音楽でよく使われる表現のひとつにverseがあります。
洋楽が好きな人はヴァースのところからコーラスに入って、なんていう解説を読んだことがありませんか？
この記事では、英語verseの意味や使い方、そしてスラングになるとネイティブにどのように使われるのかなど紹介しましょう。
verseとchorusの意味とは？
はじめに、verseとchorusの意味からみていきましょう。
それぞれの単語の使い方も例文で紹介します。
verseの意味
まずverse、いくつもの意味を持っていますが、歌や詩の一節・小節を指す言葉であったり、聖書の節だったりします。単語の意味を調べるとき、語源をチェックすると理解が進むことがよくあります。verseが持つこれらの意味は「一行・詩の行」といった意味のラテン語versusが語源です。
さらには、韻文のつまらない詩だったり二流の詩という意味でも使われます。ちなみに韻文とは、一定の韻律と形式をもつ文章であり、日本では短歌や俳句が代表です。なお、verseのカタカナ語の発音はヴァースのような感じです。
verseの例文
Shakespeare wrote mostly in verse.
訳）シェイクスピアは主に詩で書きました。
イングランドの劇作家シェイクスピアは、人生で150以上もの詩を執筆したと言われます。このことから彼は劇作家としてだけでなく、詩人と言われています。
Shall I sing the descant in the last verse?
訳）最後の一節のデスカントを歌いましょうか？
この例文に出てきたデスカントとは、多声楽での最上声部を言います。
chorusの意味
次に、chorusです。英語chorusの意味は日本語コーラスとしての合唱曲でもありますし合唱団のことも表します。その他にも、ソロの部、唱和など音楽関連の意味を多く持ちます。
chorusの例文
The chorus was singing pop music.
訳）合唱団はポップミュージックを歌っていました。
There are about 30 people in the chorus.
訳）合唱団には約30人います。
一斉に歌を唄うのが合唱団ですね。筆者は合唱団というとザ・ドリフターズの少年少女合唱隊を思い出します（笑）
choir
choirという英語でも合唱団を表現します。choirの読み方はチョアではなく、クワイアと発音します。もともと教会での聖歌隊として教会音楽に関係しますが、合唱団や合唱隊の意味も持ちます。筆者の住むイギリスでは音楽が盛んです。小学生たちがクワイアに参加する活動も多くあります。
曲の1番・2番の言い方
邦楽がAメロ・Bメロ・サビのような構成のところ、洋楽ではヴァース・コーラスと分けられます。1曲で見ると、ヴァース・コーラス・ヴァース・コーラス・ヴァース・コーラスと繰り返しで作られたような曲が多くなります。
I’ve learnt that the foundation of popular music is the “verse” and “chorus” structure.
訳）ポピュラー音楽の基礎は「ヴァース」と「コーラス」の構成であることを学びました。
曲の1番・2番
さて、1番はthe first verse、2番はthe second verseと表します。
The first verse is the introduction to the listener.
The second verse gives us the first chance in the song to shed a new light on the chorus.
訳）1番のヴァースはリスナーへの導入部分です。
2番のヴァースは、この曲のなかでサビに新たな光を当てる最初の機会を与えてくれます。
verse – 音楽用語
曲はいくつかの基本的な構成でできています。
構成とは曲が語りかけるストーリであり、曲のジャンルに応じて以下の種類を異なる配置にしたり、繰り返したりします。
イントロ
Aメロ
Bメロ
サビ
Cメロ
アウトロ
Aメロのverse
verseは歌や詩の一節・小節の意味を持つことをすでに紹介しました。
曲の構成で本記事で取り上げるverseはAメロ、そしてchorusはサビに当たります。このことから、verseは歌のサビに入るまでの導入部分を指します。
ただし、これは邦楽のパターンであり、洋楽の場合はヴァースとコーラスを繰り返すことが多くあります。
ヒップホップではフック以外はヴァース
アメリカのブロンクス地区で生まれたHIP-HOPミュージック。ヒップホップでは一番聴かせたいサビを「フック/hook」と呼びますが、そこ以外はすべてがヴァースになります。
verseの意味 – スラング
ここからはガラリと変わり、verseがスラングになるとどう使われるのか紹介しましょう。
性的嗜好verse
音楽からガラリと変わりすぎの感もありますが、verseは性的嗜好のひとつでネイティブにスラングとして使われる言葉です。特に、クィア（queer/性的マイノリティや既存のカテゴリーに当てはまらない人々）のコミュニティ内で、パートナーとの性的権力の立場を切り替えることを好む意味になります。このことから、verseはswitchesとも呼ばれます。ちなみに、支配的な立場を好む場合はtop、彼らのリードに従う人をbottomと呼びます。
metaverseの意味
次のverse関連フレーズmetaverseには「仮想空間」の意味があります。日本語でもメタバースとして、VRなどとともに注目を集めています。
仮想空間のmetaverse
metaverseはコンピュータが作り出す3次元の仮想空間であり、インターネット上に構築されます。代表的な活用例としては、ゲームが挙げられるでしょう。
Metaverse refers to the convergence of physical and virtual space accessed through computers and enabled by immersive technologies such as virtual reality.
訳）メタバースとは、コンピュータを通じてアクセスされ、仮想現実などの没入型テクノロジーによって実現される物理的空間と仮想空間の融合を指します。
convergence＝融合・集合
immersive technology＝没入型テクノロジー
virtual reality＝仮想現実
one verseの意味
最後のverse関連表現はone verseです。one verseと言えば「一節」の意味になりますが、ここではヒットした楽曲を紹介します。
one verse
one verseとは2023年にMANSION PARKよってリリースされた曲です。MANSION PARKは幼馴染の音楽ユニットで、音楽ジャンルはヒップホップになります。
冒頭には「不意に生まれたone verse 繋ぎ合わせ、でかくなるcanvas」というフック（上で紹介しましたね）が登場します。
TikTokでone verse
one verseを使った動画が何千本も作成され、TikTokユーザーたちによって、リラックスした雰囲気のなか投稿されています。
気になった方はぜひTikTokでone verseをチェックをしてみてくださいね。
まとめ
歌や詩の一節・小節を指す言葉のverse。スラングやmetaverse、そして大ヒットのone verseまで様々紹介しました。ぜひ、verseの意味を理解し、音楽を楽しみましょう。
