「英語で何て言う?」コーナー、今回は「bad」の使い方です。
「bad」は、英語で「悪い」を意味する形容詞ですが、どんなシチュエーションで使うのでしょうか。「悪い」というと、日本語ではネガティブなイメージばかりが付きまといますが、英会話の中では、必ずしもそうではありません。
今回は、「bad」の基本的な使い方から、知っていると会話の幅が広がる表現などを紹介します。
「bad」の基本用法
「bad」は、「good」(良い)の反意語であり、一般的に「悪い」ということを表す意味の広い単語です。「bad」を使った表現の例としては、「bad news」(よくない知らせ)、「a bad dream」(いやな夢、悪夢)、「a bad boy [girl]」(悪い子)などがあります。
基本的な用法
まず基本的な用法として、具体的な文章の中ではどのように使われているのか例文を紹介します。
- Those children use bad language.「あの子どもたちは言葉遣いが悪い」
- The weather was very bad yesterday.「昨日は天気がとても悪かった」
- Smoking is bad for your health.「タバコを吸うのは健康によくない」
- She has a bad cold.「彼女はひどい風邪を引いている」
というように、様々なシチュエーションで「悪いこと」や「ひどさ」を説明できる便利な単語です。
比較表現
つづいて、「bad」の比較表現について紹介します。
「bad」の比較級は「worse」(より悪い)、最上級は「worst」(最も悪い)です。
「if worse comes to worst」で、「最悪の場合」という表現ができます。
慣用表現
他に、「bad」には、「下手な(苦手な)」という意味もありますので、押さえておきましょう。
「Tom is bad at math.」(トムは数学が苦手だ)は、「be bad at…」(…が苦手である)を使った表現で、「be poor at…」でも言い換えられ、「be good at…」(…が得意である)の反対の意味になります。
以上、「bad」の基本的な使い方と意味を確認しました。
次章では、同じ「悪い」という意味ももつ「wrong」との違いを解説します。
「bad」と「wrong」の違い
「bad」と「wrong」は、共に「悪い」という意味のある単語ですが、意味をしっかり理解して使い分ける必要があります。
まず、それぞれの反意語から意味を押さえましょう。「bad」の反意語は「good」(良い)、「wrong」の反意語は「right」(正しい)です。
つまり、同じ「悪い」と訳すことがある2つの単語ですが、厳密には、「bad」は「良くない」、「wrong」は「間違っている」を意味します。
では、「嘘をつくのは良くない」という場合、次の ( ) の中にはどちらの単語がふさわしいでしょうか。「It’s ( ) to tell a lie.」
正解は、「wrong」です。不適切なことや、基準を外れていることに対しては「bad」ではなく、「wrong」を使います。
さらに、以下の2つの文の意味の違いについて解説します。
- You are bad.
- You are wrong.
どちらの文章も聞き手に対して「悪い」と指摘していますが、微妙にニュアンスが変わります。「You are bad.」では、話し手の観点で、正しいかどうかは別として「悪い」と言っているのに対し、「You are wrong.」は、正しくないことに対して、「間違っている」と伝えています。
使い分けの難しい2つの単語ですが、基本的には、「bad」は、物事の状態が好ましくない場合、「wrong」は、何かが間違っている場合にそれぞれ使います。例文にたくさん触れて、感覚を身につけることが大切です。
「悪い」以外の意味をもつ「bad」
これまで、「悪い」という意味の「bad」の基本的な用法を解説してきました。本章では、そうしたネガティブな意味だけではなく、「bad」を使って相手の気持ちに寄り添ったり、自分の状態や考えを伝える表現を紹介します。
同調を表す「bad」
まず、悲しい話を聞いた時や同調を表す時、英語ではどのように伝えたらよいでしょうか。「I feel bad for you.」は、「あなたを気の毒に思います」という意味で、悲しみなどを共有していることを伝える表現です。
後悔や謝罪を表す「bad」
一方、「feel bad about…」は、「…のことで後悔する、気にする、残念に思う」という意味になり、後悔や謝罪の気持ちは含みますが、同情のニュアンスはないので使い分けに注意しましょう。
同情を表す「bad」
同様に、「That’s too bad.」(それはいけませんね、それはお気の毒(残念)です)を使って、以下のような病気のケースや、失敗、不幸なできごとが起こった相手や第三者に対して同情する気持ちを表すことができます。
「先週はずっと風邪を引きっぱなしでした」
「それはお気の毒に」
ポジティブな意見を表す「bad」
次に、日常的に挨拶代わりに「How are you? 」と聞かれた場合に使う「bad」です。「not bad = not so [too] bad」と答えると、「まあまあ」や「なかなかよい」という意味になり、どちらかというとポジティブなニュアンスで使われることが多い表現です。
さらに、「The concert was not bad.」と言うと、良くも悪くもなかったという感想かと思われがちですが、「コンサートはなかなかよかった」というポジティブな意見を伝えています。
このように、「bad」は、「悪い」という意味以外でも、日常会話の中で頻繁に使えます。表現の幅を広げられますので、覚えておくとよいでしょう。
「bad」の応用表現
最後に、「bad」 を使った応用的な表現を2つ紹介します。
「go bad」を使うと、食べ物などが悪くなっている状態を表現できます。「The meat has gone bad.」(肉が腐っている)のように、継続を表す現在完了形で使われることが多いです。
同様に、「go」と「bad」を使う表現で、「go from bad to worse」があります。「さらに悪化する」という意味で、「I’m afraid that things are going from bad to worse.」(状況はますます悪くなるだろう)のように使うことができます。
まとめ
今回は「bad」の基本的な意味と使い方から、応用表現までたくさん紹介しました。
日常生活で使える便利な表現がたくさんあったと思います。ぜひ会話の中に取り入れてみてくださいね。
では、次回をお楽しみに!
引用文献:アンカー大人のための英語学習辞典 2016年12年20日初版第1刷発行 株式会社学研プラス