「記念」は読み下すと「念を記す」、あらためて見ると非常に良い言葉ですよね。
私たちは日々、記念日や記念品など多くの「記念」に囲まれて暮らしていますが、それら「記念」を英語で何と表現するか知っていますか?
ということで、今回のテーマは「記念」です。
記念を表す英語には2種類あり、それぞれに表す意味が異なります。この記事では、それぞれの違いについてはもちろん、具体的な使い方や代表的な慣用表現なども含めて詳しく解説していきます。これを読めば、英語での記念に関する表現はバッチリです。
それでは、早速始めていきましょう!
「記念」は英語で何て言う?
日本語の「記念」に相当する英語は “anniversary” と “memorial” の2つです。
anniversary は特に「記念の日付」を、memorial は「記念の物事」を表す際に使われます。
どちらも「アニバーサリー」「メモリアル」と、日本のカタカナ英語でも聞き覚えがある単語ですが、日本語での意味とは少々異なっているので、使い方には注意が必要です。
以下で、それぞれ詳しく確認していきましょう。
記念を表す英語①:anniversary
“anniversary” は1年に1回やってくる記念日を表します。
「アニバーサリー」というカタカナ英語でも広く使われているので、聞き馴染みが多い人も多いでしょう。ただし、発音記号は「`ænəvˈɚːs(ə)ri」なので、より正確には「アナヴァーサリー」とする方が近いです。
anniversary は「annus(1年)+vertene(回る)」から来ており、その原義通り1年をグルッと回って再度訪れる特定の日付のことを意味します。
anniversary = めでたい日とは限らない?
日本人の私たちにとって「アニバーサリー」と聞くと、結婚記念日や創立記念日など、おめでたい日を指す言葉であるイメージが強いですよね。
しかし、anniversary は必ずしもめでたい記念日を表すとは限りません。ある人物が亡くなった「命日」や、事件や事故、災害などが起こった「あれから〇〇年」といった厳粛な記念日もまた anniversary で表されます。
「1周年」「2周年」など、記念日の数え方
ある出来事から1年が経過したら「1周年(1番目の記念日)」、2年が経過したら「2周年(2番目の記念日)」と、記念日は毎年順番に数を増していきます。そのため、英語で「〇周年」を表す際は、以下表のように”序数 + anniversary” で表現します。
日本語表記 | 英語表記 | 英語表記(略称) |
1周年 | first anniversary | 1st anniversary |
2周年 | second anniversary | 2nd anniversary |
3周年 | third anniversary | 3rd anniversary |
4周年 | fourth anniversary | 4th anniversary |
5周年 | fifth anniversary | 5th anniversary |
10周年 | tenth anniversary | 10th anniversary |
20周年 | twentieth anniversary | 20th anniversary |
序数を略称で表す際、何でも「〇th」としてしまいがちですが、表にある通り 1st や 2nd など、必ずしも th が付くとは限らないので注意しましょう。
いろいろな「〇〇記念日」
anniversary だけだと何の記念日なのかが伝わらないこともあるので、「結婚記念日」や「創立記念日」、「命日」などの「〇〇記念日」を具体的に表す方法も確認しておきましょう。
結婚記念日 in English
結婚記念日は英語で “wedding anniversary” と言います。
特に、お祝いをする場合は以下のように happy を添えることが多いです。
Happy our 10th wedding anniversary!
訳)結婚記念日おめでとう!
Cheers!
訳)乾杯!
創立記念日 in English
創立記念日は英語で “founding anniversary”、あるいは “anniversary of the founding” と言います。
特に「〇〇の創立記念日」と言いたい場合は、”〇〇’s founding anniversary” とするか、”anniversary of the founding of 〇〇” とするのが一般的です。
We have a party on our company’s founding anniversary every year.
訳)私たちは毎年、会社の創立記念日にパーティーを開いてきます。
結成記念日 in English
バンドなどの結成記念日は、”anniversary of the foundation of 〇〇”、”anniversary as 〇〇”などと表現します。
foundation は「結成」という意味なので、anniversary of the foundation of 〇〇 は「〇〇の結成の記念日」という直訳調です。一方 as は「~として」という意味なので、anniversary as 〇〇 は「〇〇としての記念日」というニュアンス。
ただ、文脈さえあれば anniversary 単体でも「結成記念日」という意味で十分通じるため、使用頻度は他の例ほど多くありません。
Let’s celebrate the anniversary of the foundation of our group!
訳)私たちのグループ結成記念日を祝いましょう!
命日 in English
命日は英語で “death anniversary” 、あるいは “anniversary of one’s death” と言います。
ただし、日本の命日の数え方は独特なので、英語で表現する際は少し注意が必要です。
「一周忌」の場合は亡くなった翌年を表すため first death anniversary などとすればOKですが、三回忌は亡くなった年も含めて3年目、つまり亡くなった2年後を表すので second を添えます。third を添えてしまうと「四回忌」という存在しない法要を表すことになってしまいます。
ちなみに、七回忌の場合も同様の考え方で sixth death anniversary(six anniversary of one’s death)とします。
Today is the third death anniversary of my grandmother.
訳)今日は祖母の三回忌です(と言っているつもり)。
I see. It’s uncommon.
訳)なるほど、(四回忌を催すとは)珍しいですね。
記念を表す英語②:memorial
“memorial” は何かの記念となる物事を表します。
“memorial 〇〇” の形で使うこともありますが、memorial 単体で名詞として使うことも多々あります。
小さい物なら「記念品」、大きければ「記念碑」や「記念像」、建物なら「記念堂」といった具合です。また、形の無い「こと」でもOKです。
memorial ≠ メモリアル?
英語の memorial は、ほとんどの場合「死者」のことを意味します。そのため、日本では、人気のアーティストが引退する際に「引退メモリアルコンサート」などと言いますが、英語で ”memorial concert” と言った場合は「追悼コンサート」という意味に響くので注意しましょう。
There was a memorial concert of my favorite rock band yesterday.
訳)昨日、私の好きなロックバンドの記念コンサートがあったんだ。
Really? Is someone dead in the band?
訳)そうなんだ、誰か亡くなってるの?
Huh?
訳)えっ?
Huh?
訳)えっ?
memorial は memory(記憶)が語源です。そのため、「亡くなった人のことを意識的に記憶に刻み付ける」というニュアンスで、memorial は死者のことを意味するようになったのだと推測されます。
その他、memorial を使った慣用表現には以下のようなものがあります。
英語 | 日本語 |
memorial service | 追悼式(告別式)、慰霊祭 |
memorial park | 共同墓地 |
Memorial Day | 戦没将兵追悼記念日
※アメリカの祝日 |
まとめ
今回は、「記念」を表す英語表現を確認してきました。
記念の日付を表す場合は anniversary、記念の物事を表す場合は memorial が適切です。どちらの単語も、日本で使われるカタカナ英語とは意味が異なるので、使い方には注意しましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!