本や新聞、雑誌などで”phenomenon”という単語を見たことはありますか?
カタカナにすると「フェノメノン」と読めますが、日本ではあまり馴染みのない言葉ですよね。
聞いたことはあるけど、「なんて読むの?」「どんな意味なの?」と疑問に思った人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなちょっと難しいイメージのある英単語”phenomenon”について、意味と使い方を詳しく解説していきます。
”phenomenon”の意味
”phenomenon”とは、「現象」や「事象」、「事件」など現実に起こったことを表す名詞です。
他にも、「珍しい出来事」や「驚異」、また並外れた能力や人物を指して「奇才」や「逸材」といったいろいろな意味を持っています。
辞書では以下のように定義されています。
英和辞書
- (経験した)事実、現象、出来事 ※複数形:phenomena
- (不思議な)出来事、現象、事象、事件 ※複数形:phenomenons
- 奇才、逸材、驚異的な人 ※複数形:phenomenons
英英辞書
- something that exists and can be seen, felt, tasted, etc., especially something unusual or interesting
存在し、見て、感じて、味わえるもののこと- something that happens or exists in society, science, or nature, especially something that is studied because it is difficult to understand
社会、科学、自然の中で起こること、存在するもの、特に理解するのが難しいために研究されるもの参考:
Cambridge Dictionary
Longman Dictionary of Contemporary English
”phenomenon”は、身の回りで起こる一般的な出来事から、科学や物理学、社会学、哲学といった学術的な分野まで、「現象」や「事象」または「奇才」や「逸材」などを幅広く表現できる英語です。
”phenomenon”を形容詞にした”phenomenal”(自然現象の、驚異的な)は、「すごい!」を意味するスラングとしても使われます。
人や物事に対する驚きの感情を表現するときには、”Amazing!”や”Fantastic!”と並んで、”Phenomenal!”という英語も覚えておくと便利ですよ。
”phenomenon”の語源
”phenomenon”は、1570年代で使われていた言語に由来しています。
「直接観察された事実、認識されたり現れるもの、あるいは起こる出来事」を意味する後期ラテン語”phænomenon”と、「現れるもの、見られるもの」を意味するギリシャ語”φαινόμενον(phainomenon)”から派生しました。
さらにさかのぼっていくと、インド・ヨーロッパ語由来の古代ギリシア語”phaino”(輝く、光る)にたどり着きます。
語源を探っていくと、”phenomenon”が「現象」や「事象」だけでなく、「驚異」や「奇才」などの意味を持つようになったのも頷けますね。
意味がたくさんあって覚えにくい英単語は、語源を調べて単語の成り立ちを知ることで、さらに理解が深まるでしょう。
”phenomenon”の発音と読み方
”phenomenon”は、単数形と複数形のスペルが違い、アメリカ英語かイギリス英語かによって発音も異なります。
覚えにくく間違えやすくもある”phenomenon”を、ここでしっかり習得しておきましょう。
”phenomenon”の発音記号とカタカナ読みは以下のようになります。
- 【米】/fəˈnɑː.mə.nɑːn/「フェナァメナン」
- 【英】/fəˈnɒm.ɪ.nən/「フェノミネン」
なお、”phenomenon”は複数形になると、”phenomenons”もしくは”phenomena”に変化します。
語尾に”s”が付くと複数形だとわかりやすいですが、”phenomena”は全く違う単語であると誤解してしまいがちなので気をつけましょう。
- 【米】/fəˈnɑː.mə.nə/「フェナァメナ」
- 【英】/fəˈnɒm.ɪ.nə/「フェノォミナ」
”phenomenons”と”phenomena”の違い
可算名詞の”phenomenon”には、複数形が2種類あることを知っていますか?
”phenomena”と”phenomenons”は、単語の意味によって使い分ける必要があるため、文脈から正しく判断しなければなりません。
通常、「事実」や「現象」を意味する場合は”phenomena”を、「奇才」や「驚異」を意味する場合には”phenomenons”を用います。
”a natural phenomenons”や”phenomenas”など間違いが多いので、”s”で終わらない例外的な複数形としてしっかり覚えておきましょう。
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”phenomenon”の例文
”phenomenon”にはいろいろな意味があるので、実際にどのように使ったらいいか頭を抱えてしまう人も多いでしょう。
”phenomenon”を使った例文を「一般的な現象」「自然現象」「社会現象」「奇才」の4つの意味に分けて紹介していきます。
一般的な「現象」を意味するときの”phenomenon”
It is very hard to find a way to bring an end to this phenomenon.
訳)この現象に終止符を打つ方法を見つけるのは非常に難しいです。
He has witnessed many interesting phenomena during his time as a scientist.
訳)科学者をやっていた頃、彼はおもしろい現象をたくさん目にしました。
The author wrote about strange and unknown scientific phenomena in her book.
訳)彼女は著書の中で、奇妙な未知の科学現象について書いています。
「自然現象」を意味するときの”phenomenon”
Both solar and lunar eclipses are natural phenomena.
訳)日食も月食も、どちらも自然現象です。
The aurora is a beautiful natural phenomenon that can be observed in the Northern Hemisphere.
訳)オーロラは北半球で観測できる美しい自然現象です。
A peculiar natural phenomenon created that rock formation.
訳)特異な自然現象が、あの岩層を作り出しました。
「社会現象」を意味するときの”phenomenon”
This strange phenomenon attracted national attention.
訳)この奇妙な現象は国中の注目を集めました。
The economic crisis was a phenomenon that affected many countries around the world.
訳)経済危機は、世界中の国々に影響を与えた事象でした。
The sudden popularity of the game was a phenomenon that no one had predicted.
訳)ゲームの突然の人気は、誰も予想していなかった出来事でした。
「奇才」を意味するときの”phenomenon”
Michael is a phenomenon.
訳)マイケルは稀有の天才です。
Suzan is often considered a phenomenon in the field of mathematics.
訳)スーザンは数学分野における奇才とみなされています。
K-Pop phenomenon will release his new single tomorrow.
訳)明日、Kポップの奇才がニューシングルを発売します。
まとめ
難しいイメージのある英単語”phenomenon”について、意味と使い方を解説しました。
”phenomenon”は、文脈によっていろいろな意味を持つ名詞です。
一般的な「現象」や「事象」、「出来事」を表すときもあれば、優れた能力や人物を指して「驚異」や「奇才」などと表現する場合もあります。
複数形は”phenomena”と”phenomenons”で、意味によってスペルが異なるので、前後の文脈から正確に判断しなければなりません。
”phenomenon”のようにちょっと難しい単語は、語源から意味を理解し、スペルと発音を何度も練習することが大切です。
積極的に会話に取り入れて、表現力を磨いていきましょう。
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