頭を棚にフィジカルにドンっと衝突させてしまったり、友達と意見が食い違って衝突してしまった、なんてことがあります。

さて、この「衝突」の英語がどのようなものなのか気になりませんか?
衝突するというときの英語表現はいくつかあり、シーンによって使い分けをする必要があります。

記事では、英語「衝突する」を取りあげ、場面別に正しい表現を使えるよう例文とともに解説しましょう。

「衝突する」の英語

状況を考えずに「衝突する」という言葉だけで考えるとき、以下のように様々な単語が挙がります。
そこでフィジカルなもの、意見の対立によって起こる衝突と分けてみましょう。

フィジカルな衝突

  • crash
  • crush
  • collide
  • smash
  • bump
  • hit

異なる主張などによる衝突

  • clash
  • conflict
  • confrontation

このように挙げてみると、「c」で始まる単語が多かったり、カタカナではクラッシュのように発するという、発音まで似た単語がいくつかあったりと、「衝突」の英語はかなりややこしいことになっています。

では、ここからそれぞれの場面で最適な「衝突する」の英語を選びながら、例文で使い方を紹介していきましょう。

「ビジネスで意見の衝突」するときの英語

「ビジネスで意見の衝突」するときの英語

意見の衝突とは、お互いが異なる意見や主張を持つ状況で、双方が考え方を譲らないで対立することを言います。または、意見を衝突させた後により良いものが生まれることもあるでしょう。

まず、ビジネスにおいて、社内やクライアントなどと意見が衝突するときの表現についてみていきます。
ここからは意見の衝突に使える、2つの表現を紹介します。

ビジネスシーンの衝突1 conflict

「意見が衝突する」ときに使いたい単語がconflictです。conflict(コンフリクト)は人と人との間、グループ内で起こる意見や主義などの衝突に使います。決して、フィジカルにぶつかることではありません。conflictには名詞と動詞があり、コンフリクトマネージメントなどと言ってビジネス用語としても使われます。

Aさん
There was a conflict between the client and us.
訳)クライアント私たちの間で、意見の衝突がありました。
Aさん
After the conflict in our office, the situation turned better.
訳)オフィスでの衝突後、状況は好転したね。
Aさん
Even politicians from the same political party sometimes have conflict.
訳)例え、同じ政党の政治家たちでも衝突することはあります。
Aさん
Two department managers were conflicted over the budget.
訳)2人の部長が予算をめぐって衝突(対立)した。

この例文のように、衝突してしまう対象はover the budgetのように前置詞overの後に続けます。

conflictのもうひとつの使い方

英語の学習をしている人でBBCなどで世界のニュースをチェックしていればconflictという単語を見ることがあるかもしれません。
conflictには、長期の「紛争・戦争・戦闘」といった意味があり、最近で言えば、Sudan conflict(スーダン紛争)がニュースになっています。

ビジネスシーンの衝突2 confrontation

もうひとつ、ビジネスシーンの衝突に使える単語が名詞confrontation(コンフランテイション)です。confrontationには顔を向き合わせての対立、問題と向き合うことといった意味があります。また、国家間の敵対や思想間の対立や論争としても使われます。動詞になるとconfrontで、困難や問題に「直面する・立ち向かう」などの意味になります。

海外では、confrontation (confrontational) meetingと言って、組織のあらゆるレベルによって構成され数時間以内に改善点への行動計画を設定するような対決会議なるものがあります。また、confrontational conversationなら健全な対立をし、解決への期待をするような衝突になります。

Aさん
My overtime this month is about 30 hours, and the boss and I had a confrontation over the working hours.
訳)今月の私の残業時間は約30時間、上司と私は労働時間をめぐって衝突しました。

残業はovertime。overworkではないので注意しましょう。サービス残業という大きな問題もありますが、海外では日本よりもワークライフバランスがよくなりがちです。それも、間違ったことは明確にする文化があるからかもしれません。

「人と人が衝突する」 ときの英語

「人と人が衝突する」 ときの英語

ここからはガラリと話題を変え、ビジネスに限らず人と人が衝突するときに使う表現の紹介になります。
ちなみに、意見の対立は英語でopposing opinions/viewpointsになります。

clash

ひとつ目の単語はclashです。
clashは意見の相違、相容れない、うまくいかないときの状態を表現します。また、clashはガッシャンといった大きな音を立てて物理的にぶつかるときにも使える単語です。

Aさん
What are they arguing about?
訳)彼らは何について口論してるんだ?
Bさん
They’re clashing over their friend Chris. I wonder what happened.
訳)彼ら、友達クリスをめぐって衝突しているんだ。何があったんだろうね。

また、clash with someone over Xで「Xのことで○○と衝突する」のようにするパターンもあります。

Aさん
After I clashed with Erin over Chris, we became better friends as we talked honestly and understood each other.
訳)エリンとクリスのことで衝突した後、私たちは正直に話してお互いを理解しあったことでより良い友達になったの。

fall out

fall out=argumentですので、口論する・仲たがいするといった意味になります。使い方ですが、fall out with ○○のようにします。口論して衝突、そこから仲たがいになってしまうことってありますよね。口論を理由に関係をたつくらいの口論や意見の相違を意味し、過去形はfell outになります。

Aさん
My friend fell out with his parents over his girlfriend.
訳)友達は、彼女のことで彼の両親と口論したのよ。

恋は盲目、家族と関係がおかしくなってしまうくらいに恋人のことが大切になってしまうこともあります。または、親が子どもを尊重しないパターンもありますね。

恋愛におけるcrush

お料理に使うニンニクを潰すというときの英語はcrushです。このcrushは「潰れる・圧勝する」などの意味を持ち、恋愛においては”夢中になっている”というニュアンスを持ちます。誰かと愛の衝突があって好きになった、なんて捉えてはいかがでしょう。
I have a crush on you.であれば、あなたのことが好きの意味になります。
ややこしいのですが、韓国ドラマ愛の不時着は”Crash Landing on You”ですのでお間違いなく。

「正面衝突の事故」などの英語

「正面衝突の事故」などの英語

ここからは、フィジカルな衝突の英語表現について話を進めましょう。
事故や2つの物体がぶつかり合うなど、衝突には強さのレベルなどによって違いがあり、英語でも使い分けする必要があります。

正面衝突の英語

真正面からぶつかり合ってしまうのが正面衝突です。車同士が正面衝突なんていう事故があります。
このような正面衝突の英語フレーズにはhead-on collisionで表現します。名詞collisionには衝突・激突といった激しくぶつかるニュアンス、そしてhead-onには正面からの・真っ正面のという物理的な方向の意味があります。

Aさん
A head-on car collision. Call the ambulance!
訳)車の正面衝突だ。救急車を呼んで!
Aさん
I was so shocked to see the head-on collision.
訳)正面衝突を見てとってもショックだった。

衝突して物が壊れるようなときのcrash

突然で強い衝撃が起こるような衝突にはcrashです。飛行事故にもplane crashのように使われます。相当な衝撃がイメージできますね。

Aさん
The van crashed into the fashion building. Fortunately, no one was injured.
訳)そのヴァンはファッションビルに突っ込んだ。幸い、怪我人はでなかった。

他の衝突はbump/hit

日常生活で起こる衝突があります。例えば、棚のドアに頭をぶつけた、ボールが窓に当たってしまったなどです。
そんなときには、bump(ドンとぶつかる)やhit(ぶつかる・衝突する)などを使うことができます。bumpはカジュアルな表現で深刻でない軽めの接触や衝突を意味し、hitにはぶつかるときにある程度のスピードがあるようなときに使います。
bumpの過去形はbumped、hitは過去形/過去分詞もhitのままです。

Aさん
My brother often bumps his head on the kitchen shelf’s door.
訳)お兄ちゃんはよくキッチン棚のドアに頭をぶつけるのよ。
Aさん
The tennis ball hit the wall and has gone somewhere.
訳)テニスボールは壁に当たって、どこかに行ってしまった。

まとめ

フィジカルに何かに衝突することから、誰かと意見が食い違って衝突というものまで、さまざまな英語を紹介しました。
clash・crash・crushなど、かなりややこしい衝突英語ですが、それだけに使って使ってまた使っていくということが大切です。オンライン英会話の講師に、これらの違いについて説明してもらえばさらに記憶に定着するのではないでしょうか?