ネイティブと会話をしていると、”as long as”というフレーズをよく耳にします。
「~の限り」「~と同じくらい」と、なんとなくの意味を知っている人もいるかもしれませんが、自分では上手く使いこなせないという人も多いのではないでしょうか。

今回は、日本人にとってちょっとハードルの高い“as long as”について、正しい意味と使い方、また混乱しがちな”as far as”との違いを解説していきます。
後半では、”as long as”を使った関連表現も紹介するのでぜひ最後までチェックしていってください。

“as long as”の意味

as long asの意味

“as long as”を英和辞書で調べると、以下のような訳が書かれています。

  1. 「長さが~と同じ」「~と同じくらいで」
  2. 「~さえすれば」「~する限りは」「~であるならば」
  3. 「~の間(は)」「~だけずっと」「~もの長い間」

参考:英辞郎 on the WEB

1.は、長さや期間の比較でよく登場する同等比較と呼ばれる使い方です。
2.は、文と文をつなぐ接続詞的用法、3.は前置詞的な役割を持っています。

“as long as”には、上記のように用法と意味が複数あるため、文脈から読解(訳すこと)はできても、会話で上手く使いこなせないという人が少なくありません。

実践の難しい”as long as”を攻略するためには、同等比較構文、接続詞的用法、前置詞的用法それぞれの意味をしっかり理解しておくことがとても大切です。

では、3つを順番に解説していきましょう。

同等比較構文の”as long as”「~と同じくらい」

「~と同じくらい」を表す同等比較構文は、as…as構文とも呼ばれ、通常<as + 形容詞/副詞の原級 + as>のような形をとります。
形容詞または副詞の原級を、2つの”as”で挟むのが原則と覚えておきましょう。

as…as構文は、英英辞書で以下のように定義されています。

used to compare two things, people, amounts, etc.
○○と同じくらい~である

参考:Cambridge Dictionary

【例文】

Aさん
Charlotte’s hair is as long as mine.
訳)シャーロットの髪は、わたしと同じくらい長いです。
Aさん
This blue rope is as long as that green one.
訳)この青いロープは、あの緑のロープと同じくらいの長さです。

 

接続詞的用法の”as long as”「~する限りは」

接続詞として使われる”as long as”は、「~さえすれば」「~する限り」「~であれば」と訳されるのが一般的です。
この場合の”long”は、時間や期間の長さを表しており、時間的・期間的な限界や条件を示していると覚えておきましょう。

英英辞書では以下のように定義されています。

used when you are talking about something that must happen before something else can happen
~さえすれば

indicates the conditions necessary for something to happen
~する限りは

参考:Cambridge Dictionary

【例文】

Aさん
I’ll tell you as long as you promise not to tell him.
訳)彼に言わないと約束してくれるなら、教えてあげます。
Aさん
It takes less than five hours from Tokyo to Hakata as long as you take the airplane.
訳)飛行機なら、東京から博多まで5時間もかかりません。
Aさん
As long as the manager is here, I can’t work comfortably.
訳)マネージャーがいる限り、わたしは落ち着いて仕事ができません。

 

前置詞的用法の”as long as”「~もの長い間」

“as long as”が前置詞として使われる場合、前に期間を表す”for”、後ろには名詞や動名詞がつくことが多いです。
“~years”や”~hours”といった年月や時間などの数字を伴った”as long as”は、「~もの間」「~の期間」という意味になると覚えておきましょう。

【例文】

Aさん
Evelyn has been waiting for her boyfriend to come back from studying study abroad in the UK for as long as three years.
訳)イブリンは、イギリス留学から帰ってくる彼を3年も待っています。
Aさん
The rock festival could be as long as 10 hours.
訳)もしかしたらそのロックフェスは、10時間も続くかもしれませんよ。
Aさん
This smartphone can work for as long as twenty hours when powered by an internal battery.
訳)このスマートフォンは、内蔵バッテリーで20時間もの長時間駆動が可能です。

 

“as long as”と”as far as”の違い

as long asとas far asの違い

「~する限り」を意味する接続詞として使うときの”as long as”は、しばしば”as far as”と混同してしまうケースが少なくありません。
“long”も”far”も長さを表す単語なので、”as far as”と言い換えられるのでは?と思った人もいるのではないでしょうか。

しかし残念ながら、“as long as”と”as far as”は、日本語訳が同じでも示す意味が異なります。
わかっているようで間違いやすい”as long as”と”as far as”の違いを解説していきましょう。

“as far as”は、英英辞書で以下のように定義されています。

used to say what you think is true, although you do not know all the facts
私の知っている限りでは

indicates what you think the facts are in a situation, although you are not sure
~する限りでは

used to give information about somebody or something
誰かや何かに関しては

indicates that you are giving your opinion
自分の考えにおいては

参考:Cambridge Dictionary

“think”や”know”、”opinion”とあるように、”as far as”は自分が知り得る範囲、思っている範囲など、限定された範囲を指した表現であることがわかります。
また、”if”に置き換え可能かどうかも、”as long as”と”as far as”の違いの重要なポイントです。
“as long as”は”if”に言い換えられますが、”as far as”は”if”に言い換えると意味が変わってしまうと覚えておきましょう。

as long as 時間、または時間以外の条件を表す
ifに言い換えできる
as far as 知識や考え、意見、記憶などの範囲を表す
ifに言い換えできない

【”as long as”の例文】

Aさん
As long as I stay healthy, I want to continue working.
(=If I stay healthy, I want to continue working.)

訳)健康でいる限り、私は仕事を続けたいと思っています。(健康であれば、私は仕事を続けたいと思っています。)
Aさん
You’re welcome to use the kitchen as long as you clean up after yourself.
(=You’re welcome to use the kitchen if you clean up after yourself.)

訳)キッチンを使った後に片付けてくれるなら、自由に使っていいですよ。

 

【”as far as”の例文】

Aさん
As far as I can tell, she’s not mad at you.
訳)わたしが言える限り、彼女はあなたに怒っていませんよ。
※If I can tell(もしわたしが言えるなら)と言い換えできない

Aさん
As far as I know, Emma is going to quit the company.
訳)わたしの知る限りでは、エマは会社を辞めるつもりのようです。
※If I know(もし知っているなら)と言い換えできない

 

“as long as”を使った「可能な限り」の表現

ここまで”as long as”のさまざまな用法や意味、”as far as”との違いを解説してきました。
最後に紹介するのは、”as long as”を使った「可能な限り」「できる限り」を意味する頻出表現です。
誰もが知っている単語との組み合わせで使いやすく、実際の会話での登場頻度も高いので、合わせて覚えておきましょう。

for as long as possible

「実現可能」や「可能性がある」を表す”possible”から意味を連想しやすいフレーズですね。
日本語では「できるだけ長く」「可能な限り長く」のように訳せます。

Aさん
I want to continue competing professionally for as long as possible.
訳)わたしはできるだけ長い間、プロ選手として競技を続けたいと思っています。
Aさん
My mother and I stayed at the market for as long as possible, even after clean-up began.
訳)後片付けが始まってもなお、母とわたしはできるだけ長く市場にいました。

as long as I can

“as long as I can”も、「可能な限り」を表す頻出表現です。
“as long as I can remember”で「記憶の限り」「覚えている限り」のように使われることが多いです。

Aさん
We’ve been working next to each other for as long as I can remember.
訳)覚えている限り、ずっと隣同士で仕事をしてきました。
Aさん
I’ve loved you for as long as I can remember.
訳)覚えている限り、ずっとあなたを愛しています。

as long as you can

“as long as I can”の”I”を”you”に変えた”as long as you can”も、非常によく使われるフレーズです。
日本語では「~できる限り」「~するのが可能な限り」と訳されます。

Aさん
As long as you can log in to your Google account, your balance is safe.
訳)グーグルアカウントにログインできる限り問題ありません。
Aさん
I want you to stay in there as long as you can.
訳)あなたには可能な限り長く、そこにいてもらいたいです。

 

まとめ

“as long as”について、正しい意味と使い方、混同しがちな”as far as”との違い、関連表現を解説しました。

“as long as”には、同等比較の「~と同じくらい」、接続詞的用法の「~する限り」、前置詞的用法の「~もの間」という意味があります。

同じ日本語訳の”as far as”とは意味を混同しがちですが、”if”と置き換えができて時間や期間などの条件を示すのが”as long as”、”if”と置き換えができず知識や考え、記憶などの範囲を表すのが”as far as”と覚えておきましょう。

用法が多い”as”の使い方を、以下の記事でも詳しく解説しています。