“as”という英単語は、意味が多くて覚えるのが大変だというイメージがありますよね。
“as”を含んだ熟語もたくさんあって、いちいち個別に暗記していませんか?
しかし、下記の記事で紹介している”asの意味”を全部覚えなくても、”as”を使った英語フレーズのシンプルな覚え方や使い方があるので、この記事で紹介します。
“as”を使ったフレーズ
as to
”as to”という表現には、意味が2つあるといわれます。
1つ目は、「~に関して」「~について」という意味です。
I am not sure as to which decision I should make.
私はどの決断をするべきかについてよく知らない
2つ目は、「~に従って」「~によって」という意味です。
Our teacher divided all students as to their grades.
私達の先生は成績に従って、生徒を分けました
2つとも「イコール」を指す “as”と、方向を示す”to” を組み合わせた表現である、というイメージで捉えると良いでしょう。
as for
“as to”と同じく「~について」という意味の表現ですが、”as for”は主に人に対して使います。”as for”の後に必ずしも人が来るというわけではないですが、”as for”の後には「人」が来ることが多いです。
As for me, I agree with his opinion.
私に関しては、彼の意見に賛成です。
”as”に「~(私)には」を表す”for”がくっついた表現です。
as well as
”as well as” には、「意味が4つある」と言われています。
1.「A as well as B(BだけではなくAも)」
2.「as well as S+V(同様に)」
3.「as well as(同じくらい上手に)」
4.「As well as ーing(ーだけでなく、ーと同様に)」の4つです。
しかし、「as well as」全体で大きな「イコール」を指していると考えると、分かりやすいかと思います。1から順番に、例文を見ていきましょう。
(1の例文)
He can speak Japanese as well as English.
彼は英語だけでなく、日本語も話せる。
目的語のJapanese と Englishが並列になっています。
He is smart as well as handsome.
彼は賢いだけでなく、ハンサムです。
補語の smart と handsomeが並列になっています。
つまり、as well as は目的語や補語を並列でつないでいます。
(2の例文)
My sister played volleyball as well as I did.
私の姉は、私と同様にバレーボールをしていました。
I have been to France as well as my friend has.
私は私の友達と同様にフランスに行ったことがあります。
(3の例文)
He can speak Japanese as well as I can.
彼は、私と同じくらい上手に日本語が話せる。
My sister can play the piano as well as I.
私の姉は私と同じぐらい上手にピアノが弾けます。
最後のcanは、省略することができます。
(4の例文)
As well as working full-time, she also volunteers on weekends.
彼女はフルタイムで働いているだけでなく、週末にはボランティアもしています。
As well as studying for exams, he is preparing for a presentation.
彼はテストのために勉強しているだけでなく、プレゼンテーションの準備もしています。
as well
”as well”は「同様に」という意味の表現で、文の最後に置かれます。
What I like about this app is it can be used offline as well.
このアプリはオフラインでも使えるから好きだ。
「オフラインでも使える」ということは、もちろん「オンラインで使える」を意味しています。
「オンラインでもオフラインでも同じように使える」という意味で2つの使用環境を「イコール」でつないでいる表現といえます。
as long as
As long as she is here, I can’t focus on my task.
彼女がここにいる限り(条件)、私は仕事に集中できない。
As long as の後には、条件が続きます。「彼女がここにいる」という条件の限り、…という感じで使います。
訳)天気が良ければ、外でピクニックができます。
訳)そうだね。台風が来ない限りは、僕たちはピクニックに行けるね。
as far as
As far as I know, her daughter is a doctor.
私が知る限りでは(知見・記憶)、彼女の娘は医者である。
As far as は 「程度や範囲」を表す接続詞で、「〜の範囲では」といった意味になります。
訳)私の関わっている限りでは、プロジェクトは完了しています。
“As far as I’m concerned” はネイティブが時々使う表現で、「自分が関わっている限り」という意味になります。
訳)私が見る限り、この提案に問題はないです。
上記2つの例文で、as far as ~ は、どちらも「程度や範囲」を表していますね。
as many as
As many as 500 houses were damaged by the typhoon.
その台風によって、500戸もの多くの家が破壊された。
この”as many as”は、「同じぐらい多くの」と訳しても、どうも意味がしっくり来ません。「~もの多くの」と 訳と、意味がしっくり来ますね。
訳)今年、100人もの従業員を新たに雇用する予定です。
”as many as ~”は、数えられる名詞の前について「~もの…」と訳します。
as much as
He trains as much as three hours a day for the marathon.
彼はそのマラソンのために1日3時間も訓練した。
”as much as”も、「同じぐらい多くの」と訳しても、意味がしっくり来ませんね。as much as の後には、時間の長さや金額が来て、「~もの…」という意味になります。
訳)官女はとても勤勉に働いたので、月に50万円も稼ぐことができました。
as if
”as if” は「まるで〜であるかのように」という意味の表現です。言外に「実際にはそうではないけれど」という意味が含まれています。つまり、仮定法と一緒に使われる表現です。
He talks to me as if he were my father.
彼はまるで私のお父さんであるかのようには私に話します
当然「彼」=「私のお父さん」ではありませんが、この場合、現実と、「彼が私のお父さんである」という仮想現実がイコールで結ばれている表現といえます。
主節は現在形で書かれているので、その現在の事実に反するようにふるまう場合、仮定法過去を使って表します。
訳)彼は、まるでミスをしていないかのようにふるまった。
この文は主節が過去形で書かれているので、ミスをしていなかったというのは、過去の事実に反するため、as if の節内では、「過去の事実」に反することなので、過去完了を使って表します。
まとめ
ネイティブは”as”の意味を分けて考えているわけではなく、「イコール」という意味から派生させて使っています。
私たちも、それぞれの意味を個別に覚えるより、ネイティブが抱いているイメージを参考にした方が、シンプルで効率的です。
”as”に限らず、「いくつかの意味がある」と言われている単語や表現は、1つのイメージから派生している場合が多いです。
単語を学習する際は、「ネイティブの頭の中のイメージ」も上手に利用していくと良いでしょう。