英語を学んだり使ったりする上で、”that”は最もよく見かける単語のひとつだと言えますね。

“that”には「それ」とか「その」「あの」など、色んな意味があります。

しかし、「それ」とか「その」といった漠然(ばくぜん)とした意味を覚えていても、使い方を知らないと実際の英会話や英作文、英文読解などでスムーズに使うことができません。

そこでこの記事では、”that”の意味と、使い方についてお伝えします。

thatにはどんな意味がある?

thatにはどんな意味がある?

thatは色んな意味で使われます。

「それ」「その」「あの」「そのこと」「そんなに」「〜ということ」…など、数々の意味になって使われるわけですね。

しかし、「それ」とか「その」という意味を覚えていても、実際に英会話をしたり英文を読んだりする時に、意味を理解するのは難しいでしょう。

なぜなら、thatは「意味」よりも「使い方」の方が重要だからです。

thatの使い方が分かれば、意味もスッと頭に入ってくるでしょう。

それでは、thatの使い方を見ていきましょう。

関係代名詞のthat

thatの代表的な使い方の一つとして「関係代名詞のthat」があります。

関係代名詞とは、英文中の名詞を説明するために、名詞と名詞の説明をつなぐ代名詞を指します。

文字で説明するよりも、例文を見たほうがわかりやすいでしょう。

【例文】

  1. The movie that we watched was very exciting.
    私たちが観た映画はとても面白かったです。
  2. The cake that he made tasted delicious.
    彼が作ったケーキは美味しかったです。
  3. The car that broke down belongs to my friend.
    故障した車は私の友人のものです。

1.の例文では、”movie”(映画)という名詞を、”that”が繋(つな)いで、「私たちが観た」という説明を加えているのがわかりますね。

2.の例文も同じように、”cake”(ケーキ)という名詞を”that”が繋(つな)いで「彼が作ったケーキ」という説明を

3.の例文も”the car”(その車)を”that”が繋いで「故障した車」と説明しているわけですね。

【補足】

文法的な話をするなら、関係代名詞で説明を受ける名詞のことを「先行詞」と言います。

「先行詞」によって、thatの他にも色んな関係代名詞が使われるので、「先行詞」というワードを覚えておくと、関係代名詞や英文法全体の勉強に大変役立ちますよ。

that節

thatの代表的な使い方の一つとして「that節」があります。

「that節」というのは、「that以下の文章を、ひとつの『名詞節』として扱う」ことを指します。

やはり文字で説明してもわかりづらいので、例文を見ながら解説しましょう。

【例文】

  1. That he won the game was surprising.
    彼が試合に勝ったことは驚きだった。
  2. I know that she is coming.
    彼女が来ることはわかっていた。
  3. The problem is that we have no money.
    我々にお金がないことが問題だ。

1.の例文では、「彼は試合に勝った」という(※)文章を、thatがまとめることで「彼が試合に勝ったこと」というひとつの名詞にしているのがわかります。

※文章というのは、「主語」と「動詞」で成り立っているものを指します。

2.例文も、「彼女が来る」をthatがまとめることで「彼女が来ること」というひとつの名詞に

3.の例文も、「私たちがお金を持っていない」という文章をthatがまとめることで「私たちがお金を持っていないこと」という名詞にしているのがわかりますね。

【補足】

上述の3つの例文では、どれもthatが「文章を名詞節」にしていることが大事な役割をしていますね。

1.の例文は、that節(彼が試合に勝ったこと)が「主語」になっていますよね。

「主語」になるには「名詞」である必要があるので、文章をthatで名詞節にまとめているわけですね。

2.の例文は、that節が目的語になって「彼女がくることを知っている」の意味に

3.の例文はthat節が補語になって「お金がないことが問題だ」の意味になっています。

どれも、「文章」から「名詞節」になることで、主語や目的語、補語などの役割を果たしているわけですね。

関係代名詞の”that”と”which”の違い

関係代名詞の”that”と”which”の違い

thatの使い方について「関係代名詞」があると前述しましたね。

「関係代名詞」の中には、thatとよく似た使い方をする”which”もあります。

thatとwhichの違いについて見ていきましょう。

関係代名詞”that”の特徴

関係代名詞の”that”には以下の特徴があります。

  • カンマ(,←この記号)無しで使われる
  • 先行詞が「物」の場合と「人」の場合、どちらにも使われる

順番に見ていきましょう。

カンマ無しで使われる

関係代名詞のthatはカンマなしで使われます。

  • ◯The book that I read was interesting.
  • ✕The book, that I read was interesting.

上の例文みたいな感じですね。

関係代名詞を使う時は、先行詞の後にカンマを使うことがあるのですが、thatではカンマを使わないという特徴があります。

「物」と「人」どちらにも使われる

関係代名詞の”that”は、先行詞が「物」の時と「人」の時の、どちらにも使えます。

例:The person that I met was kind.
The book that I bought was expensive.

personは人を、bookは物を表していますが、どちらも先行詞にも対応できるわけですね。

関係代名詞”which”の特徴

関係代名詞の”which”は、thatと比べて以下の特徴があります。

  • カンマをつけることができる
  • 先行詞が「物」の場合に使う(「人」には使わない)

順番に見ていきましょう。

カンマをつけることができる

関係代名詞のwhichは、カンマをつけて使うことができます。

例:The car, which she bought last year, is very reliable.

whichの前にカンマが入ることで、「ここから名詞の説明に入りますよ」とわかりやすくなりますし、thatの項で触れた「制限用法」と「非制限用法」を使い分けることができます。

先行詞が「物」の場合に使う

関係代名詞のwhichは、先行詞が「物」の場合に使います。

thatのように「人」に使うことはできません。

  • ◯The book which I read was interesting.
  • ✕The person which I met was kind.

関係代名詞は先行詞によって、どの関係代名詞を使うかが決まるので、覚えておきたいですね。

まとめ

この記事では、thatの意味と使い方について以下の点からお伝えしました。

  • thatには「それ」や「その」「あの」など色んな意味があるが、意味よりも「使い方」が大事
  • thatには「関係代名詞」「that節」といった使い方が代表的
  • 「関係代名詞」は、説明したい名詞(先行詞)と、説明する文章をつなげる働きがある
  • 「that節」は、主語と動詞で作られた「文章」を、名詞のまとまりである「名詞節」にできる
  • 「関係代名詞」のthatとwhichには、カンマの有無や、先行詞に「人」を取るかという違いがある

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語の表現力をより豊かにできれば幸いです。

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