内科や緊急科など病院で働くのが医師です。ところで、獣医の英語表現は何になるかご存知ですか?
この記事では、犬や猫などペットを飼っている方必見、英語vetについて意味と正しい使い方を解説します。イギリスの獣医になるためのある大学の紹介もしましょう。
獣医の英語vet
医師・医者の英語はdoctorであることは多くの英語学習者には理解されているでしょう。一方、本記事で取り上げるvetは「獣医」「獣医師」を意味する単語です。
vetの語源
vetはラテン語veterinariusが語源であり、この言葉は動物や家畜に関する専門家を指していました。多くの国や人々にとって、農業や畜産業を営むことが重要であった時代に家畜たちの健康を守る人々もveterinariusと呼ばれるようになり、それが現在では、vetが獣医として使われるようになったのです。
vetは日常で使われる口語
vetを他の言い方にすれば、animal doctorになります。動物のお医者さんですね。
イギリスでもアメリカでも「獣医」をvetで表現します。vetの発音はvétであり、カタカナ語の読み方はヴェットが近くなります。筆者はイギリスに住んでいますが、犬も猫も本当に家族としての存在であることを強く感じます。可愛いペットを獣医に連れて行くのよ、週末にvetにかかると診察代(vet fees)が高くなるよ、などの会話を聞くこともあります。このように、vetは会話でカジュアルに使われる表現です。しかし、vetにはveterinary surgeon(イギリス)、veterinarian(アメリカ)というフォーマルな言い方もあります。
ちなみに、退役軍人を表すveteranを略した形がvetでもあります。
名詞vetの使い方
ここで、名詞のvetをどう使うか例文を紹介します。可算名詞ですので、2人以上であればvetsと-sを加えましょう。
訳)叔父は獣医で、バーミンガムの動物病院で働いています。
訳)うちの猫が具合が悪そうでとっても心配だ。今日、獣医に連れて行かないといけない。
ペットたちが具合悪いときに頼りにするのが獣医vetです。
動詞vetの意味と使い方
vetは動詞としても使われる言葉です。ここでは、動詞vetの意味と使い方を紹介します。
動詞vetの意味
名詞vetの「獣医・獣医師」に関連して、動詞では「獣医として働く」「獣医診断を行なう」という意味になります。加えて、情報などを「精査する・慎重に調べる」ときにもvetが使用できます。
ちなみに、賭け事をするときの表現はbetですのでお間違えないように。
動詞vetの使い方
さっそく、動詞vetの例文を紹介しましょう。
訳)獣医師は、手術前に動物の状態を検査します。
訳)獣医師は、アダプションの前に病気やアレルギーの有無を調べます。
動物のアダプションとは、譲渡や養子縁組を指します。ロンドンには保護センターとして1860年以来、犬と猫の保護をしている団体があります。
vetとcheckの違い
一つ上で、動詞vetには情報などを「精査する・慎重に調べる」の意味があることを紹介しました。ではcheckとの違いは?ここでは、気になる点について比較します。
vet vs check
checkには皆さんご存知のとおり「チェックする・検査する・確認する」などの意味があります。
vetとcheckという2つの単語の違いですが、vetは検査をすることによって正式な承認を与えるのに対し、checkは一般的な確認作業です。
訳)獣医は、犬の左目を検査しました。
訳)獣医は、その日のスケジュールを確認しました。
vetの意味 – ビジネス
情報などを精査する・慎重に調べるvetが、ビジネスの場面でも使用されます。例えば、申請を審査することはvet the applicationですし、予算審査であればvet the budgetのように使います。
就活のscreening and vetting
人材採用において、候補者が提供する情報が正しいかどうかが検証されることがあります。この検証は第三者によって行なわれますが、英語vetがその行為を表すのです。フレーズscreening and vettingといえば、適切な人材が採用されることを確実にしつつ、そうでない候補者を特定する方法でもあります。この方法によって、採用後のリスクを軽減します。
訳)スクリーニング審査DBSとは、Disclosure and Barring Serviceのチェックを使用し、幅広い審査プロセスの一環として、潜在的な従業員またはボランティアの犯罪歴を審査するプロセスを指す。
日本版DBSもありますが、これはイギリスで2012年に導入、業務が開始されたDBSを参考にしています。子どもと接する仕事に従事する人の犯罪歴の有無を確認する制度です。
vetを使った例文
ここまで、名詞と動詞のvetをみてきました。おさらいの意味でも、ここでvetの例文を紹介しましょう。
vetの例文紹介
訳)私は特に、農場の動物たちを専門とする獣医になることを決意した。
訳)獣医は、牛や羊など家畜を含む動物の世話をする専門家です。
動物たちの治療や健康管理を行なう専門職がvetであることが分かりました。馬の獣医師はequine vetになります。
訳)獣医が、ウサギの怪我を診察してくれます。
訳)本日午後、予算を精査するための重要な会議が開かれる予定です。
イギリスでvetになりたい!
動物好きで海外に目を向けている人は、イギリスで獣医になる夢を持つことがあるかもしれません。本記事最後は、イギリスで獣医になるための条件やカレッジの紹介をしましょう。
大学で獣医学を学ぶ
イギリスには、British Veterinary Association(BVA)という協会があります。ウェブサイトから、獣医になるための方法をみてみましょう。
「イギリスで獣医になるための第一歩は、大学で獣医学を学ぶことです。獣医学のコースは通常、修了までに5~6年かかります。」
獣医学のコースは実践と理論の教育が組み合わされています。
参考:British Veterinary Association
英国王立獣医外科医大学
国内に11校ある獣医学を学ぶ大学の一つに、英国王立獣医外科医大学と呼ばれるThe Royal Veterinary College(RVC)があります。RVCはなんと1791年に設立されました。1949年にロンドン大学に加わり、英国最古かつ最大の獣医学校となっています。
獣医になるのは並大抵ではありませんが、動物に触れて病気や怪我を治してあげたい情熱を持つ2,500名以上が学んでいます。このコースに進むには、生物、化学や数学などである一定の結果を出し、大学入学に関する試験A-levelで高い成績を出さなければ入学できません。
参考:The Royal Veterinary College
まとめ
vetはanimal doctorであり「獣医」「獣医師」の意味です。動詞では「獣医として働く」「獣医診断を行なう」に加えて、情報などを「精査する・慎重に調べる」としてもvetが使えることが分かりました。
可愛いペットを飼っている方はもちろん、doctorと同様に大変大切な職業vetをこの機会にぜひ覚えましょう。
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