皆さんはクレジットカードで支払いをするとき、一括と分割どっち派ですか?
私は若い頃、クレジットカードの分割払いで痛い目に遭ったので、最近はなるべく一括で使うようにしています。未来の自分に託すのも良いですが、過去の自分を恨まないよう、計画的な利用が必要ですね。
さて、そんなわけで今回のテーマは「一括」です。
英語で一括を表現する際、意味によって色々な言い方が考えられます。この記事では、それらの言い表し方や、違いなどについて、詳しく解説していきます。
それでは、早速始めていきましょう!
「一括」は英語で何て言う?
日本語の「一括」に一番イメージが近いのは “lump(ラムプ)” という英単語です。
lump はもともと「塊」を意味する名詞でしたが、そこから「塊にする」と意味が派生し、複数のものを一まとめにすることを表すようになりました。
たとえば「一括する」なら “lump together”、「一括して」なら”in a lump” などと、色々なシーンで使えます。
Recently, all young people seem to lack enthusiasm for work, and it’s troubling.
訳)最近の若者は、みんな仕事に対する熱量が足りなくて困る。
It’s not good to lump everyone together as “young people.” There are dedicated individuals among the youth too.
訳)そうやって「若者」と一括するのは良くないよ。若者の中にだって熱心な人はいるさ。
ただし、日本語の「一括」が使われるシーンは幅広く、表す意味によっては、lump 以外の表現の方が適切であることも少なくありません。
表現ごとの英語での自然な言い回しについては、次の見出しで確認していきましょう。
「一括払い」や「一括処理」など、一括に関する表現を英語で言ってみよう!
ここからは、「一括払い」や「一括処理」など、一括に関連する表現を英語で何と言うか、詳しく確認していきましょう。
「一括払い」は英語で何?
「一括払い」は英語で “one-time payment” や “lump sum payment” などと言います。
one-time payment を直訳すると「1回の支払い」なので、日本語の「1回払い」に近いニュアンスです。また、lump sum payment は直訳だと「一括合計支払い」という感じになり、分割ではなくまとめて払うことを強調したニュアンスになります。
Credit cards abroad typically operate on a monthly lump-sum payment basis.
訳)海外のクレジットカードは、基本的に月ごとの一括払いになっています。
また、「一括で(支払います)」と伝える場合は、”pay at once(pay all at once)” となります。
ただ、海外では日本のように「支払いは何回にしますか?」と聞かれることが皆無に等しいので、使うシーンは限られてくると言えるでしょう。
I’ll pay at once!
訳)支払いは一括で!
Ah, yes. I’ll take your card.
訳)あ、はーい。カードお預かりしまーす。
「一括処理」は英語で何?
コンピュータなどの「一括処理」は、英語だと “batch processing” と表現されます。
ここで使われている batch は「一群」や「一連」といった意味の言葉で、a batch of ~ の形で使われることもあります。また、processing は、「処理する」を意味する process をもとにした動名詞です。
batch processing は日常生活ではあまり使わない表現ですが、仕事でPCなどを使ううえでは、覚えておいて損はないといえるでしょう。
Once you get used to batch processing, manually entering each one can feel incredibly tedious.
訳)一括処理に慣れると、1つひとつ手打ちするのが途方もなく面倒くさく感じられます。
「一括登録」は英語で何?
情報などの「一括登録」は、英語だと “collective registration” と言うことが多いです。
collective は日本語で言うと「集合(集団)全体の」を意味し、registration はそのまま「登録」の意味になります。たくさんの人の情報をまとめて登録するイメージです。
一括処理のところで挙げた batch を使って batch registration と言うこともできますが、こちらだと1つひとつを単なるデータとして扱っているようなニュアンスになります。
As a result of collective registration of employee names, data of already retired employees was inadvertently included.
訳)社員名を一括登録した結果、既に退職している社員のデータも反映されてしまいました。
「一括契約」は英語で何?
ビジネスで用いる「一括契約」は、英語だと “blanket contract” と言います。
ここで使われている blanket(ブランケット)はご存知の通り、もともと「毛布」を表す単語です。毛布は身体全体にかけるものであることから、「一面を覆うもの」と発展し、ここではその意味が活きています。
なお、contract は名詞だと「契約」ですが、動詞だと「縮小する」という意味があります。契約とは、双方のニーズをまとめ上げて(縮めて)行うと考えると、そのコアイメージが見えてきそうですね。
If you sign a blanket contract for these products now, we will present a water server as a bonus.
訳)今ならこちらの商品を一括契約していただくと、ウォーターサーバーをプレゼントいたします。
「一括購入」は英語で何?
「一括購入」を英語にするなら “package purchase” や “bulk purchase” などが適切でしょう。
package は日本語でも「パッケージ」とカタカナで使うように、1つに包まれた状態を示します。そのため、package purchase で何かを1まとめに購入するイメージになります。
また、bulk はもともと「体積」や「容量」を表す名詞で、そこから転じて「大量のもの」の意味で使われます。そのため、bulk purchase だと、常識で考えられる量を超えた大量購入がイメージされます。
A wealthy individual seems to have made a bulk purchase of the land in this area.
訳)ある富豪が、ここら一帯の土地を一括購入したらしいです。
なお、「一括払い」と「一括購入」は一見同じ意味に感じられますが、1つのものを1回の支払いで買うのが一括払いで、複数のものをまとめて購入するのが一括購入という違いがあります。
「分割」は英語で何?
「一括」と反対の意味で使われる「分割」は、英語だと基本的に “division(ディヴィジョン)” で表されます。また、「分割する」と動詞で表す場合は、”divide(ディヴァイド)” や “split(スプリット)” がよく使われます。
divide は「バラバラに(di-)分ける(-vide)」が語源になっていて、空間などを複数に分割する意味でよく使われます。
In this company, they use partitions to divide a single room for multiple uses.
訳)この会社では、1つの部屋をパーテーションで分割して使用しています。
一方の split は「引き裂く」ことが原義になっていて、もともと1つだったものを敢えて分割するニュアンスで使われます。
たとえば、1つの請求を複数人で分割する「割り勘」などを表す際に適切です。
Let’s split today’s payment among everyone.
訳)今日の支払いは、みんなで分割(割り勘)しよう。
「分割払い」は英語で何?
クレジットカードの支払い時に言う「分割払い」は、英語だと ”instalment payments” と言うことが多いです。「分割払いする」と動詞にするなら “pay in instalments” となります。
install は、「中にある(in-)小分けの部屋(stall)」が原義になっています。PCやスマートフォンで「ソフトをインストールする」などと言いますが、これは機械の一部にソフトを入れるイメージです。
分割払いの意味においては、1回目から6回目など、それぞれの支払い時が小分けの部屋のようにイメージされているといえます。
In Japan, credit cards often offer the option of either lump-sum or installment payments.
訳)日本のクレジットカードは、一括払いか分割払いを選べるものが多いです。
Oh, really? In my country, it’s mostly just lump-sum payments by default.
訳)そうなんだ。僕の国だと基本的に一括払いだけだったな。
まとめ
今回は「一括」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
日本語の「一括」に対応する英語は基本的に “lump” ですが、表す意味との相性によっては、他の表現が使われることもあります。たとえば「一括払い」なら “one-time payment”、反対に「分割払い」なら “installment payment” と表現するのが自然です。
今回ご紹介したことを参考に、英語で色々な「分割」をニュアンスに合わせて言い分けていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!