私たちの身の回りには、薄い青から濃い青まで、さまざまな青色が存在しています。それらを全部 blue と言うのは楽ですが、日常に彩りを添えるなら、ニュアンスに応じた色表現を使いこなしたいところ。
ということで、今回のテーマは「青」です。青を表すかっこいい言い方やおしゃれな表現について、詳しく確認していきます。
また、青を表す blue に関するスラングや慣用表現についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「青」は英語で何て言う?かっこいい表現の仕方11選
「青」は英語で “blue(ブルー)” と言いますね。濃い青の場合は dark blue、薄い青(水色)の場合は light blue と呼びます。
しかし、英語の青を取り巻く世界は、そんな単純な3種類だけでは表しきれません。色のニュアンスに応じて、何種類もの表現が使い分けられています。
ここでは、そんな英語における青の世界を少し覗いていきましょう。”〇〇 blue” と表記するものを含めると膨大に過ぎるので、今回は名称に blue を含まない色を11種類厳選しました。響きのかっこいい表現も多数あるので、ぜひ覚えてみてください。
aqua(アクア)
“aqua(アクア)” が表すのは、青と緑が混ざったような綺麗な青色です。
aqua とはもともとラテン語で「水」を表す言葉。色だけでなく、水のように透き通ったイメージも連想させます。
aquamarine(アクアマリン)
上述の aqua に「海」を意味する marine が加わった “aquamarine(アクアマリン)” は、その名の通り、海のように透き通った青を表します。
aquamarine といえば、同名の宝石が有名。海の色にそっくりであることから、古来より船乗りたちのお守りとして重宝されていたそうです。
azure(アズール)
“azure(アズール)” が表すのは、薄く澄み切った青色です。
azure という綴りが英語っぽくないですが、この単語はもともとペルシャ語で、トルキスタン周辺で採掘される「ラピズラズリ(lapis lazuli)」という宝石の青色を表していたそうです。
aqua や aquamarine が海の色に例えられたのと同じように、azure はよく空の色に例えられます。
lapis lazuli(ラピズラズリ)
上述の azure と同語源である “lapis lazuli(ラピズラズリ)” もまた、青色を表す言葉として使われます。lapis lazuli の後半にある “lazuli” は azure をラテン語表記したもの。言われてみれば、なんだか綴りが似ていますよね。
残った “lapiz” は「宝石」という意味。そのため、azure と lapis lazuli は基本的にほぼ同じ色を表します。
ultramarine(ウルトラマリン)
“ultramarine(ウルトラマリン)” は、上述の宝石 lapis lazuli を原料とした青い顔料のこと。基本的には lapis lazuli と同様の色を表しますが、宝石を粉末状にしていることから、より深みのある色合いを表すことも多いです。
ちなみに、ultramarine という言葉の由来は「海(marine)を超えて(ultra)」。当時、原料となる lapis lazuli が、ペルシャから海を越えてはるばる輸入されていたことから名づけられたようです。なんともロマンに溢れるおしゃれなネーミングですよね。
Bleu de France(ブリュードフランス)
“Bleu de France(ブリュードフランス)” は「フランスの青」という意味で、フランス国旗のトリコロールに使われる、フランスを象徴する青色を表す言葉です。色の雰囲気としては、azure をもっと柔らかくしたようなイメージになります。
ちなみにフランス語で青は “bleu(ブリュー)” と表し、英語の blue とはアルファベットが1文字ひっくり返っているので、表記する際は注意が必要です。
celeste(セレスト)
“celeste(セレスト)” は、青と白の中間のような、明るい青色を表します。
celeste という単語は、もともとラテン語由来の「空」を表す言葉。しかし、ただの空ではなく神が存在するとされる「天空」を指していたことから、celeste は単なる sky blue よりも明るく荘厳なイメージの色合いを表すようです。
cornflower(コーンフラワー)
“cornflower(コーンフラワー)” は、紫がかった深く美しい青色を表します。
名前から「トウモロコシ(corn)の花(flower)」の色が由来かと思われますが、実際はちょっと違います。なんと、cornflower はとうもろこし畑の周辺に自生する雑草のこと。誰に世話されずとも逞しく生きる姿から、本家 corn の名前を奪う形で名前が付けられました。
ちなみに、トウモロコシの先端には髭のようなモシャモシャしたものが付いていますが、あれがトウモロコシの花。確かに、cornflower と呼ぶにはちょっと地味ですね。
cyan(シアン)
“cyan(シアン)” は明度が高く、はっきりした色合いの青色(水色)を表します。
cyan という言葉は「暗い青」を意味する古代ギリシャ語 cyanos に由来しています。語源は暗い青なのに、現在では明るい青を表す点がややこしいですね。
また、私たちの身の回りで言うと、cyan は印刷インクなどの三原色「マゼンダ(magenta)、イエロー(yellow)、シアン(cyan)」の1つとしても有名です。
indigo(インディゴ)
“indigo(インディゴ)” は、深い藍色を表します。日本ではデニム(ジーンズ)の色の表現として有名ですね。
しかし、indigo は虹の七色を指して使われることもあり、その場合は blue との対比もあって紫がかった青色を表します。
navy(ネイビー)
“navy(ネイビー)” は濃紺色を表します。日本でも色の名前としてよく使われるので、聞き馴染みがある方も多いでしょう。
navy は前述の indigo より更に濃く、ほぼ黒に近いくらいくらいのイメージ。その語源は「海軍」で、イギリス海軍の制服が濃紺色だったことから、慣例的に使われ始めたようです。
blue を使ったスラングや慣用表現
最後に、blue を使ったスラングや慣用表現についても確認しておきましょう。
out of the blue
“out of the blue” は「急に、突然」という意味の慣用表現。
ここで使われている the blue は「青空」のこと。何もない空から前触れもなく何かが現れるようなイメージです。日本語だと「晴天の霹靂(へきれき)」が近いですね。
My father, who had disappeared for many years, came home out of the blue.
訳)何年も行方不明だった父が急に返ってきました。
blue-sky
青空という意味の “blue-sky” は、使う文脈によって「現実的じゃない」というネガティブな意味のスラングになります。どこまで行っても果てが無いイメージですね。
日本語だと、ちょっとニュアンスは異なりますが、「青天井」という表現が似ています。
If people in the world speak the same language, the world will be peaceful.
訳)世界中の人が同じ言葉を話せば、世界が平和になりますよね。
It’s just blue-sky thinking.
訳)それはちょっと現実的じゃないな。
turn the air blue
“turn the air blue” は「悪態をつく」といった意味のスラング。turn A B で「AをBにする」となるので、turn the air blue を直訳すると「空気を青くする」という意味。
日本語でも「空気が凍る」と言いますが、それとほとんど同じイメージです。くれぐれも、汚い言葉を使って空気を青くさせないように注意しましょう。
The man would often turned the air blue, so he was fired.
訳)その男性はよく悪態をついていたので、クビになりました。
once in a blue moon
“once in a blue moon” は、「滅多にない、珍しい」という意味で使われる慣用表現です。
blue moon というのは「ひと月で2回目に見える満月」のこと。通常満月は月に1回しか見られないので、それが由来となって珍しさを表す表現になりました。
ちなみに、なぜ blue moon と呼ぶかについては諸説あり、未だによくわかっていません。とはいえ、なんだか響きがおしゃれなので、ぜひ実際に使ってみたいですよね。
My brother comes out of his room once in a blue moon.
訳)私の兄は、滅多に部屋から出てきません。
まとめ
今回は、「青」を表す英語表現について詳しく確認してきました。
ひとくちに青といっても、その表現方法はさまざま。かっこいい言い方やおしゃれな言い方がたくさんあるので、今回ご紹介したことを参考に、ぜひ普段の会話にも取り入れてみてください。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!