主にビジネスで使われる表現、「承知しました」は、英語だとどのようになるのでしょうか。
敬語がないと言われる英語でも、カジュアルに言いたい時とフォーマルに言いたい時では使い分けをします。何か上司から頼まれて、「もちろんです」と比較的カジュアルに返せる職場もあれば、「了解しました」と少しフォーマルに言わなければいけないところもあるでしょう。
それぞれの言葉にどんな意味があるのかをここで確認していきましょう。
場面に応じた「承知しました」の16フレーズ
「承知しました」は、日本語でよく使われる便利な表現ですが、英語では状況や公式度によって適切な表現が変わります。
この章では、カジュアルな場面とビジネスシーンに分けて、「承知しました」のフレーズをいくつか紹介します。
カジュアルな状況では、友人や家族との会話で使える軽めの表現を、ビジネスシーンでは同僚や上司、クライアントとのやり取りに適した丁寧な表現を学びましょう。
状況に応じて使い分けることで、自然で適切なコミュニケーションができるようになります。
カジュアル
OK.
「OK」は英語で最もよく使われる肯定表現の1つです。「はい」や「分かりました」という意味を簡単に伝えられます。友達との会話から、少しかしこまった場面まで、幅広く使えるのが特徴です。
金曜日までにレポートを送っていただけますか?
はい、用意しておきます。
All right.
友達との会話や、あまり堅苦しくない職場での使用に向いています。相手の言ったことに同意したり、提案を受け入れたりする時によく使われます。 “OK” よりも少しフレンドリーな印象を与えるので、相手との距離を縮めたい時にも効果的です。
午後3時にカフェで会いましょう。
わかりました。そこで会いましょう。
I got it.
この表現は、「分かりました」を直接的に伝える方法です。主に指示や説明を受けた後に使われ、しっかり理解したことを示します。
カジュアルな印象があるため、友人や同僚との会話、リラックスした職場環境で使うのに適しています。
出るときに鍵をかけるのを忘れないでください。
了解です。心配しないでください。
I’m on it.
少しカジュアルめがいいかなと思ったり、「承知しました」以外にもすぐに取り掛かること、今すぐ動くことを添えて相手に伝えたいならこの表現がぴったりです。フレーズをよく見てみるとなんだかbe動詞があって現在進行形のようでもありますしね。
今まさにその依頼に取り掛かりますよという言い方になるので、その後依頼とは違うことをしていたら相手はちょっぴり変に思うような表現でしょう。
メールで詳細について送ってもらえますか?
承知しました。今すぐ送ります。
Of course.
“Of course” は「承知しました」という訳になるものの、友達同士でも使えるカジュアルとフォーマルの両方で役立つ表現です。皆さんもよくご存知ではないでしょうか。「もちろん」という意味で習いましたね。
ビジネスの世界でも相手からの依頼を快諾する時に使います。ビジネス英語を喋りたいのに、つい日常会話のカジュアルな方が出ちゃうという場合でも、“Of course” なら問題ないのでこれは覚えておきましょう。
もう少しだけお時間いただけますか?
もちろんです。心配なさらないでください。まだ時間は十分あります。
I see.
「なるほど」や「分かりました」という意味のフレーズです。相手の説明や、新しい情報を理解したことを示すのに適しています。
フォーマルな場面からカジュアルな会話まで幅広く使え、相手の話に興味を持っていることも伝わるので、会話をスムーズに進める助けになります。
プロジェクトの締め切りが来月まで延長されました。
なるほど。準備する時間がもっと取れますね。
No problem.
「問題ありません」や「よろしくお願いします」という意味のフレーズです。主に、誰かの依頼や要求を受け入れる時に使います。
親しみやすい印象を与えるため、友達との会話や気軽な職場環境でよく使われます。相手の頼みごとを快く引き受ける気持ちを示すので、協力的な姿勢を伝えられます。
これらの箱を動かすのを手伝っていただけますか?
問題ありません。喜んでお手伝いします。
Sure. / Sure thing.
「はい、いいですよ」や「もちろんです」という意味のフレーズです。相手の提案や依頼に同意する時によく使われます。
“Sure” は汎用性が高く、フォーマルすぎず、カジュアルすぎないため、さまざまな場面で使用できます。一方、“Sure thing” はより親しみやすい表現です。友達との会話や、リラックスした雰囲気の職場でよく使われます。相手との距離を縮めたい時に効果的です。
ペンを借りてもいいですか?
もちろんです。どうぞ。
You got it.
「任せてください」や「承知しました」という意味を伝える口語的なフレーズです。
相手の要求や依頼を快く引き受けることを強調できます。友達との会話や、カジュアルな職場環境でよく使われます。
議題を必ずメールで送ってくれますか?
承知しました。すぐに送ります。
Copy that.
元々は軍や警察の無線通信で使われていましたが、現在では一般的な会話でも耳にするフレーズです。
使う場面や相手によって、フォーマル度が変わるセミフォーマルな表現といえます。ビジネスシーンでは、簡潔に理解したことを伝える際に効果的です。特に IT 業界やスタートアップなど、比較的カジュアルな職場文化では日常的に使われることもあります。
会議は301号室に変更になりました。
了解しました。今そちらに向かいます。
フォーマル
I understand.
「理解しました」や「分かりました」という意味を伝えるフォーマルな表現です。相手の説明や状況を十分に理解したことを示すだけでなく、共感していることも表せます。
ビジネスシーンや公式な場面で適しており、会議や上司との会話、顧客対応などでよく使われます。相手に安心感を与え、信頼性を示すことができます。
今四半期はコストを削減する必要があります。
理解しました。経費を見直し、支出を削減できる分野を探します。
Noted.
この表現は、「承知しました」や「了解しました」という意味を簡潔に伝えるビジネス用語です。主に情報を受け取り、認識したことを示すのに使われます。
特に効率的なコミュニケーションが求められる職場環境で重宝されます。短い言葉ながら、プロフェッショナルな印象を与え、相手の発言や情報を重要視していることを伝えられます。
ただし、あまりにも簡素なため、より丁寧さが求められる場面では、別の表現を選ぶ方が良いでしょう。
クライアントはロゴデザインに青色を希望しています。
承知しました。それに応じてカラースキームを更新します。
Understood.
主にビジネスシーンや正式な場面で使用されます。 “I understand” よりも簡潔で、より強い確認の意味合いになります。
指示や重要な情報を確実に理解したことを明確に示すため、責任ある立場や緊急性の高い状況でよく用いられます。
全てのレポートを今日中に提出するようにしてください。
承知しました。全て時間通りに完了するようにいたします。
As you wish.
「承知いたしました」や「ご要望通りにいたします」という意味を伝える丁寧な言葉です。ビジネスシーンや公式な場面で使用され、フォーマルな印象を与えるフレーズです。
相手への敬意を表現できますが、文脈によってニュアンスが変化することがあるため、状況に応じて適切に使用することが重要です。
明日の会議のプレゼンテーションを準備していただけますか?
かしこまりました。今晩までに用意しておきます。
Certainly.
こちらも「承知しました」だとか、「かしこまりました」という意味で使います。ただ、使う場面は限られていて、目上の人やお客さんに対して使う表現です。英語圏で仕事をしたり、英語で仕事をすることが今後ないとしても、海外旅行などに行った際には従業員からよく言われる言葉となるので覚えておきたいです。
中学英語なので聞き馴染みはあるはずですが、簡単な発音と言うには難易度が高めなので自分で何度も繰り返し発音して正しい音を掴んでおきましょう。
このコーヒーください。
かしこまりました。少々お待ちください。
Absolutely.
「承知しました」で、「Certainly」よりも強い表現をしたいならこちら。 “Absolutely” には、「そうすることが当然である」とか、「間違いなくそうです」のようなニュアンスが含まれるので、同じ「承知しました」という訳になっても意味合いが少し変わってきます。
フォーマルなかしこまった、丁寧な雰囲気ですね。だからこそ、アットホームな小さな会社で使ったら皆びっくりするかもしれません。そんなにかしこまらなくてもいいよと言われたら、その場にはそぐわない表現ということになりますね。
タクシーを読んでもらえる?クライアントのところに行かないといけないの。
承知しました。ビルの下に来てもらうように連絡します。
承知しましたを使ったビジネスフレーズ
この章では、日本語のビジネスシーンでよく見かける「承知しました」を含むフレーズを紹介します。
「承知いたしました」「下記について承知しました」「ご提供いただいた情報を承知いたしました」などのビジネスメールや文書でよく目にする定型表現は、状況に応じた使い方を覚えておくと、スムーズなコミュニケーションに役立ちます。
それでは、具体的な使用例を見ていきましょう。
下記について承知しました
I have noted the points below.
ビジネスシーンで、メールや会議で提示された複数の項目や指示を理解し、確認したことを伝える際に使用します。
下記の点について承知しました。話し合った通りプロジェクトを進めていきます。
The below has been noted.
特に文書やメールのやり取りにおいて、前述または添付された情報を確認し、理解したことを簡潔に伝える際に使用します。
以下の内容を承知しました。概説された通りに実施を進めます。
I have acknowledged and understood the points mentioned below.
メールやレポートなどの文書で、提示された情報や指示を理解し、確認したことを伝える際に使用します。
下記について承知しました。
~について承知しました/~について承知しています
This has been noted.
ビジネスコミュニケーションで特定の情報、指示、または要求に対して理解したことを示すフレーズです。フォーマルな表現かつ簡潔で、さまざまな状況で使用できます。
承知いたしました。それに応じて戦略を調整いたします。
I’ve taken note of the details.
ビジネスや学術的な場面で、提供された情報や指示の詳細を理解し、記録したことを示す際に使うセミフォーマルな表現です。
来る会議の詳細について承知しました。それに応じて準備いたします。
I’m aware of the situation.
フォーマルからカジュアルまで幅広く使える表現です。ビジネスや日常生活で、特定の状況や問題についてすでに知識があることを示す際に使います。
出荷の遅延について承知しています。解決策を検討中です。
I’ve got all the information.
日常的な会話やカジュアルなビジネス環境で、必要な情報をすべて理解したことを伝える際に使用します。
アップデートありがとうございます。プレゼンテーションに必要な情報はすべて承知しました。
ご提供いただいた情報を承知いたしました
I acknowledge the information provided.
ビジネスや法的な場面で、重要な情報を受け取り、理解したことを正式に認めるときに使うフォーマルな表現です。
新しい会社方針について、ご提供いただいた情報を承知いたしました。
こちらの件、承知いたしました
I have understood and acknowledged this matter.
顧客対応や上司とのやりとりで使用するフォーマルな言い回しです。特定の案件や話題について理解し、確認したことを相手に伝える際に使用します。
契約更新に関するこちらの件、承知いたしました。
「承知しました」に近い3つの英語ニュアンス表現
日本語の「承知しました」は、さまざまな状況で使用できる便利な表現ですが、英語では状況や相手によって適切な表現が異なります。
この章では、典型的な3つの場面での使い分けを説明します。それぞれの状況に応じた表現を使うことで、よりTPOに合った効果的なコミュニケーションができるでしょう。
上司からの指示を受けた場合
Yes, I’ll take care of it.
この表現は指示をしっかり理解したことを示すだけでなく、その仕事を確実に行う意思も伝えています。 “take care of it” という言葉には、タスクを完全に引き受け、適切に処理するという意味が込められています。
このような返答をすることで、上司に対して信頼性と確実性をアピールできます。簡潔でありながら、プロフェッショナルな印象を与え、指示を正確に理解し実行する姿勢を示せる表現となっています。
明日までにレポートを仕上げられますか?
はい、必ず対応いたします。
同僚から情報を共有された場合
Thanks for letting me know.
“Thanks”(ありがとう)と “for letting me know”(教えてくれて)の2つの部分に分けて考えることができます。”Thanks” で同僚が情報を共有してくれたことへの感謝を表し、”for letting me know” で情報を受け取り、理解したことを伝えています。
この短い一言で、同僚の気遣いに感謝していることと、共有された情報をきちんと受け取ったことを同時に伝えられます。また、この表現は友好的な印象を与えつつ、ビジネスの場でも適切に使える丁寧さも持ち合わせた表現といえるでしょう。
クライアントとのミーティングが午後3時に変更になりました。
教えてくれてありがとう。了解しました。
クライアントから要求を受けた場合
Certainly, we’ll proceed as requested.
この表現は、クライアントの要求に対して即座に肯定的な反応を示す効果的な方法です。
“Certainly”(かしこまりました)という言葉で、要求への強い同意と積極的な姿勢を表現します。続く “we’ll proceed as requested”(ご要望通りに進めさせていただきます)は、クライアントの要求に沿って作業を進めることを明確に伝え、顧客満足を重視する姿勢を示しています。
この表現を使うことで、クライアントとの良好な関係を築き、信頼感を高めることができるでしょう。
製品に新機能を追加したいのですが。
かしこまりました。ご要望通りに進めさせていただきます。
まとめ
ビジネスシーンでは欠かせない「承知しました」という表現は、英語ではカジュアルなよく知っているもので良いことがわかりましたね。ただ、もっとフォーマルな表現は別にありますし、今すぐに行うことを追加で伝えたい時に使える表現もありました。
日本語にはない英語ならではの表現を知れば、自分に対して使われた時にもそのニュアンスがわかりますし、海外ドラマを見ていたならその会話をしている2人の関係性や立場も少しわかるでしょう。微妙なニュアンスを知って少しでもネイティブに近づくなら、多くの表現を覚えておいた方が良いですね。
今回ご紹介したものも、自分が使わなくても英語学習で聞くことはあるでしょうからまとめて覚えてしまいましょう!