“very”は「とても〜」と何かの程度を強調する意味で使う単語です。
しかしいつでも”very”で「とても〜」と強調できるわけではなく、いくつかの規則があります。
また”very”は形容詞として使われることもあり、この場合は「とても」という意味ではありません。
本記事では”very”の持つ様々な意味や使い方を詳しく例文を使って解説します。
副詞の”very”
まずは”very”の副詞としての使い方を見ていきましょう。
「とても」「かなり」の意味で、形容詞又は副詞の前におき、その形容詞や副詞を強調します。
「とても」「かなり」
「とても」「かなり」「非常に」とその程度を強調します。
That’s a very good movie.
訳)それはとても良い映画です。
Aさん
He is very tired.
訳)彼はかなり疲れています。
Aさん
Listen very, very carefully.
訳)よく注意して聞いてください。(会話ではveryを重ねて意味を強めることもあります)
「まったく」「まさに」
形容詞の最上級や”first” “last” “same” “next” “opposite” “own”の前で強調して「まったく」「まさに」の意味で使われます。
Aさん
He is out on the golf course for his very first time.
訳)彼は生まれて初めてゴルフコースに出ています。
Aさん
I was going to do the very best I could do.
訳)僕は最善を尽くすつもりでした。
Aさん
This dress is the very latest style.
訳)このワンピースはまさに最新のスタイルです。
“very”が使えないケース
それ自体が強意の意味を表す形容詞とともに
“awful” “delicious” “dreadful” “exhausted” “fantastic” “great” “horrible” “huge” “marvelous” “superb” “terrible” “terrific” “tremendous” “wonderful”などは、その語自体が強意”very”の意味を持つので、”very”でさらに強調すことはできません。
その場合は”absolutely” “completely” “totally”などの副詞を”very”のかわりに使います。
Aさん
She was completely [×very] exhausted when she finished the job.
訳)仕事を終えたとき、彼女は疲れ果てていました。
Aさん
This cake looks [×very] absolutely delicious.
訳)このケーキはとてもおいしそうですね。
比較級をさらに強調するとき
比較級の程度をさらに強めるときは”very”でなく、”much”か”very much”を使います。
Aさん
My headache is very much better.
訳)頭痛はずいぶん良くなりました。
Aさん
I want to be transferred to a much stronger team.
訳)はるかに強いチームに移籍したいです。
受動態を強調するとき
受動態を強調するときには”very”は使えません。
かわりに”much”か”very much” “greatly”を使います。
Aさん
Your contribution is very much appreciated.
訳)あなたの貢献には大変感謝しています。
Aさん
His singing was greatly enjoyed.
訳)彼の歌はとても評判が良かったです。
動詞を強調するとき
動詞を強調するときには”very”は使えません。
かわりに”very much”を使います。
Aさん
I missed you very much.
訳)あなたがいなくてすごくさびしかったわ。
Aさん
I very much wanted to talk with him.
訳)彼ととても話がしたかったです。
形容詞の”very”
“very”は形容詞として”this very time”のように名詞を修飾する使い方もあります。
しかしその場合意味が「このとても時間」では変ですよね。
では形容詞の”very”はどのような意味で使われるのか見ていきましょう。
「まさにその」「ちょうど」
名詞を強調して「まさにその」「ちょうど」の“exact”の意味で使われます。
Aさん
That was the very expression she used.
訳)それがまさに彼女が使った表現でした。
Aさん
At that very moment, I heard the scream.
訳)ちょうどその時叫び声が聞こえました。
Aさん
This cell phone is the very thing I’ve wanted for a long time.
訳)このスマホは私がずっと欲しいと思っていたスマホです。
「かなりの」「ぎりぎりの」
“end” “top” “back” “beginning”などの名詞に付けて、その名詞を強調します。
Aさん
The very end of the novel is the best part.
訳)その小説の最後の場面が一番おもしろいのです。
Aさん
She found my letter at the very bottom of the pile.
訳)彼女は私の手紙を書類の山の一番下に見つけました。
「単に」「ただ~だけで」
「ただそれだけで」”only”という意味で使われます。
Aさん
The very idea of it makes me cry.
訳)そう考えただけでも泣きそうになります。
Aさん
The very sight of the singer made the fans crazy.
訳)その歌手の姿を見ただけで、ファンは熱狂しました。
“very”の類語
“very”と同様「とても」の意味でよく使われる単語をいくつか見てみましょう。
“so”
「とても」の意味ですが、カジュアルな表現です。
“very”よりもより主観的に何かの程度を表現するときに使われます。
また”so”は相手がその状況を知っているという前提で使われます。
Aさん
I’m so happy with you.
訳)あなたと一緒にいると、とっても幸せなの。(あなたは私が幸せだということを知っている)
Aさん
Thank you so much!
訳)本当にありがとう!(あなたは私が何に感謝しているか知っている)
“too”
「とても」の意味ですが、ネガティブで「とても〜でもう限界」「あまりにも〜すぎる」というニュアンスです。
Aさん
It was too hot and humid last night.
訳)昨晩はあまりにも蒸し暑すぎました。
Aさん
That movie is too violent for children.
訳)その映画は子供には暴力的過ぎです。
“quite”
“very”より程度が弱くなります。
また予想していたより程度が高かったというニュアンスです。
Aさん
The movie was quite good in spite of the negative reviews.
訳)その映画は、口コミは悪かったけれど、結構よかったです。
Aさん
Look at this picture. That’s quite an image!
訳)この写真見て。すごい光景でしょ!
この場合語順が“quite a/an 名詞”になることに注意してください。
まとめ
“very”は基本的な単語なので、今まで使い方を気にしていなかったかもしれません。
しかしこのように様々な意味で使われ、“very”が使えないケースなどもあり、実はそう単純な単語ではないのです。
これらの規則を全部一度に覚えることは難しいので、これからは”very”を見かけたときには、どの意味の”very”なのか考えてみると理解が深まり、英語力もアップするはずです。