皆さんは「スレッド」というカタカナ4文字を見て、その意味がわかりますか?
スレッドは日本において、色々な意味で使われるカタカナ英語です。そのため、既に1つの意味を知っている場合でも、それ以外の意味については知らない人が多いでしょう。
そこで今回は、スレッドが表す意味のバリエーションについて、詳しく解説していきます。日本語と英語それぞれの会話例文も添えているので、これを読めばスレッドを日常会話でも自然に使えるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
スレッドとは? 5つの異なる意味を日本語と英語で確認
「スレッド」とは、「糸」を意味する英単語 “thread” をカタカナで表記したものです。
日本語でスレッドというカタカナ英語が使われる場合、主に以下の5種類のいずれかを意味しています。
- インターネット掲示板における投稿の集まり
- メールにおける返信が集まったもの
- プログラムにおける処理の実行単位
- ツイッター(Twitter)で複数のツイートを繋げる機能
- スレッズ(Threads)のアプリ内での議論や投稿
一括りにスレッドといっても、それぞれに意味も使う場面も異なるので、適切に使い分けることが大切です。
以下で、それぞれの詳細について詳しく確認していきましょう。
スレッド①:インターネット掲示板における投稿の集まり
スレッドは、インターネット掲示板において、1つの話題についての投稿の集まりを意味することがあります。
もともとは1990年代に開発された「スレッドフロート型掲示板(threaded bulletin board)」というシステムを名前の由来としていますが、現在ではそのシステム名が使われることはほとんどなく、スレッドという用語だけが残っています。「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」というインターネット掲示板での投稿を指して、特によく使われています。
1つのスレッドは複数の返信(レスポンス)によって構成され、それぞれを「スレ(=スレッド)」「レス(=レスポンス)」と略す文化も生まれました。計算か偶然か、名前が前後逆になっている点が面白いですね。
それぞれのレスが1つの話題に関して繋がっている点に、スレッドの本来の意味である「糸」というイメージが生きています。
ちなみに、英語では投稿することを “post(ポスト)”、返信することを “reply(リプライ)” と呼ぶ方が一般的です。
Hey, have you seen the thread about this season’s anime on that bulletin board?
訳)ねえ、例の掲示板の今期アニメに関するスレ見た?
Yeah, I saw it. Everyone was posting and replying their opinions freely, and it turned into quite a lively discussion.
訳)見た見た。みんな好き勝手にレスしてて、議論が白熱してたね。
スレッド②:メールにおける返信が集まったもの
スレッドは、メールにおいて返信が集まったものを指すこともあります。
たとえば「今週末の予定について」というメールに対して「Re:Re:Re:Re: 今週末の予定について」という返信が続いていったとしたら、その集合体が1つのスレッドということです。ちなみに、英語だとメールの返信が集まったものを “e-mail thread(イーメールスレッド)” と呼びます。
なお、スレッドは個人間でのメールよりも、複数人でやり取りするメーリングリストにおいてよく使われます。たとえば、過去に配信したメールを確認する際は、スレッド単位でアーカイブを追跡すると、効率的に情報を収集できます。
メールにおけるスレッドの場合も、1つの筋道に沿った話題という点で、根底にはやはり「糸」のイメージが生きています。
I’ve been entrusted with organizing the social gathering. I’m not sure what I should do.
訳)親睦会の幹事を任されたんだけど、何をすればいいのかわからないんだ。
Oh, I see. That’s tough. I was the organizer last year, so I’ll send you the email thread we had back then.
訳)なるほど、大変だね。去年は僕が幹事だったから、当時やり取りしたメールスレッドを送ってあげるよ。
Really? Thank you so much, that’ll be a big help.
訳)本当に? ありがとう、助かるよ。
スレッド③:プログラムにおける処理の実行単位
日常会話で使うことは少ないですが、コンピュータプログラミングの世界では、1つひとつのプログラムの処理の実行単位をスレッドと呼びます。
ここで専門的なプログラミング言語を挙げてもわかりにくいので、日常生活を例にして説明します。たとえば「八百屋でキュウリを買う」というプログラムがあったとすると、その内部には以下のような動作が含まれます。
- 八百屋に行く
- キュウリを見つける
- 状態のよいキュウリを選ぶ
- レジでお金を払う
- 袋詰めする
- 帰宅する
これらの集積が1つのスレッドです。
このように1つに繋がったスレッドの場合は、特に「シングルスレッド(single-threaded)」と呼ばれます。「八百屋に行く」から「帰宅する」までが1本の糸になっているイメージです。
もし、トマトやキャベツなど他の野菜も買う必要があったり、八百屋以外にも買い物に行く必要があったりする場合は、プロセスが少し複雑になりますよね。そのような場合は糸が複数本に分かれるので「マルチスレッド(multi-threaded)」と呼ばれます。
This program is single-threaded, so it can only execute one task at a time.
訳)このプログラムはシングルスレッドなので、一度に一つのタスクしか実行できません。
And that program is multi-threaded, so it can execute multiple tasks at a time.
訳)そしてそのプログラムはマルチスレッドなので、一度に複数のタスクを実行できます。
スレッド④:ツイッター(Twitter)で複数のツイートを繋げる機能
スレッドは、ツイッター(Twitter)で複数のツイートを繋げる機能のことも意味します。
通常ツイッターでは、1回のツイートで140文字の内容を投稿できますが、それでは足りないこともありますよね。そんなときにスレッド機能を使うと、関連するツイートをまとまりとして投稿できます。
スレッドとしてまとめられたツイートは、タイムラインでは線で連結された状態で表示されます。この点にもスレッドの本来の意味である「糸」のイメージが生きているといえるでしょう。
I posted a new thread on Twitter.
訳)ツイッターで新しいスレッドを投稿したよ。
OK. I’ll check it later.
訳)OK。後でチェックしとくよ。
スレッド⑤:スレッズ(Threads)のアプリ内での議論や投稿
スレッドは、メタ社(Meta)が2023年7月に発表した新SNS「スレッズ(Threads)」における、アプリ内での議論や投稿も表します。
そもそも、このアプリ名自体がスレッドの複数形になっていて、複数の議論が集まっている様子をイメージさせます。また、色々な人が議論を交わす場であることから、前述のインターネット掲示板の「スレ」の影響も少なからずあるのでしょう。
ちなみに、1つひとつの投稿を指す場合は「ポスト(post)」という用語も使われます。複数のポストが集まって、1つのスレッドができあがると考えればよいでしょう。
In the SNS “Threads”, the word “thread” is used as another term for discussion, I heard.
訳)SNSの「スレッズ」では、「スレッド」という言葉が議論の別名として使われてるらしいよ。
So, “threads” means gathering numerous threads together. That’s a fitting name.
訳)つまり、「スレッズ」は複数の議論の集まりってことか。ぴったりの名前だね。
まとめ
今回は、カタカナ英語でよく使われる「スレッド」が表す意味について、詳しく確認してきました。
スレッドは掲示板やメールの返信の集まりや、プログラミングの専門用語など、さまざまな意味で使われます。最近では新しくリリースされたSNSの名前の一部にもなっているので、今後日常で使用する機会が増えるかもしれません。
今回ご紹介したことを参考に、「スレッド」という言葉を日英両方で使いこなしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!