「あの人、メロウな雰囲気があるね」
「このワインはメロウでいい香りがする」
英会話でこのような表現ができたらいいですね。それには新しい単語をひとつマスターすればいいことを知っていますか?
この記事では、英語mellowの意味を解説します。
メロウな気分やメロウな曲などの関連用語やスラングも紹介しましょう。
メロウの意味
日本語で「メロウ」と言うことがあります。まずは、メロウの意味を知るところから始めましょう。その後に英語表現について紹介します。
メロウの意味
メロウは日本語で「心地よい」「優しい」「柔らかい」または「穏やかな」といった意味で使われています。柔らかくって豊かであったり、リラックスしていて心地がよいような状態で、激しく張り詰めた感じとは正反対のニュアンスを持っています。
メロウの使い方には、メロウな気分、メロウなメロディなどがあります。
mellowの意味
メロウの元になっているのは英語mellowです。
円熟した演技をする役者が好き、性格が丸くなった、この飲み物コクがあるね、このような会話に使えるmellowは何かの味からその時の気分や音楽など、多くに使われる表現です。
mellowには形容詞と動詞の使われ方がありますが、メインは形容詞です。その意味ですが「柔らかく豊か」や「穏やかな」であり、日本語のメロウと重なっています。
ここで、ひとつmellowの例文で使い方を紹介しましょう。
The music at the bar is very mellow.
訳)このバーの音楽はとても落ち着いている。
大人の雰囲気の店内のバックグラウンドミュージックはとても穏やかで、リラックスできる感じをmellowがうまく表現しています。
このことから、mellowに置き換えられる英単語として以下が挙げられます。
- pleasant 心地よい・気持ちのよい
- gentle 優しい・穏やかな
- soft 柔らかい
- mild マイルドな・温暖な
- soothing うっとりさせる・鎮静する
逆にmellowの対義語は、harsh(厳しい・辛辣な・強過ぎて不快な)やintense(張り詰めた・集中した)があり、mellowとの対比に役立ちます。
mellowの語源
mellowの語源は、おそらく15世紀中頃の英語melweに由来すると考えられています。melweは熟したことで果物が「ジュージーな・熟した」という意味を持つ言葉です。
その後mellowは形容詞として使われるうち、1570年代に「成熟させる・完熟させる」という動詞としても使われるようになりました。
今では、果物が熟して甘くなっていく様に、聞いていて心地よくなれる音楽、経験を積んた人物など、多くに対してmellowが使われています。
「メローな感じ」の意味と英語
さて、ここからは具体的にメロウ(またはメロー)が使われた表現やその英語フレーズについて紹介していきましょう。
メローな感じ
緊張感とは程遠く、穏やかでリラックス、落ち着けるような雰囲気・感覚を感じているとき、または少し切なさのある状況に面したときに「メローな感じ」と言うとピッタリきます。
mellowで表すメローな感じ
mellowを他の単語と組み合わせ、mellow atmosphere(穏やかな雰囲気)、mellow time(穏やかな時間)などのフレーズとして使うことができます。
I love the mellow atmosphere in this retro cafe, it’s very comfortable being here.
訳)このレトロなカフェのメローな雰囲気が大好き、ここにいるのがとても心地いいの。
「メロウな気分」の意味とスラング英語
自分自身がとってもリラックスしていて安定した感じになっている状態を「メロウな気分」と表現します。心配事がなくゆったりまったりと時間を過ごせる、そんな精神的に良い状態です。
反対の状態はエモーショナルです。喜怒哀楽の何かによって心が揺さぶられていて感情的になっていることで、日本語のスラングにも「エモい」がありますね。
スラングmellow outで表すメロウな気分
ここでひとつ、mellow関連でスラングを紹介します。それがmellow outです。mellow outは「いい気分になる」「優しい気持ちになる」の意味を持ち、calm down/relax/pleasantと同義語です。
We mellowed out by looking at the master pieces in the museum.
訳)美術館で名作を観て、メロウな気分になりました。
静かな美術館は独特の雰囲気があります。そのなかで名作を観ることに集中すると心が穏やかになります。英語学習者の皆さんが海外に行くときにミュージアムを訪れることが人気ですが、教会などと同じで気持ちが落ち着くのがいいですね。
また、メロウな気分はpleasantly relaxed.と言い換えられます。そこで、リラックスして少しお酒を飲んだときのほろ酔い気分にも使える表現と言えます。
「メロウな味」の意味と英語
食べ物や飲み物に対して「メロウな味」という表現もあります。mellowの語源を考えても納得ですね。日本にはメローという名前の林檎があります。
mellow flavourで表すメロウな味
メロウな味とは、チーズやワインが熟成していたり、コーヒーなどがまろやかでこくがあったりといった味のことです。ワインであればwell aged(熟成した)と言えます。このようなメロウな味はmellow flavourで表現できます。
It’s the best time to eat this orange, it has mellow flavours.
訳)今がこのオレンジの食べ頃、メロウな味わいがあるよ。
This red wine has mellow flavours, so I can taste that it is a mild wine.
訳)この赤ワインはメロウな味で、マイルドなワインであることが分かります。
This coffee has a mellow flavour but I prefer a bit more sourness.
訳)このコーヒーはメロウな味だけど、私はもう少し酸味があるほうが好みだな。
オレンジはしっかり熟して甘くなっている状態、コーヒーはまろやかで口当たりがいい味ということをmellow flavourで表現しています。
メロウな曲とは?
ここまででメロウがリラックスできる状態であることが分かりました。メロウな曲、メロウなサウンドと言えば、どのような音楽か想像がつくのではないでしょうか?
メロウな曲の曲調
アップビートとは違い、スローテンポでゆっくりしっとりと聴ける落ち着いた曲調の音楽がメロウな曲です。例えば、クラシックやジャズがそれに当たります。
mellow music/relaxing music
メロウな曲の英語はmellow music、またはそのままrelaxing musicで表現します。
My hobby is to listen to mellow music on Sunday mornings with a cup of Italian coffee. I can totally relax.
訳)私の趣味は日曜の朝、イタリアンコーヒーを飲みながらメロウな音楽を聴くことなんです。まったくもってリラックスできますよ。
mellowの意味 ヒップホップ
メロディが綺麗でしっとりと聴ける曲をmellowで表現しますが、実はヒップホップミュージックにもメロウな曲調があるんです。
Lofi hip hop/Chillhop
ヒップホップは音楽だけでなくダンス・アート・ファッションまで含む文化を指します。一方、ラップは音楽のひとつでリズミカルに言葉を音楽に乗せるためヒップホップとの違いがあります。
さて、このヒップホップ音楽にLofi hip hopまたはChillhopと呼ばれるスタイルがあります。これらの音楽はヒップホップとチルアウトミュージックを組み合わせたものになります。
チルアウトは英語のchill out、「くつろぐ・落ち着く・リラックスする」の意味、日本語でも「チルる・チルい」というスラングがあります。
このことからLofi hip hop/Chillhopはゆったりとしたテンポの曲を表します。
I’ve never listened to the chillhop. Do you recommend any?
訳)チルホップを聴いたことがないんです。おすすめはありますか?
ご参考にひとつ、Lofi hip hopを”Best of Lofi hip hop 2023”から紹介しましょう。メロウな感じがよく分かります。
https://www.youtube.com/watch?v=mmKguZohAck
年を重ねて円熟・丸くなる
最後にガラリと変わって、食べ物や音楽ではないmellowの別の意味と使い方を紹介しましょう。人が年を重ねることで成長、円熟したり丸くなると言うときの表現です。
人は年を重ねて穏やかになる?
加齢の過程で人やその気分が、よりリラックスできるようになることをmellowで表せます。しかし、人によってはより頑固になっていきます。
My mother seems more mellow and tolerant with age, but my father became more stubborn.
訳)母は年齢を重ねるごとに穏やかになり寛容になったようにみえるけれど、父はもっと頑固になった。
人が円熟していくと、より機嫌が良かったりリラックスした時間を過ごせます。毎日したいことがあったり、そういったものへのモチベーションを保ったりすることが大切です。そういった意味では人がmellowしていくことは、ポジティブだと言えます。逆に、stubbornには頑固の意味があります。
まとめ
日本語のメロウは英語mellowです。「柔らかく豊か」「穏やかな」の意味から、食べ物や飲み物が熟成してまろやかなメロウな味、メロウな音楽や年を重ねていく人の円熟までカバーする表現です。
この機会に、メロウ気分のとき、食べ物が熟しているとき、周りに穏やかな人がいるときなど、mellowを英会話に取り入れてみるのはいかがでしょう?!