立てることが可能です。
例文から学べる5W1Hの書き方と使い方
ここで、前項「ビジネスでも活用できる5W1Hとは?意味と目的」で挙げた例文を見ながら「書き方」と使い方を見てみましょう。
4月15日の午後3時に、株式会社○○の東京本社にて、弊社社長「梅村」がスピーチを行います。新入社員を激励し、弊社の社員として新たな門出を祝うことが目的です。
上の例文を5W1Hに分けると、以下のとおりになります。
- When:4月15日の午後3時に
- Where:株式会社○○の東京本社で
- Who:社長「梅村」が
- What:スピーチを行う
- Why:新たな門出を祝う
- How:新入社員を激励
このように、5W1Hを意識して書くことで、情報が多すぎることも足りなくなることも少なくなり、相手に伝わりやすくなります。
5W1Hの要素を意識した文章の例
最後に、5W1Hの要素を意識した文章を例に見てみましょう。
2020年夏、東京でオリンピックが開催、アメリカ大統領がエアフォースで日本にやってきます。
↑5W1Hがふんだんに盛り込まれていて大変わかりやすく、ひと目でイメージがつく文章ですね。
分解してみるとこんな感じです→2020年夏(When)、東京で(Where)、オリンピック(What)が開催、アメリカ大統領(Who)がエアフォースで(How)やってきます。
去年の冬、自宅で祖父が倒れ、救急車で病院に搬送された。
簡潔な文章ですが、5W1Hが盛り込まれていることで情報が不足なく、すんなりと頭でイメージできますね。
分解してみるとこんな感じです→去年の冬(When)、自宅で(Where)、祖父が(Who)倒れ、救急車で(How)病院に(Where)搬送された。
私は明日、研修のために会社から車で現地に行きます。
こちらも簡潔な文章ですが、5W1Hが盛り込まれていることで情報が不足なく、考えることなく頭でイメージできます。
分解してみるとこんな感じです→私は(Who)明日(When)、研修のために(Why)会社から(Where)車で(How)現地に(Where)行きます。
5W1Hを使った文の書き方を覚えて情報を明確に伝えよう
ここまで5W1Hを使った文章の書き方を例に挙げてきました。
特にビジネスシーンなどでは、話の個性や面白い表現は求められず、情報を正確に伝えることが大切です。
円滑なコミュニケーションは、些細(ささい)なことながらも積み重なるとあなた自身の信用にもつながります。
意識してしまえば身に着けるのはさほど大変ではないのでぜひ意識してみてください。
まとめ
この記事では、5W1Hについて、英語学習以外にもさまざまな場面で活用できる思考術であることをお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、5W1Hを適切に使いこなし、日々のコミュニケーションを円滑にする知識が備わったことでしょう。
この記事でお伝えしたことが、あなたのお役に立てば幸いです。