「お金が足りない」「人手が足りない」「時間が足りない」など……日常会話では何かと「足りない」という言葉が出てきますよね。

日本語では「足りない」の一言でいろいろな表現に使えますが、英語では複数表現があります。

何が足りないのかによって、選ぶべき単語・フレーズが変わってくるのです。

そこで今回は、英語の「足りない」の表現を解説していきます。

日常会話で頻出の便利な表現から、使えると表現の幅が広がるものまで複数紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

「足りない」の英語表現6選

「足りない」の英語表現6選

「お金が足りない」「人手が足りない」など、何が足りないのかによって英語では表現が使い分けられています。

ここでは会話でよく使われる基本表現を中心に、「足りない」の英語表現を6種類紹介していきます。

not enough

「足りない」の代表的な表現といえば「not enough」でしょう。

enoughは「十分」という意味があるため、否定形の「not enough」で「十分でない」=「足りない」という意味合いになります。

Aさん
The money is not enough.
お金が足りない。
Aさん
There’s not enough time.
時間が足りない。

lack

lackは名詞で「欠乏」「足りない」という意味があり、動詞では「~を欠く」「~が足りない」という意味で使われます。

lackは時間や人、モノ、お金など……主語になるものを変えてさまざまな「足りない」を表現できるのがポイントです。

名詞のlack

Aさん
I am tired from a lack of sleep.
わたしは寝不足で疲れています。
Aさん
It was not for lack of studying.
それは勉強不足だったからではありません。

動詞のlack

Aさん
I lack sleep every day because of the test.
わたしはテストのせいで毎日睡眠が不足しています。

また、「lack of 〇〇」で「〇〇不足」という意味のフレーズとしても使える表現ですよ。

・lack of effort:努力不足
・lack of exercise:運動不足
・lack of education:教育不足
・lack of water:水不足

shortage

shortageは「不足」という意味の名詞です。

先ほど紹介したlackも名詞「不足」という意味で使われるケースがあるでしょう。

shortage とlackはどちらも「不足」を言い表せますが、異なる部分もあります。

shortageは部分的に不足しているときのみに使えるのに対し、lackは部分的な不足、全くない状態の不足の両方に使える表現なのです。

Aさん
There was a severe shortage of water during the drought.
干ばつの間、深刻な水不足になった。

droughtは「干ばつ」、severeは「厳しい」「過酷な」などの意味がある形容詞です。

shorthanded

shorthandedは「人手不足の」という意味の形容詞です。

人が足りない時に使える限定的な表現ですが、覚えておくと便利でしょう。

Aさん
I am busy because my store is shorthanded.
お店が人手不足で忙しいです。

missing

missingは「見つからない」「紛失している」「(あるべきところに)ない」といった意味があり、「足りない」という表現にも使われます。

「There is〜missing」で「~が足りない」という意味のフレーズになるので、フレーズをそのまま覚えておくと会話でスムーズに使えるでしょう。

Aさん
There is a knife missing.
ナイフが足りない。
Aさん
There is a fork missing.
フォークが足りない。

short

「短い」というイメージのあるshortですが、届かないというニュアンスから「足りない」という意味でも使われます。

長さに対してshortが使われている場合は「短い」、
数量に対してshortが使われている場合は「足りない」という意味になるので覚えておきましょう。

とくに「お金が足りない」状況に対してshortがよく使われ、口語表現としても頻出です。

Aさん
The sum is 100 yen short.
合計で100円足りない。
Aさん
It’s ten centimeters short.
10センチ足りない。

「short of 〇〇」「short on 〇〇」

「short of 〇〇」「short on 〇〇」も一緒に覚えておきたいフレーズです。

どちらも「〇〇が足りない」「〇〇が不足している」という訳になります。

「short of 〇〇」は〇〇の部分に具体的なヒト・モノが入ります。

Aさん
I am short of money.
わたしはお金が足りません。

「short on 〇〇」は〇〇の部分に抽象的な表現が入ります。

たとえば「creativity(想像力)」や「sense(知恵)」などです。

Aさん
He is short on creativity.
彼には想像力が不足しています。

「足りない」に関連する英語表現

「足りない」に関連する英語表現

「足りない」のさまざまな英語表現を解説しました。

ここでは「足りない」ほど直接的な表現ではないものの、「充電が切れそう」「取るに足らない」といった覚えておくと便利な表現を紹介します。

run out

「run out」はそのまま「走って外へ出る」という意味に訳されますが、「切れる」「尽きる」といった意味でも使われる表現です。

もともとあったものが徐々に減ってなくなる様子を表現するイメージです。

Aさん
My money has run out.
お金が底をついた。
Aさん
The bike run out of gas.
バイクがガス欠になった。
Aさん
I’m running out of time.
時間が無くなってきている。

be not worth

ことわざの一つに「取るに足らない」という表現があるでしょう。

「話に取り上げる価値がない」「つまらない」といった状況に対して使われる言葉です。

英語で同様のニュアンスを表現するなら、「be not worth」というフレーズが当てはまります。

worthは「~の価値があって」「~に値して」という意味の形容詞のため、否定形にすると「価値がない」「値しない」=「取るに足らない」という意味合いになるのです。

Aさん
It is not worth mentioning.
語る価値がない。
Aさん
His story is not worth serious consideration.
彼の話は取るに足らない。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「足りない」の英語表現を紹介しました。

日本語では「足りない」の一言で、時間やモノ、人などさまざまな足りない様子を表現できますよね。

英語では何がどのように足りないのかによって、単語やフレーズを使いわけなければなりません。

複数表現があって、むずかしく感じた方も多いでしょう。

ただ、「lack」や「short」はさまざまな主語に対応できる言葉なので、まずは「lack」や「short」から覚えていくのがおすすめです。

ぜひ今回の記事を参考に、英語で「足りない」を表現してみてくださいね。