忙しい毎日、たまには日常から離れたいなぁ!なんて考えるのは当然ですね。一旦離れてリフレッシュすれば、普段の生活も違って見えるかも知れません。
このような表現をするのに便利な英語がretreatです。
そうは言っても、どんな使い方をしたらよいか分からない人がいるのではないでしょうか?
そこで、この記事では、retreatが持つ様々な意味、それらを正しく使うための解説をします。色々な使い方ができるretreatをこの機会に学びましょう。
retreatの意味と語源
retreatはいくつかの意味を持つ単語です。
その意味とは心身を整えることから、軍隊が撤退するまで多岐に渡ります。
retreatの意味
retreatの主な意味には、名詞で「撤退」「避難」「静養所」があります。加えて、retreatは宗教上でも「瞑想期間」のように使われてきた言葉です。例えば、summer retreatで避暑地、関連用語でretreatmentで再治療のように使われます。
そして、動詞は「退く」「後退する」「撤退する」などが挙げられます。
The French army had to retreat.
訳)フランス軍隊は後退する必要があった。
I was scared and retreated when my boyfriend came towards me shouting.
訳)彼が叫びながら近づいてきたとき、怖くて後ずさりしました。
ここで、retreatをre+treatに分けてみましょう。
reで始まる単語は多くあります。例えば、replay/return/rethink/retakeなどが挙げられます。接頭語のreには、繰り返し、再びなどの意味があることから、replayは再生するですし、rethinkであれば考え直したり見直す作業を言います。
本記事のretreatも、treatの持つ「待遇する・扱う・受け止める・捉える・治療する」を繰り返しまたは再び行うというニュアンスで捉えれば、retreatの「撤退」「避難」「静養所」がイメージできます。
retreatは引きこもり
なお、避難や静養所というニュアンスからも「引きこもり」としてretreatが使われることがあります。ちなみに、引きこもりは日本特有の表現ですので、英語でhikikomoriと表現されます。
そこで、The Economic Timesから記事を紹介しましょう。
Reasons for retreating from the country’s notoriously conformist and work-focused society range from unemployment to depression or bullying at school or in the workplace.
訳)この国の悪名高い順応主義と仕事中心の社会から退く理由は、失業から鬱、学校や職場でのいじめまで多岐にわたる。
notoriously=悪名高くも
conformist=順応する人・従う人
work-focused society=仕事中心の社会
引用:The Economic Times “What’s Hikikomori?”
retreatの語源
ここで、retreatのイメージをさらに掴むためにその語源を紹介します。
そもそもretreatは、引き下がるという意味のラテン語retrahereを語源とするフランス語retraiteからきています。このことから、retreatは戦闘から撤退することとして使われてきました。しかし、現在では他の意味合いでも使われています。
リトリートの意味 – ビジネス
ここでは、リトリートがビジネス英語においてどう使われるのか紹介しましょう。
株価の価値が下がること
retreatは金融や株式市場でつかわる言葉です。特に、高くなった後に、価値や量が低くなることを表現します。
Share prices retreated 28p to 721p.
訳)株価は28ペンス下落し、721ペンスとなった。
引用:Cambridge Dictionary “retreat”
会社の合宿
ビジネスにおけるもう一つのretreatは企業が行なうチームメンバーのための合宿です。集まる場所をretreat centreと呼びます。
The company retreat was held in Karuizawa for 5 days.
訳)軽井沢で、5日間の企業合宿が行なわれました。
オフィスまたは通常の勤務から離れて集まる機会を設けることで、チームビルディング・学習体験・非公式の交流などが行なわれます。
心身のリフレッシュretreatと言い換え表現
ここからは、軍隊や企業の合宿からガラリと内容を変えてretreatを紹介します。
心身のリフレッシュ
多忙な毎日を送るなかでも、自分の体調や心の状態を知り、心身を解放することが重要です。そのためには心身ともにリフレッシュできるような空間や時間を作り出しますが、そのことをretreatで表現できます。retreatは「プライベートで安全な場所」という意味もあるため、そういった所で本来の自分へ帰るということが言えます。
I decided to treat myself and join a yoga retreat from next week.
訳)自分へのご褒美として、来週からヨガリトリートに参加することにしたんだ。
ヨガリトリートというretreatがあります。ヨガが初めてでも参加でき、呼吸法や健康的な食事などが含まれることがあり、心身ともにリフレッシュできます。
retreatの言い換え
ところで、心身のリフレッシュと言いたいときには以下のフレーズに言い換えることができます。
Refresh both body and soul.
ちなみに、refreshには元気を回復させる、気分をスッキリさせるという心身のリフレッシュにぴったりの意味がありますが、それ以外にもWebページをリフレッシュする、飲み物やグラスに再び満たすといった意味も持っています。
このrefreshは、reviving/restorative/rejuvenate/vitalなどの言葉に置き換えられます。
retreatの癒し効果と言い換え表現
さて、retreatをすることで癒し効果が期待されます。
何かとストレスが増す時代、スピードを求められることが多いですね。常に変化を求められストレスがたまるというサイクルになってしまいます。
retreatの癒し効果
このような時代だからこそ、retreatが注目されています。日常生活から一度離れ、森林浴などができる自然がある場所で自分を癒します。この時間を持つことで、自分に向き合い、どうなっていきたいのか考えることになります。
A mental health retreat provides you with the opportunity to take a small break from the rest of your life in order to be able to focus on wellness.
訳)メンタルヘルスのリトリートは、心身が健康であることに焦点を当てられるよう、生活から少し離れる機会を提供します。
癒し効果の英語
癒し効果の英語はrelaxingやcalmingにeffect(効果)を組み合わせて表現できます。
I have an aroma candle and aroma incense in my room because I heard these have calming effect.
訳)癒し効果があると聞いたので、アロマキャンドルやアロマのお香を部屋に置いています。
日常から離れるリトリート施設
ところで、retreatは日本語のリトリートとしても使われる言葉です。
リトリート
retreatには静養所という意味もありましたね。
リトリートと言えば隠れ家といった意味でも使われ、日常から一旦離れてのんびり過ごすための自然のなかにある施設を指します。その環境で気持ちをリフレッシュし、ゆったり過ごすことができる場所がretreatなのです。人によっては、retreatに避難するという状況に置かれているかもしれません。
ロンドンのretreat
ロンドンでretreat施設を検索すると幾つかのサービスがあることが分かります。そこで、どのようなことをするのか、その費用はいくらなのか簡単に紹介します。
A 3 day, one to one Balancing Life Improving Retreat in London
このサービスは、カスタマイズされたセッションと専門家の指導によって、自信を高める、自分自身を理解する、人生に喜びを見つける、燃え尽き症候群を克服する方法を学ぶ、人間関係を改善するといったことを得るための滞在です。
2泊3日で1,100ポンドからになります。
詳細は以下のリンクをご覧ください。
3 Day One to One Balancing & Life Improving Retreat in London, UK
まとめ
本記事では、retreatの持つ「撤退」「避難」「静養所」から、引きこもりやリトリート施設まで紹介しました。ときには、日常から離れることも大切です。
英語を学習して外国に目を向けたり、異なる文化に触れることもリトリートになるかもしれませんね。