今回のテーマは「始まり」です。

英語で「始まり」を何と表現するか、「始まる」を意味する単語を含めて、詳しく解説していきます。また、記事の後半では響きがかっこいい「始まり」の英語表現もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

それでは、早速始めていきましょう。

「始まり」は英語で何て言う?

「始まり」は英語で “beginning(ビギニング)” か “start(スタート)” を使って表現されるのが一般的です。

「~の始まり」と言いたい場合は、それぞれ後ろに of を添えて the beginning of ~ the start of ~ という形になります。

beginning と start はほぼ同じ意味ですが、強いて言うと beginning の方がよく使われます。そのため、迷ったら beginning を使っておく方が間違いないといえるでしょう。

Aさん
The beginning (start) of the class is signaled by the chime.
訳)授業の始まりは、チャイムによって知らされます。

「始まる」は英語で何て言う?

「始まる」は英語で何て言う?

動詞で「始まる」と表現する場合は “begin(ビギン)” か “start(スタート)” がよく使われます。start は名詞でも動詞でも同じ形ですが、begin は名詞だと ing が付く点に注意です。

動詞で使われる際、begin の方がややフォーマルに、そして start の方がややカジュアルに響きます。

そのため、日常会話では基本的に start を、ビジネスシーンなどのあらたまった会話では begin を使うようにすると良いでしょう。

Aさん
So, let’s start the game.
訳)それじゃ、ゲームを始めましょう。

begin と start の意味の違いとは?

begin と start はほぼ同じ意味ですが、厳密に言うと意味の詳細が少し異なります。

簡潔にまとめると、begin は「始まる時点」に焦点が当たっていて、start は「始まる動作」に焦点が当たっています。

たとえば、「会議が始まる」の意味ではよく begin が使われますが、これは人の動作よりも時間の方に焦点が当たっているからと考えられます。

Aさん
Now, let’s begin the meeting.
訳)では、会議を始めましょう。

また、空を見て「雨が降り始めた」という場合だと start が好まれますが、これは雨粒が落ちてくる動作に焦点が当たっているからです。

Aさん
It has started to rain.
訳)雨が降り始めました。

私たちは日常、時間よりも動作を認識する機会の方が多いです。そのため、動作を表す start の方が日常会話で多用され、begin は代わりに書き言葉として使われることが多くなったと考えられます。

このような経緯から、start の方がカジュアルで、begin の方がフォーマルなイメージになったのでしょう。

【発展】「始める」の意味で start しか使えないケース

基本的に begin と start は入れ替えが可能ですが、「ビジネスを始める」、「機械を始動させる」という意味のときは、start しか使えません。その理由は前述の「時間」か「動作」かという点にあります。

「ビジネスを始める」の場合、会社を立ち上げるために人々が動き出す様子がイメージされます。また、「機械を始動させる」の場合も、そこで焦点となっているのは機械の動きです。

そのため、これらの表現は時間に着目する begin とは相性が悪く、start の方が好まれるわけです。

なお、発足間もない企業を「スタートアップ企業(start-up)」と呼ぶ一方で、「ビギンアップ企業(begin-up)」とは呼ばない理由もここにあります。

Aさん
I started this company three months ago.
訳)私がこの会社を始めたのは3か月前です。
Aさん
Please start the machine.
訳)機械を始動してください。

「始まり」を表すかっこいい英語表現

「始まり」を表すかっこいい英語表現

ここからは、beginning と start 以外で、英語で「始まり」を表すかっこいい表現を厳選してご紹介します。

特別なシーンなどで使えば、英語表現に幅が生まれます。ぜひ覚えておきましょう。

かっこいい英語の「始まり」①:birth

“birth(バース)” はもともと「誕生」の意味で、0から何かが生まれることを意味しています。

そのイメージから、アイデアや仕事など、新しい物事の始まりを意味して使われます。

Aさん
The signing of the treaty symbolized the birth of peaceful relations between the two nations.
訳)条約の調印は、両国間の平和な関係の始まりを象徴していました。

かっこいい英語の「始まり」②:genesis

“genesis(ジェネシス)” は英語で「創成」を意味する言葉です。創成とは世界などを作り出すことですね。実際、キリスト教の聖書にある「創世記」も Genesis がタイトルになっています。

意味としては前述の birth とほぼ同じですが、より古風な印象の「始まり」を意味する際に使えるでしょう。

Aさん
Don’t you want to witness the genesis of this world?
訳)この世界の始まりを、君は見たいと思わないか?

かっこいい英語の「始まり」③:commencement

“commencement(コメンスメント)” は、「始まる」を意味する “commence(コメンス)”  の名詞形で、フォーマルなシーンでよく使われます。

begin が start よりフォーマルとお話ししましたが、commence はその更に上のフォーマルさを表すイメージです。

そのため、その名詞形である commencement も、主に書き言葉で「始まり」を表す際によく使われます。

Aさん
The commencement of the school year is always a time filled with excitement and anticipation.
訳)学年の始まりはいつも興奮と期待に満ちた時間です。

かっこいい英語の「始まり」④:embarkation

“embarkation(エンバーケイション)” は、「(冒険に)乗り出す」を意味する “embark” の名詞形で、冒険の始まりを意味して使われます。

実際の冒険はもちろん、比喩として冒険的な物事が始まる際にも使える表現です。

Aさん
The embarkation of an adventure in love and justice, and you are the protagonist.
訳)愛と正義の冒険の始まり、主人公は君だ。

かっこいい英語の「始まり」⑤:dawn

“dawn(ドーン)” はもともと、「夜明け」を意味する言葉です。

地平線から太陽が昇るようなイメージで、何かが始まりそうな期待感を含んだ「始まり」を意味して使われます。

Aさん
The dawn of the incident began with a minor misunderstanding.
訳)事件の始まりは、些細な勘違いからでした。

かっこいい英語の「始まり」⑥:inception

“inception(インセプション)” は、物事の発端を意味する言葉です。色々な現象が生じる大元の原因としての「始まり」を意味して使われます。

ちなみに、同名の有名なSF映画がありますが、その劇中では、潜在意識下にアイデアを植え付けることを inception と呼んでいます。それを始まりにして、色々な考えが育っていくイメージでしょう。

Aさん
His statements served as the inception, and the gears of fate started turning.
訳)彼の発言を始まりとして、運命の歯車が回り出しました。

かっこいい英語の「始まり」⑦:square one

“square one(スクエア ワン)” は、物事のふりだしとしての「始まり」を表す言葉です。

直訳すると「四角い1」ですが、これはもともと、ボードゲームの出発点のマス(1マス)を指していました。

そこから、”back to square one” の形で、「始まり(振り出し)に戻る」の意味でよく使われます。

Aさん
With the clues gone, the investigation returned to square one.
訳)手がかりが途絶え、捜査は始まりに戻りました。

まとめ

今回は「始まり」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

始まりは “beginning” か “start” を使って表現するのが一般的で、特に beginning がよく使われるので、まずはこれを覚えておくと良いでしょう。

また、記事中でご紹介したように、”birth” や “genesis” などのかっこいい言い換え表現もあるので、少しずつ覚えてボキャブラリーを増やしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!