ニュージーランドといえば、大自然があって酪農が盛んというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
人口は約500万人と決して規模の大きな国ではないものの、持続可能な社会やジェンダーギャップをなくす社会の実現に取り組んだりしていて、社会問題に積極的に取り組んでいるという一面もあります。
そんな魅力がたくさんあるニュージーランドは、留学やワーキングホリデー、移住先として人気があります。ただ、「ニュージーランド英語は独得の特徴やなまりがある」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、ニュージーランドの特徴を解説したうえで、ニュージーランドの公用語や英語の特徴などを解説していきます。
ニュージーランドってどんな国?
「世界幸福度報告書(2021年版)」において、ニュージーランドは第9位にランクインしています。これは世界の153の国と地域を対象に実施された調査であり、日本は同調査で56位となっているため、ニュージーランド在住者がいかに幸福度の高い暮らしをしているかわかるでしょう。
決して規模の大きな国ではないものの、魅力がたくさんあって幸福度も高い傾向にあるといえます。
ここでは、そんな魅力あふれるニュージーランドの基本情報や気候、歴史などを解説します。
人口と国土面積
ニュージーランドの人口は約500万人、国土面積は277,467平方キロメートルです。
日本の国土面積は377,974平方キロメートルなので、国土面積は日本の4分の3ほどですが、人口は日本が約1億2,600万人にいるのに対し、ニュージーランドは約500万人なので、人口は日本よりもはるかに少なくなっています。
ニュージーランドの首都は北島にあるウェリントンですが、最大都市は北島のオークランドとなっています。なお、南島には留学先として人気のクライストチャーチや、大自然があってリゾート地として有名なクイーンズタウンなどもあり、魅力的な場所が多くあります。
時差や気候
日本は日時変更線に近いので世界の中でも時間が早いですが、ニュージーランドは日本よりもさらに東に位置しています。そのため、日本よりも3~4時間朝が来るのが早いのが特徴です。
なお、時差を3~4時間としたのは、ニュージーランドはサマータイムが取り入れられており、時期によって日本との時差が変わるからです。
・標準の日本との時差:3時間
・サマータイム中の日本との時差(9月最終日曜日〜翌年4月第1日曜日):4時間
ニュージーランドは南半球にあるので、日本とは太陽の動きや季節が逆になることも押さえておきたいポイントです。
歴史
8〜9世紀ごろ、無人島だったニュージーランドにポリネシアからやってきたマオリ人が住むようになったのが歴史の始まりです。
その後、大航海時代の1642年にオランダ人探検家のアベル・タスマンがニュージーランドを発見します。その当時、ラテン語で「Nova Zeelandia」と島が名付けられ、しばらくしてオランダ語で「Nieuw Zeeland」と呼ばれるようになりました。
そして、1769年にイギリス人探検家のジェームズ・クックが上陸し、国名を「New Zealand(ニュージーランド)」としました。それ以降、ニュージーランドにヨーロッパ人の入植が本格的に開始され、1840年にイギリスの植民地になったのです。
しかし、1947年にイギリスから正式に独立しています。
ニュージーランドの公用語
ニュージーランドには3つの公用語があります。
英語
ニュージーランドの公用語の一つは英語です。
イギリスの植民地だった歴史的背景があり、イギリス英語をベースとした英語が話されます。発音やつづり、言い回しなど、イギリス英語の影響を強く受けています。
ただし、先住民の言葉である「マオリ語」の影響を受けている部分もあるので、イギリス英語と全く同じというわけではありません。
マオリ語
ニュージーランドの先住民であるマオリ族が使う言語を「マオリ語」といいます。
ヨーロッパからの入植が進むにつれてマオリ語は消滅しようとしていましたが、それに危機感を覚えたマオリの人々は、マオリ語の教育を開始します。
マオリの人々の行動もあり、現在ではマオリ語がニュージーランドで広まって公用語となっています。
ニュージーランド手話
2006年、ニュージーランドでは手話が公用語に追加されています。
手話を公用語としているのは世界的にも珍しいため、不思議に感じる方も多いでしょう。
ニュージーランド手話は、イギリスの手話とアメリカの手話、さらにマオリの踊りの中に登場する、顔や手を使った感情表現を融合させた独得なものです。
ニュージーランド英語はなまりがある?
イギリス英語の影響を受けているニュージーランド英語ですが、「ニュージーランド英語は独得の特徴やなまりがある」と聞いたことがある方もいるでしょう。
実際に、ニュージーランド英語には独得のなまりや特徴があります。
ニュージーランド英語の特徴
ニュージーランドはイギリスの植民地となっていた時代があるため、イギリス英語をベースに発音やつづり、言い回しなどが構成されています。
発音の特徴としては、「e」が「i」になったり、「i」が「ə」になったりします。
【「e」が「i」になる】
・egg:エッグ → イッグ
・pen:ペン → ピン
・ten:テン → ティン
【「i」が「ə」になる】
・fish:フィッシュ → フッシュ
・chips:チップス → チュップス
【「æ」が「e」になる】
・cat:キャット → ケット
・that:ザット → ゼット
【「ei」が「ai」になる】
・today:トゥデイ → トゥダイ
・name:ネイム → ナイム
このように、ニュージーランド英語ならではの発音があることが特徴の一つといえるでしょう。
日本で学ぶ英語はアメリカ英語の影響が強いので、発音に違和感があるかもしれません。
ニュージーランド英語とアメリカ英語の違い
ニュージーランド英語とアメリカ英語の違いは、発音だけではありません。
あいさつ表現の違い
アメリカ英語では、「またね」「じゃあね」といった別れ際のあいさつに「goodbye」と言うのが一般的ですが、ニュージーランドでは「cheerio」という表現を頻繁に使います。
カジュアルな表現で、友人間などで頻繁に使われる表現です。
付加疑問文の違い
「~だよね?」という意味の付加疑問文はアメリカ英語で「, 否定+代名詞(主格)? 」(〜isn’t it?など)と言いますが、ニュージーランド英語では「eh?」という表現が使われることもあります。
これは正しい答えですよね?
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まとめ
今回はニュージーランドの特徴や、ニュージーランド英語について解説しました。
ニュージーランドは日本と同じ島国であり、四季がある、大自然が広がっていて酪農が盛んなど魅力の多い国です。
ニュージーランド英語はイギリス英語がルーツであるため、アメリカ英語とは異なる印象を受けるでしょう。さらに、ニュージーランド英語特有のなまりや言い回しなどもあるので、アメリカ英語をベースに英語を学んでいる方は少し違和感があるかもしれません。
しかし、ニュージーランドならではの魅力も多いので、留学先やワーキングホリデー、移住先の候補として検討してみるのがおすすめです。