日本のカフェやファストフード店では、商品を持ち帰ることを「テイクアウト」と言いますが、これが英語でもそのまま通じるのか、はたまた違う言い方があるのか、あなたは知っていますか?

ということで、今回のテーマは「お持ち帰り」の英語表現です。日本ではすっかり「テイクアウト」が定着していますが、英語での正しい言い方について、詳しく解説していきます。

海外でもテイクアウトと言ってよいのかどうか不安に感じていた人は、これを最後まで読めば疑問が解決するはずです。それでは、早速始めていきましょう!

「お持ち帰り」は英語で何て言う?

「お持ち帰り」は英語で何て言う?

カフェなどで注文した商品を「お持ち帰り」にすることは、英語だと “to go” と表現するのが一般的です。

to go は文法的には不定詞と呼ばれるもので、意味としては「行くための」を表します。そこから「(店の外に持って)行くための」という意味で、お持ち帰りを表すようになりました。

Aさん
A coffee to go, please.
訳)コーヒーを持ち帰りで1つお願いします。

また、イギリス英語の場合は to go よりも “take away” の方が好まれます。take は「取る」、away は「離れて」という意味なので、take away で「(お店から)取って離れたところへ持っていく」というニュアンスです。

このように、同じ英語圏でもアメリカとイギリスで言い回しが違うことはよくあるので、ぜひ覚えておきましょう。

Aさん
I would like to take this cake away, please.
訳)このケーキを持ち帰りでお願いします。

テイクアウトは和製英語?

日本では「お持ち帰り」のことを「テイクアウト」と言いますが、ここまでを読んで、テイクアウトが和製英語なのではないかと不安に感じた方も多いでしょう。

しかし、テイクアウトの元になっている “take out” は、れっきとした英語表現です。特にアメリカでは、先述の to go に次いでよく使われる表現なので、どんどん使って問題ありません。

ただし、イギリス英語の場合は take out よりも take away と言う方が一般的なので、その点には注意が必要です。

Aさん
Since cooking is too much trouble today, let’s get some beef bowl for takeout.
訳)今日は料理作るの面倒だから、牛丼をテイクアウトしようよ。
Bさん
Sounds good. Let’s do that.
訳)いいね、そうしよう。

 

なぜテイクアウトが和製英語だと言われるのか?

take out は正しい英語表現ですが、「日本でしか通じないから注意」と誤って説明されることもあります。なぜそのようなことが起こるかというと、これが「お持ち帰り」以外も表す多義語だからです。

take out の原義は、何かを手に取って(take)、それを外に持っていく(out)ことです。そのため、商品を持ち帰ることのほかにも「取り出す」「引き出す」「外出する」「連れて行く」など、幅広い意味を表せます。

その結果、文脈によっては take out と言っても「お持ち帰り」の意味で通じないケースがあり、「海外では通じない」という誤った認識が広まったと考えられます。

Aさん
I’d like to take out ramen.
訳)ラーメンをテイクアウトしたいのですが。
Bさん
What do you mean? Do you have a fourth-dimensional pocket or something?
訳)ラーメンを取り出す? 四次元ポケットでも持ってるんですか?

 

とはいえ、海外では take out よりも to go の方が使用頻度が高いのは事実です。そのため、基本的には take out ではなく、to go の方を使うようにすると間違いないでしょう。

海外での注文シーンでよく使われる英語表現

海外での注文シーンでよく使われる英語表現

ここからは、海外で注文する際によく使う、テイクアウトの関連表現をご紹介します。

これらを覚えておけば、海外のお店で焦ることなく、スムーズに注文ができるようになるはずです。この機会にぜひ覚えておきましょう。

「イートインかテイクアウトか」in English

日本語では、「店内でお召し上がりですか、お持ち帰りですか?」という意味で「イートインとテイクアウト、どちらにされますか?」という聞き方がよくされます。

英語でこれを表す場合、アメリカ英語では “for here, or to go?” という表現が使われます。また、イギリス英語では “eat in, or take away?” と聞くのが一般的です。

店内で食べることとお持ち帰り、それぞれの言い方を国別にまとめると、以下表のようになります。

店内で食べる お持ち帰り
日本国内 イートイン テイクアウト
アメリカ英語 for here to go(take out)
イギリス英語 eat in take away

とはいえ、この表現は基本的に店員さんが聞いてくれるので、それに合わせた受け答えをすればOKです。それぞれの表現を知らないと焦ってしまいがちなので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

Aさん
For here, or to go?
訳)店内でお召し上がりですか、それともお持ち帰りですか?
Bさん
For here, please.
訳)店内で食べていきます。

 

Aさん
Great, I’ll bring your order to your table.
訳)わかりました。それでは、ご注文の品は席までお持ちします。

「持ち帰り用の○○」in English

「持ち帰り用の○○」と言いたい場合は、”take-out”、”take-away” 、”to go” のいずれかを使います。このうち take-away は主にイギリスで、残りの2つはアメリカで一般的な言い方です。

間にハイフンを入れた take-out と take-away はそれぞれ、名詞の前に付ければ「持ち帰り用の○○」になります。たとえば「持ち帰り用のコーヒー」なら “take-out coffee”、”take-away coffee” とすればOKです。なお、繋げた形で takeout、takeaway と表記することもあります。

また、to go を使う場合は、名詞の後に付ける点に注意です。たとえば「持ち帰り用のピザ」であれば、”a pizza to go” となります。

Aさん
Carrying take-out coffee makes you seem productive.
訳)持ち帰り用コーヒーを手に持っていると、仕事ができそうに見えます。

まとめ

今回は「お持ち帰り」を英語で何と言うか、「テイクアウト」は和製英語なのかについて、詳しく確認してきました。

「お持ち帰り」はアメリカ英語だと “to go”、イギリス英語だと “take away” を使うのが一般的です。そのため、テイクアウトは和製英語と思われがちですが、”take out” も英語圏でよく使われる表現なので、お持ち帰りの意味で使っても問題ありません。ただ、文脈がないと他の意味に取られかねないので、アメリカでは to go、イギリスでは take away を使った方が無難ではあります。

今回ご紹介した内容を、英語での注文に役立てていただければ幸いです。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!