スピーチやプレゼンなどの最後によく使われるフレーズ「ご清聴、ありがとうございました」。このフレーズ、英語では何て言うか、知っていますか?
今回は、「ご清聴、ありがとうございました」の英語表現、日本語と英語のプレゼンの進め方の違いを中心に英語でプレゼンを作成する時に気をつけるポイントについてご紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。
「清聴」ってどういう意味?
「ご清聴、ありがとうございました」は、話しを聴いてもらったことへの感謝を伝える表現。「清聴」とは相手が自分の話を聴いてくれることを丁寧にいう言葉です。
「清聴」に似た意味を持つ言葉
「清聴」と似た意味を持つ言葉に「傾聴」や「謹聴」があります。
「傾聴」は「けいちょう」と読み、「気持ちを集中させて、熱心に聴くこと」、「謹聴」は「きんちょう」と読み、「丁寧に聴く」という意味です。
「清聴」と「静聴」の違い
「清聴」は「静聴」と間違いやすいので注意が必要です。「静聴」は「清聴」と同じく「せいちょう」と読みますが、意味が異なります。「静聴」は「人の話を静かに聴くこと」。
たとえば、講演会などで司会者が聴衆に対して「ご静聴をお願いいたします。」というような使い方をします。
「ご清聴、ありがとうございました」の英語表現は?
講演会やスピーチ、プレゼンなどの締めの言葉として使われる「ご清聴、ありがとうございました」。英語での表現も確認しておきましょう。
「ご清聴、ありがとうございました」の英語表現は次のとおりです。
- Thank you for listening.
- Thank you for your attention.
- Thank you for your time and attention.
- Thank you for your patience.
「Thank you for listening.」は文字通り「聴いていただき、ありがとうございました」の意味です。
「attention」には「注意」という意味があるため、「Thank you for your attention.」で「(わたしの話しに)注意を向けてくださりありがとうございました」という意味になります。
さらに丁寧な表現が「Thank you for your time and attention.」。「(わたしの話しに)注意とお時間をいただきありがとうございました」という意味になります。
「Thank you for your patience.」もプレゼンやスピーチなどの最後に言うと「聴いていただき、ありがとうございました」という意味ですが、「patience」には「忍耐」や「辛抱強さ」という意味があるため、「話しを最後まで聴いてくれたことに対する感謝の気持ち」のニュアンスが加わります。
「Thank you very much for listening.」や「Thank you so much for listening.」と「very much」や「so much」を追加すると感謝の気持ちを強調できますし、カジュアルなシーンなら「Thanks.」だけでも構いません。
英語のプレゼンの進め方、日本と違うポイントは?
「Thank you for listening.」が終わりのフレーズとして使われるのはプレゼンやスピーチですね。英語のプレゼンやスピーチはは日本語のものと進め方に少し違う点があることをご存じですか?英語のプレゼンに挑戦するなら、この違いは絶対ぜひ知っておくべきです。英語と日本語のプレゼン、それぞれの進め方を確認しましょう。
日本語のプレゼンの進め方
日本語のプレゼンは「起承転結」が基本。
「起」で、問題を提起し、「承」でその説明、「転」で話題を転換し、「結」で結論づけます。
ちなみに「起承転結」は英語では次のように表現します。
「起」:Introduction
「承」:Development
「転」:Turn
「結」:Conclusion
英語のプレゼンの進め方
英語のプレゼンは3つのパートで成り立っており、日本語の場合とは話しの展開が異なります。
英語のプレゼンを構成する3つのパートは「序論」「本題」「結論」。
「序論」ではこれから何について話すのか、プレゼンのテーマと目的を伝えます。
「本題」では、序論で述べたことをさまざまな根拠や理由を用いて詳しく説明します。
「結論」では、本論の説明を要約し、改めてプレゼンで言いたかったことを伝えます。
「序論」「本題」「結論」は英語では次のように表現します。
「序論」:Introduction
「本題」:Main Body
「結論」:Conclusion
英語と日本語のプレゼン違いは?
英語と日本語のプレゼンの進め方で最も大きな違いは、「結論」の伝え方。
英語の場合は、まず「序論(Introduction)」で伝えたいことを提示します。「本題(Main Body)」で、自分の考えを展開し、「結論(Conclusion)」で改めて、伝えたいことを述べます。
一方、日本語のプレゼンでまず説明するのは、前置きや状況説明。最終的に何を伝えたいのかということは、最後の「決」まではっきりしません。
また、日本語のプレゼンには英語にはない「転」で、大きく視点が変わるため、日本語のプレゼンの流れに慣れていない人の場合、混乱を招くこともあるようです。
また、日本語でのプレゼンをする時、ついつい仰々しい表現を使ってしまいがち。前置きが多く回りくどい内容はプレゼンをさらに分かりづらくしてしまいます。
英語でプレゼンを行うなら、日本語の原稿を英語で訳すだけでは不十分。
英語のプレゼンの構成に従って原稿を作成する必要があります。
次で英語のプレゼンの流れを具体的に確認しましょう。
英語のプレゼンの流れを確認しよう
英語のプレゼンのそれぞれのパートではどのようなことを言うのかをもう少し詳しく確認しましょう。
Introduction(序論)で伝えること
英語のプレゼンは、あいさつと簡単な自己紹介で始まります。自己紹介といっても名前と所属する部署や役職程度でOK。自己紹介で聞き手との信頼関係を築きます。
その後、プレゼンの主題や、全体の流れ、所要時間や質疑応答のタイミングを伝えます。
Main Body(本題)で伝えること
Main Bodyでは基本的にIntroductionで伝えた全体の流れに沿って説明していきます。
さまざまな根拠や理由を用い、詳しく説明します。
グラフや図などを用意していた場合はここで示します。
具体的な数値や統計のデータを用い、根拠の信頼性を高めましょう。
Conclusion(結論)で伝えること
ConclusionではMain Bodyの説明を要約し、「結局伝えたいことは何なのか」をもう一度伝えます。
聞き手からの質疑応答の時間を設けると、さらに理解は深まります。
最後にお礼を言ってプレゼンを終了します。
まとめ
今回は「ご清聴、ありがとうございました」の表現を中心に英語と日本語のプレゼンの違いを確認しました。日本語の流れとは違う英語のプレゼンをうまく行うには、繰り返し練習するのが大切です。何度も練習すれば、言い回しにも慣れますし、何より自信が付きますよ。
魅力的なプレゼンに「自信」は欠かせません。自信のあるプレゼンなら、説得力がさらに増すはず。
チャンスがあればぜひ英語のプレゼンにチャレンジしてみてくださいね!