「チェック」という言葉は、もはや日本語と言ってもいいレベルでよく使いますよね。しかし、その表す意味はさまざま。それらを英語で表す際も、同じように check と言って良いのでしょうか。
ということで、今回のテーマは「チェック」です。日本語で使われるチェックの意味ごとに、英語で何と言えば良いかを確認していきます。
これを読めば、日本語と英語のチェック(check)の違いがスッキリわかりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
チェックの意味①:確認する
日本で使うチェックの最も一般的な意味は、「確認する」です。
「書類をチェックする」「最新情報をチェックする」「髪型をチェックする」など、非常に多くのシチュエーションで使われています。
そんな「確認する」は、英語でも “check” でOKです。日常的なちょっとした確認から、ビジネスなどでの確認まで、幅広く使うことが可能です。英語の check も、日本で使うチェックと同様に「確認する」が中心的な意味だといえます。
My husband often checks his hair style on the mirror.
訳)夫はよく鏡の前で髪型をチェックしてます。
チェックの語源はチェス?
check という単語は、もともとチェスの用語で「王手」を指す言葉でした。
王手とは「ちゃんと確認して逃げないと負けてしまう」一手のこと。そのため、対戦相手は check されると、自分の王を生き残らせるために逃げ道を確認する必要がありますよね。そこから現在の「確認する」という意味の check に至ったと言われています。
ちなみに、数ある王手のうち、どんな手を使っても逃げられない詰みの一手のことを “check mate(チェックメイト)” と言います。これは日常会話でも「行き詰まり」を意味してしばしば使われます。
チェック以外の「確認する」を表す英語表現
英語で「確認する」を表すのは check だけではありません。他にも “confirm”、”make sure”、”identify”、”verify”、”ensure” などが「確認する」の意味で使われます。
それぞれに表すニュアンスが異なるので、1つずつ確認していきましょう。
confirm
“confirm(コンファーム)” は「事実を確認する」という意味です。「しっかりと(con-)固める(-firm)」が原義で、ビジネスフォーマルな事実確認から、日常会話におけるカジュアルな事実確認まで、幅広く使われます。
identify
“identify(アイデンティファイ)” は「本物かどうかを確認する」という意味です。「同一(identi-)化する(-fy)」というのが原義で、本物であることを特定する際に使われます。
日本でもよく使う表現に「アイデンティティ(identity)」というものがありますが、これも同じ語源の仲間です。要は「自分が自分自身(本物)であることの証明」ということですね。
verify
“verify(ヴェリファイ)” は「真実だと確認する」という意味です。「真実(veri-)化する(-fy)」というのが原義で、情報が嘘偽りないことであることを証明する際に使われます。多くの場合、それに伴う調査や証拠が必要になってきます。
真実と事実はほぼ同義なので、confirm と verify も意味合いとしては似ていますが、verify の方がよりお堅い表現です。そのため、日常会話で使われる機会は少なめです。
make sure
“make sure(メイク シュア)” は、「間違いがないか確認する」という意味です。「確信(sure)を作る(make)」というのが原義で、情報や物事が正しいかどうかを自分の目で確かめるニュアンスになります。
日常会話では、単体で ”make sure(確認する)” とだけ言うこともありますが、“make sure of 名詞”、”make sure that 文”、”make sure to 動詞” などの形でもよく使われます。
「要チェック」は英語で何?
確認が必要という意味で「要チェック」と言いますが、これを英語にする場合は “to be confirmed” が適切です。confirmed は confirm の受け身形なので「確認される」という意味。敢えて直訳すると「確認されるため(に置いてある)」という意味になります。
また、略称の “TBC(To Be Confirmed)” もよく使われます。某ブランド名ではないので気をつけましょう。
チェックの意味②:診断する
日本では「性格をチェックする」「お互いの相性をチェックする」というように、チェックを「診断する」に近いニュアンスで使うことがあります。
「診断する」を英語で言うと “diagnose(ダイアグノウス)” ですが、これは「病気を診断する」という意味でしか使いません。そのため、上記のようなニュアンスで使うのは不自然です。
日常的に使う「〇〇診断」という意味のチェックに近いのは、”analyze” か”test” です。
それぞれの表す意味やニュアンスを、詳しく確認していきましょう。
analyze
“analyze(アナライズ)” は「分析する」という意味の動詞です。本来は「データを分析する」「言語を分析する」などと使うお堅い表現ですが、日常会話でもしばしば使われます。
たとえば「性格をチェックする」という場合、その意味は「どんな性格なのかを分析する」と言い換えることができますよね。そのため、このようなチェックの訳語としては analyze が打ってつけです。
I want to analyze his personality.
訳)彼の性格をチェックしたい。
test
“test(テスト)” は「試験」という名詞以外にも「検査する」という動詞で使うことができます。
たとえば「お互いの相性をチェックする」という場合、その意味は「相性の良し悪しを検査する」と言い換えられます。そのため、このようなチェックの訳語としては test が適切でしょう。
Let’s test compatibility.
訳)私たちの相性をチェックしてみようよ。
チェックの意味③:訂正する
日本では「内容を正しくチェックした方がいい」などと、チェックを「訂正する」に近いニュアンスで使うこともあります。
「訂正する」は英語で “correct”、”revise”、”modify” と言います。それぞれに若干ニュアンスが異なるので、詳しく確認していきましょう。
correct
“correct(コレクト)” はもともと「正しい」という意味の形容詞ですが、そこから派生して「物事を正しくする(訂正する)」という意味の動詞としても使われるようになりました。特に文法や誤字脱字など、文章の訂正に使われることが一般的です。
Please correct my sentences.
訳)私の文章をチェックしてください。
revise
“revise(リヴァイズ)” は「もう一度(re-)見る(-vise)」が原義で、物事の全体像を訂正する意味で使われます。原稿の全体チェックなど、correct よりも広い範囲の訂正に使われることが多いです。
We must revise the manual text.
訳)説明書の文面をチェックしなければいけません。
modify
“modify(モディファイ)” は物事を部分的に訂正する意味で使われます。correct と revise が文章や原稿など言葉の訂正で使われることが多い一方、modify はデザインの訂正にもよく使われます。
You should modify this design.
訳)このデザインはちゃんとチェックしたほうがいいね。
チェックの意味④:チェック柄
日本では格子状のデザインを「チェック柄」と言いますが、英語では “plaid”、”checked”、”checkered” などと呼びます。
3つともほとんど同じ意味で使われますが、強いて違いを挙げると以下のようになります。
- plaid(プラッド):多色使いのチェック柄。主にアメリカで使われる
- checked(チェックト):多色使いのチェック柄。主にイギリスで使われる
- checkered(チェッカード):白黒のチェック柄。F1のチェッカーフラッグが有名
ちなみに、洋服などのデザインを説明するのではなく、単に「チェック柄」とだけ言いたい場合は “check pattern” と言います。
なぜチェック柄と呼ぶのか?
そもそも、なぜ格子状の柄が「チェック」なのでしょう。
その語源について定説は無いものの、個人的には check の語源である「チェス」が関係していると思っています。チェス盤には白と黒のマスが交互にデザインされており、これを上から見るとまさに「チェック柄」です。
I love checked shirts!
訳)チェック柄のシャツが大好きです!
まとめ
今回は「チェック」をテーマにお話ししてきました。
日本語で言うチェックは確認から訂正、チェック柄まで、さまざまな意味を表します。英語で表す場合、そのまま check では通じないことも多いので、今回ご紹介したことを参考に適切な言い方を覚えておきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!