先日、ネットオークションで好きなブランドの洋服が破格で売られていました。画像を見たところ、なんだか違和感があり、購入は見送りました。その後確認すると売れていましたが、あれは偽物だったのではないかと今でも疑っています…。
というわけで、今回のテーマは「偽物」です。英語で偽物を何と言うか、スラングも含めて詳しく解説していきます。また、記事の後半では「本物」を英語で何と言うかについても取り上げます。
これを読めば、色々なニュアンスの偽物と本物を、英語でしっかり言い分けられるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「偽物」は英語で何て言う?
「偽物」を表す英語表現は、”fake”、”forgery”、”imitation”、”counterfeit” の4種類です。
一括りに偽物といっても、これら4つはそれぞれにニュアンスが異なります。以下で詳しく確認していきましょう。
偽物①:fake
偽物を表す際、一般的に最もよく使われるのは “fake(フェイク)” です。本物を模して作られた偽物や、偽造品を指します。そのため、偽物を表す際に迷ったら、とりあえず fake で表現すれば間違いないでしょう。
なお、fake は名詞として「偽物」の意味で使われるだけでなく、「偽の」という意味の形容詞でも使われます。たとえば fake name なら「偽名」、fake medicine なら「偽薬」の意味になります。
His claimed name turned out to be a fake.
訳)彼が名乗った名前は偽名でした。
偽物②:forgery
“forgery(フォージェリー)” は、文書や署名などが偽物である際に使われる表現です。そのため、日本語の感覚だと「捏造」に近い表現だといえます。
なお、forgery の動詞形は forge であり、「(文書などを)偽造する、(事実を)でっち上げる」といった意味で使用可能です。
The signature written on the document was found to be a forgery.
訳)その書面に書かれた署名は偽物だと判明しました。
偽物③:imitation
“imitation(イミテーション)” は、本物の特徴や外見などを忠実に真似て作られた偽物を表します。
しかし、悪意をもって作られた imitation は偽物ですが、別の目的で作られた imitation もあります。たとえば、imitation sword と言った場合は、安全のため切れないように作られた「模造刀」を意味します。
そのため、imitation と付いているからといって、必ずしも「偽」の烙印が押されるわけではない点に注意しましょう。
The clothes bought on the online auction turned out to be imitation.
訳)ネットオークションで買った洋服は、よく見たら偽物でした。
偽物④:counterfeit
“counterfeit(カウンターフィット)” は、偽物を表すフォーマルな印象の言葉です。そのため、日常生活で使うことは稀ですが、ニュースや新聞などではよく出てきます。
counterfeit 単体で「偽物」の意味の名詞としても使えますし、counterfeit bags などと名詞を添えて、「偽物の○○」を表現することも可能です。
A large amount of counterfeit branded goods were confiscated at the airport.
訳)空港で、大量の偽物ブランド品が押収されました。
「偽物」を表すスラング表現
偽物を表す際、”knockoff”、”bootleg”、”a poor man’s ○○” というスラング表現が使われることもあります。
これらの表すニュアンスや違いについても、詳しく確認していきましょう。
偽物スラング①:knockoff
“knockoff(ノックオフ)” は、主にブランド品のコピー商品を表す際に使われるスラングです。”knock-off” と表記されることもあります。
knock off にはもともと動詞で「やめる、中断する」を意味していましたが、そこから「さっさとやる、急ごしらえで作る」といった意味に派生し、大量生産するコピー品を表すようになりました。
While abroad, there were shops selling shoddy knockoffs.
訳)海外旅行中、粗悪なコピー品を売っている店があったよ。
偽物スラング②:bootleg
“bootleg(ブートレグ)” は、権利者に許可を取らずに制作された偽物を表すスラングです。映画や音楽などのコピー品を表すことが多く、日本語の語感だと「海賊版」が近いでしょう。
bootleg の由来は、見たままに boot(ブーツ)と leg(脚)です。かつて禁酒法があった時代に、ブーツの中に密造酒を隠して販売していたことから、無許可で販売されるもの全般を表すようになりました。
Some bootleg T-shirts from the 1990s are actually being traded at high prices.
訳)90年代のブートレグTシャツの中には、かえって高値で取引されているものもあります。
偽物スラング③:a poor man’s ○○
”a poor man’s ○○” は、本物に似せて安価に作った偽物を表すスラング表現です。
直訳すると「貧乏な人のための○○」で、○○の部分にはブランド名や、有名な商品の名前が入ります。日本語の「パチモン」や「バッタモン」に近いニュアンスです。
本物の商品が買えないような、貧乏な人のために作られたというニュアンスが込められているため、使う場面には注意が必要です。
No matter how good the design is, wearing a poor man’s Rolex is tacky.
訳)どんなにデザインがよくても、パチモンのロレックスを着けるのはダサい。
「本物」は英語で何て言う?
偽物を英語で何と言うかわかったら、「本物」の言い方もマスターしておくべきです。
ここでは、”real”、”genuine”、”authentic” という3種類の表現について、その違いを確認していきましょう。
本物①:real
「本物」を表す際に最も多く使われるのが “real(リアル)” です。real はもともと「本当」を表しますが、そこから「本当に存在する物=本物」を表すようになりました。
real は、偽物を表す fake とセットにして “real or fake(本物か偽物か)” という形でもよく使われます。
本物②:genuine
品質や信頼性を強調するために本物と言いたい場合は、“genuine(ジェニュイン)” が使われます。
たとえば、本革で作られた製品には、どこかに必ず “GENUINE LEATHER” の印字があります。これは、使われている素材がビニールやフェイクレザーでなく、正真正銘本物の革であることを示す目印になります。
本物③:authentic
「間違いのないもの」「確かなもの」というニュアンスで本物と言いたい場合は “authentic” が使われます。
似たようなものが色々出回っている中、大元にあるものが authentic なイメージです。そのため、何かしらの自負があったり、明確な証拠や根拠があったりする際によく使われる表現だといえます。
まとめ
今回は「偽物」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
英語で偽物を表す際は、基本的に “fake”、”forgery”、”imitation”、”counterfeit” が使われます。記事中で紹介した通り、それぞれに表すニュアンスが異なりますが、迷ったら fake を使っておけば間違いありません。
古今東西、人気の集中するものには偽物が絶えません。今回ご紹介したことを参考に、本物と偽物を見極め、間違って購入することのないように注意しましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!