「英語で何て言う?」コーナー、今回は「event」についてです。「event」は、「イベント」とカタカナ語で日常的に使うので、誰もが知っている馴染み深い単語です。今日は、この「event」について改めて意味を確認し、似ている単語との違いや、日本独特の行事などの言い方もご紹介していきます。
「event」の基本的な意味について
「event」の基本的な意味は「できごと」、「事件」です。
Aさん
a sequence of events
訳)一連のできごと
Aさん
This movie is based on an actual event.
訳)この映画は実際のできごとに基づいています。
Aさん
The events of that day are still fresh in our memories(minds).
訳)訳)その日の出来事は今も記憶に新しいです。
Aさん
It was a major event for me.
訳)それは私にとっては大事件でした。
Aさん
What were the big events (of) this year?
訳)今年の大きなできごとは何でしたか?
Aさん
We had a lot of happy events this year.
訳)今年はめでたいことがたくさんありました。
「event」の「e」は「ex」からきており、「ex」は「out (外)」を意味します。「vent」の部分は、ラテン語の「venire(来る)」に由来します。「e」+「vent」で「外に出てくること」すなわち「できごと」という意味になったのだと言われています。
また、「行事」、「イベント」、「(競技の)種目」という意味もあります。
Aさん
Kakizome is a traditional event of doing calligraphy with a brush for the first time in the New Year.
訳)書きぞめは、新年の最初に筆で字を書く伝統的な行事です。
Aさん
the main event
訳)メーンイベント(ボクシングなどで、その日の主要な試合をさす)
Aさん
track events
訳)トラック競技
Aさん
a field event
訳)フィールド競技
「event」の基本の意味を確認しましたが、「できごと」や「事件」を意味する違う単語もたくさんあります。それらの違いを見ていきましょう。
「event」と似ている意味の単語について
「event」と同じく「できごと」、「事件」という意味のある「incident」や「accident」という単語があります。ほかにも、「できごと」という意味の単語は、「occurrence」、「happening」などがあります。まず、「できごと」という意味の単語を比べてみましょう。「event」は、しばしば「a historic event( 歴史的な事件)」のように、「大きく重大なできごと」を指します。
これに対し、「incident」は「大きなできごとに付随する小さなできごと」を表します。また、「普通ではない異例のこと」を表す時もあります。「accident」は、「よくないできごと、事故」という意味で使われます。
「occurrence」、「happening」は「event」と比べると、「ごく普通の性質のできごと」を指します。ちなみに、「日常茶飯事」は「an everyday(daily) occurrence」と言います。「happening」は、カタカナ語の「ハプニング」のように、「偶然性が高いできごと」に使います。
まとめると、
- an event: 重要なできごと
- an incident: ささいな、または異例のできごと
- an accident: 望ましくないできごと、事故
- an occurrence: 日常のできごと
- a happening: 偶然のできごと
となり、同じ「できごと」でも、少しずつニュアンスの違いがあることがわかります。
「event」や「incident」には「事件」という意味もありますが、これも「できごと」と同じく、「重大な事件」か「些細な事件」かという違いがあります。「case」という単語も「事件」という意味がありますが、こちらは犯罪や法律などの事件の時に使われます。
- an event: 重要な事件
- an incident: 小さな事件
- a case: 法的な事件
いずれにしても、「event」は普通とは違う「重大なできごとや事件」を表す言葉のようです。日本語で「イベント」は、もっぱら「催し」や「行事」という意味で使われているので、英語の「event」には、「できごと、事件」という基本的な意味があることを覚えていてください。
一般的な日本の「event」について
さて、「event」についてだいたい意味がわかったところで、日本の行事についてご紹介します。外国の方に日本特有の行事を説明したいとき、どのように言えばよいでしょうか。「学校行事(school event)」と「年中行事(an annual event, a yearly event)」の代表的な単語を挙げてみました。
おもな学校行事
- 入学式
- entrance ceremony
Aさん
A ceremony to welcome new students to school.
訳)訳)新入生を迎える式です。
- 始業式
- opening ceremony
- 健康診断
- medical examination
- 遠足
- outing,field trip
- 試験
- exam
- 球技大会
- ball game tournament
- 終業式
- closing ceremoy
- 夏休み
- summer vacation
- 林間学校
- summer camp
- 臨海学校
- camp by the beach
- 修学旅行
- school excursion (trip)
Aさん
A group trip to visit historic sites or scenic beauty spots accompanied by school teachers.
訳)訳)先生の引率のもと、名所・旧跡などを実地見学する団体旅行です。
- 運動会
- field (sports) day
- 文化祭
- school festival
Aさん
Students display examples of their daily studies and practices at school.
訳)生徒が学校で日頃の研究や練習を発表します。
- 冬休み
- winter vacation
- 開校記念日
- school anniversary
- 卒業式
- graduation ceremony
- 春休み
- spring vacation
年中行事
- 正月
- New Year’s (Day)
- 節分
- Setsubun, the eve of the first day of spring
ちなみに、「豆まき」は「bean-throwing (scattering) ceremony」 - バレンタインデー
- St.Valentine(‘s) Day
- ひな祭り
- Doll (Girl’s) Festival
Aさん
A day to pray for girls’ growth and health.
訳)女の子の健やかな成長を祈る日です。
- 春分の日
- Vernal (Spring) Equinox Day
- こどもの日
- Children’s Day
Aさん
Originally a day to pray for the healthy growth of boys.
訳)もとは男の子の成長を祈る日です。
- 母の日
- Mother’s Day
- 父の日
- Father’s Day
- 七夕祭
- Star Festival
- 全国高校野球大会
- National High School Baseball Tournament
- お盆
- Bon Festival
Aさん
People welcome,worship,and entertain the spirits of their ancestors.
訳)祖先の霊をまつり、めい福を祈ります。
- 秋分の日
- Autumnal Equinox Day
- 七五三
- Shichi-Go -San,the cerebration for boys of three and five,and girls of three and seven
- クリスマス
- Christmas
- 大晦日
- New Year’s Eve
こうして並べてみると、日本には季節ごとにイベントが多いと感じられますね。とくに、学校行事の式などは英語圏にはないものが多いので、説明ができるようにしておくと良いですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「event」には「イベント」のほかに、「できごと」や「事件」の意味があることをご紹介しました。似ている単語との違いはわかっていただけたでしょうか?
では、最後に「イベント」に誰かを誘う時の言い方をご紹介します。
Aさん
Why don’t you come with me?
訳)私と一緒に行きませんか。
「Why don’t you〜」の代わりに「Would you like to〜」を使うと、より丁寧になります。
Would you like to come with me?
また、「Do you want to〜」を使うと、フランクな表現になります。
Do you want to (wanna) come with me?
それでは次回をお楽しみに!
参照:アンカー 大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 (株式会社学研プラス)