皆さんは普段「ハンカチ」を持ち歩いていますか?

私は昔こそハンカチ無しで、手を洗った後は洋服などで拭っていましたが、今ではハンカチ無しでは落ち着かないようになりました。

外出時にポケットにハンカチが無い、あの時感じる絶望感を若いころは感じていなかったと思うと、人間の感覚の変化は不思議なものだと感じます。

さて、ということで今回のテーマは「ハンカチ」。

カタカナ語として定着している通り、一見英語かと思われるハンカチですが、実はそのままでは英語として通じないんです。

この記事では、英語でハンカチを何と言うのか、語源などを踏まえながら詳しく解説していきます。

また、日英でのハンカチの扱いの違いや、「ハンドタオル」「ナプキン」などの類語についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう!

「ハンカチ」は英語で何て言う?

「ハンカチ」は英語で何て言う?

日本では「ハンカチ」と呼ぶことが多いですが、これは「ハンカチーフ」の短縮表現なので、正しい英語ではありません。一種の和製英語といって良いでしょう。

ということで、英語でハンカチを正しくは “handkerchief” と言います。発音記号は「hˈæŋkɚtʃɪf」、カタカナだとそのまま「ハンカチーフ」でOKです。

また、日常会話の中では、handkerchief を短縮した “hanky(hankie)” という表現もよく使われます。

Aさん
This is for you.
訳)これ、君にプレゼント。
Bさん
Oh, what a nice handkerchief! Thank you very much!
訳)おお、素敵なハンカチだね! どうもありがとう!

 

ハンカチの語源は?

英語でハンカチを表す handkerchief は、もともと「hand(ハンド)+ kerchief(カーチフ)」に分かれていました。

had はご存知の通り「手」という意味ですね。では kerchief は何かというと、なんと「頭巾」という意味なんです。

“ker-” の部分が “cover(覆う)” と同語源で、”-chief” の部分は「頭」という意味。今でも厨房のトップ(頭)にいる偉い人を “chef(シェフ)” と呼びますが、これも同語源です。

語源の通り、kerchief はもともと日除けのために頭に巻く布だったそうですが、それを手に持って、汗や汚れを拭くために使い始めたのが、handkerchief の起源だと言われています。

ちなみに、首(neck)に巻く布は “neckerchief(ネッカチーフ)” と呼ばれています。

Aさん
The word “handkerchief” came to be more popular than “kerchief”, so the word “kerchief” is not used commonly now.
訳)「ハンカチーフ」という言葉が「カチーフ」より一般的になったから、今では「カチーフ」はあまり使われないんだ。
Bさん
In the present-day English, the word “bandana” is similar to the original meaning of it.
訳)現代英語だと「バンダナ」が「カチーフ」の本来の意味に近いね。

 

鼻をかむのはハンカチとティッシュどっち?

私たち日本人にとって、ハンカチは手を拭いたり、涙を拭いたりするためのものですよね。しかし海外、特にイギリスでは、ハンカチは鼻をかむための道具でもあるんです。日本人の感覚からすると、ちょっとびっくり。

海外の人からすると、反対にティッシュで鼻をかむのがもったいないという感覚に映るのだそう。確かに、かむ度に使い捨てるのはエコじゃないですが、ハンカチで思いっきり鼻をかむのにも抵抗がありますね…。

ちなみに、「鼻をかむ」という行為は英語で “blow one’s nose” と言います。海外の人にハンカチを貸して、鼻をかまれても文句は言えませんね。

Aさん
Hey, do you use my handkerchief?
訳)ねえ、ハンカチ使う?
Bさん
Hah? Is that OK? Thank you for your kind offer… “Honk!”
訳)え、いいの?じゃあお言葉に甘えて…「ズビー!」

 

Aさん
Ahhhh, oh my gooood!
訳)ぎゃああああ、なんてこった!

ハンカチの類義語を英語で言ってみよう!

ハンカチの類義語を英語で言ってみよう!

ここからは、「ハンドタオル」や「ナプキン」など、ハンカチの類義語を表す英語表現について確認していきます。

カタカナ語で定着しているものも、英語だとまったく違う意味になっている場合があるので要注意です。

「ハンドタオル(タオルハンカチ)」in English

日本では、手を拭くための小型タオルを「ハンドタオル」とか「タオルハンカチ」と呼びますが、英語だと “face towel” と呼ぶのが一般的です。

「手を拭くためなのに何で face(顔)?」と思うかもしれませんが、海外では手を拭くより顔を拭く際に用いるようで、hand towel より face towel の方がしっくり来るようです。

そもそも、ハンドタオルやハンカチを携帯する文化が日本独特なので、外出先で手を拭くことが無いとも考えられますね。

一方、日本では洗面所などの水回りで使うタオルを「フェイスタオル」と言いますが、これは英語だと “hand towel” が一般的。確かに、洗面所にあるタオルは主に手を拭くので、こっちの方が理にかなっているかもしれません。

以上のことからわかるのは、日本と英語でハンドタオルとフェイスタオルの意味合いが逆転しているということ。これは何ともややこしい…。

それぞれの対応関係を表にまとめると、以下のようになります。

日本語 英語 主な用途
ハンドタオル

(タオルハンカチ)

face towel 日本:手や汗などを拭く

海外:顔を拭く、鼻をかむ

フェイスタオル hand towel 日本:顔を拭く

海外:手を拭く

「手ぬぐい」in English

「手ぬぐい」は文字通り「手をぬぐう(拭く)」ためのものなので、英語だと上述の “hand towel” と同じ意味になります。

ただし、手ぬぐいは今や日本発祥のアイテムとして知名度が高いので、”tenugui” のままでも充分通じるようになってきました。

手ぬぐいは品質が高く海外で人気があるので、プレゼントやお土産としてあげると喜ばれますよ。

「ガーゼハンカチ」in English

ガーゼでできたハンカチは、英語でも “gauze handkerchief” ですが、日本ほど一般的な存在ではないようです。

ガーゼハンカチは肌触りの良さから、ベビー用品としてよく使われるアイテム。海外では赤ちゃんを包むために使う “gauze baby blanket” の方がよく使われます。

「ナプキン」in English

「ナプキン」は英語でも “napkin” と言います。

日本のナプキンには「食卓用の布」と「生理用品」の2つの意味がありますが、英語の napkin は主に「食卓用の布」の意味で使われます。

「生理用ナプキン」の場合は ”sanitary pad” と呼ぶ方が一般的です。

まとめ

今回は「ハンカチ」について詳しく確認してきました。

ハンカチはもともと「ハンカチーフ(handkerchief)」の略語なので、そのままでは英語で通じません。正式名称の “handkerchief”、もしくは英語式の略語である “hanky(hankie)” と呼びましょう。

ただ、海外では日本ほどハンカチを持ち歩かないため、文化の違いをあらかじめ理解しておくことが大切です。海外でハンカチを気軽に貸すと、後悔する可能性もあるのでご注意を…。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!