皆さんの周りに頑固な人はいますか?

頑固な人というのは、どんなに正論で説得しても、なかなか首を縦に振ってくれないものですよね。しかし、頑固な人はたいてい、その場で意見を変えられるのが嫌なだけなので、時間を置くとすんなり受け入れてくれることも多いです。そのため、その場で説得するのを諦めて長期戦に持ち込めば、意外とスムーズに話し合いが決着するかもしれませんよ。

さて、そんなわけで今回のテーマは「頑固」です。頑固を英語で何と言えばよいか、類語表現やスラングも含めて、詳しく解説していきます。

これを読めば、色々なニュアンスの「頑固」が英語でも表現できるようになりますよ。

それでは、早速始めていきましょう!

「頑固」「頑固な」は英語で何て言う?

「頑固」「頑固な」は英語で何て言う?

英語で「頑固」「頑固な」を表現するなら、“stubborn” が最も適切です。発音記号は【ˈstʌbərn】、カタカナだと「スタバーン」と読みます。

stubborn は「切り株」を表す “stub” と語源が同じで、切り株のように動かない様子から「頑固」という意味に発展したようです。

日本語の「頑固」は、別の言葉だと「強情」や「かたくな」、「意地を張っている」などと言い換えられますが、stubborn も同様の使い方ができます。

Aさん
My brother is very stubborn, so it’s quite challenging to convince him.
訳)私の兄はとても頑固なので、説得するのに骨が折れます。

また、日本語の「頑固」は、人の性格以外の場面でも「頑固な汚れ」や「頑固な腰痛」などと、汚れや病気などがしぶとい意味でも使われます。驚くことに、英語の stubborn にも、これと同様の使い方があります。

Aさん
I couldn’t get rid of the stubborn stains in the bathroom, and as I kept cleaning, I started suffering from stubborn lower back pain.
訳)浴室の頑固な汚れが落ちなくて、ずっと掃除してたら、頑固な腰痛に悩まされるようになっちゃった。
Bさん
Your stubborn personality really came back to haunt you, didn’t it?
訳)頑固な性格が仇になったね。

 

つまり、日本語の「頑固」と英語の “stubborn” は、どちらもまったく同じ使い方ができるということになります。日英で単語の意味がここまで一致するのは、非常に珍しいことです。

そのため、日本語で考えて「頑固」という言葉がぴったりだと思えたら、とりあえず stubborn を使って英語に訳せば間違いないといえるでしょう。

「頑固おやじ」は英語で何て言う?

「頑固おやじ」と英語で言いたい場合は、やや直訳調ではありますが “stubborn old man” と言えば通じます。old man が「男性の老人、おじさん」という意味なので、同じ理屈で “stubborn old woman” と言えば「頑固ばあさん」の意味になります。

いずれの場合も、日本語同様にだいぶ失礼な言い方ではあるので、使いどころには注意が必要です。

Aさん
You stubborn old man!
訳)この頑固おやじ!
Bさん
What did you say? That’s no way to talk to your parents!
訳)なんだと!親に向かって何て口の利き方だ!

 

また、「頑固おやじ」を表すスラング表現として “old codger(オールド コジャー)” もあります。

ここで使われている codger は、「意地悪な老人、変わり者の男性」という意味を表す言葉です。codger 単体でも使えますが、old を付けて言う方が一般的です。

ただし、old codger は日本語の「頑固おやじ」と同様か、それ以上に侮蔑的な響きのあるスラング的表現です。親しい間柄であれば冗談として使えますが、それ以外では誤解を生む可能性があるので、使用する際はくれぐれも注意しましょう。

Aさん
You old codger!
訳)この頑固おやじ!
Bさん
That’s mean!
訳)ひどい!

 

「頑固」を表す英語の類語表現

「頑固」を表す英語の類語表現

先述の通り、「頑固」は基本的に stubborn の一語で事足りますが、他にも類語表現があります。

ここでは、「頑固」の意味で使える5種類の表現をご紹介します。英語表現の幅を広げたい方は、これらの表現も覚えておくとよいでしょう。

obstinate

“obstinate” は、意固地になって譲らない頑固さを表します。発音記号は【ˈɒbstɪnət】で、カタカナだと「オブスティネイト」です。

obstinate の意味自体は stubborn とほぼ同じですが、より頑固さの強度が増しているニュアンスがあります。たとえば、他人の意見を聞いても意見を変えなければ stubborn、他人の意見を聞こうともしなければ obstinate というイメージです。

Aさん
That customer was obstinate and wouldn’t even listen to the salesperson’s explanation.
訳)そのお客さんは頑固で、店員の説明を聞こうとすらしませんでした。

persistent

“persistent” は、しつこくてなかなか止めない頑固さを表します。発音記号は【pərˈsɪstənt】で、カタカナだと「パーシスタント」です。

persistent は「~し続ける」という意味の persist の形容詞形であり、何かをし続ける意志の強さを表します。そのため、「頑固」や「固執」などのネガティブな意味にもなりますが、「粘り強い」とポジティブに訳されることもあります。

Aさん
John persistently asked her out and eventually got an OK.
訳)ジョンは頑固に彼女をデートに誘い続け、最終的にはOKをもらいました。

inflexible

“inflexible” は、柔軟性のない頑固さを表します。発音記号は【ɪnˈflɛksəbl】で、カタカナだと「インフレキシブル」です。

inflexible を分解すると「形を変え(flex)られ(-ible)ない(in-)」となり、力を加えても形状が変わらない様子を表すのが原義です。そのため、たとえば後から変更が加えられても、それに対応しないままでいる様子などには inflexible がぴったりです。

Aさん
Despite the new computer being introduced, he remains inflexible, making documents by hand.
訳)新しくパソコンが導入されたのに、彼は頑固に手書きで書類を作っています。

hardheaded

“hardheaded” は、考え方が凝り固まっていて、融通が効かない頑固さを表します。発音記号は【ˈhɑːrdˌhɛdɪd】で、カタカナだと「ハードへデッド」です。

hardheaded を分解すると「固い(hard)頭が備わっている(headed)」となり、文字通り頭が固い様子を表します。日本語だと「石頭」の語感に非常に近いです。

Aさん
My parents are hardheaded.
訳)私の両親は石頭です。

また、近いイメージの表現に “headstrong(ヘッドストロング)” というのもあります。こちらの場合は、頭が固いだけでなく、意見を強く押し出すような頑固さを表す際に使われます。

bullheaded

“bullheaded” は、バカで頑固という意味を表すスラング表現です。発音記号は【ˈbʊlˌhɛdɪd】で、カタカナだと「ブルへデッド」です。

bull は「雄牛」を表すので、bullheaded を直訳すると「牛の頭が付いている」という意味になります。人を牛に例えていることから、非常に軽蔑的なニュアンスがあるので、日常会話では使わない方が無難です。

また、似たイメージの表現に “pigheaded(ピッグヘデッド)” もあります。こちらは「豚の頭が付いている」という意味で、bullheaded と同様に軽蔑的な意味を持つスラング表現です。

Aさん
What a bullheaded person!
訳)この頑固者!
Bさん
You, of all people, are pigheaded!
訳)そういう君こそ、分からず屋!

 

まとめ

今回は「頑固」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

「頑固」は英語で “stubborn” と言います。頑固な性格から、汚れや痛みなどが頑固な様子に至るまで、日本語の「頑固」とほぼ同じイメージで使える便利な表現です。

頑固は基本的にこの1語で表現可能ですが、より意味を強めたければ “obstinate”、しつこい頑固さなら “persistent” などと、他の表現も織り交ぜてみましょう。ただし、中には軽蔑的に響く表現もあるので、それぞれのニュアンスも覚えておくことが大切です。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!