英語の文章を読んでいて”won’t”という英語を見かけたことはありませんか?

don’tやcan’tはよく見かける英語ですが、won’tにはあまり馴染みがない人も多いでしょう。

また、won’tはその発音から、「〜を求める」を意味する”want”と混同してしまいがちです。

この記事では、そんな”won’t”について、その意味や使い方、そして混乱しやすいwantとの発音の違いについても紹介します。

I won’tってどんな意味なの?

I won'tってどんな意味なの?

”I won’t”は、”I will not”を短縮した形です。

なので、”I won’t”は”I will not”を意味するので「私は〜しないだろう」という意味になります。

ちょうど、”I do not”を”I don’t”と、”I have not”を”I haven’t”と、”I can not”を”I can’t”と、”He does not”を”He doesn’t”と省略して表現するのと同じですね。

won’tはdon’tやcan’tなどと同様、話し言葉(口語表現)でよく使われる表現で、少し砕けた(カジュアルな)英語表現だと言えます。

【例文】

  • I won’t forget your kindness; I’ll always be grateful to you.
    親切にして頂いたことは忘れません。いつも感謝しています。
  • I won’t skip breakfast; it’s the most important meal.
    朝食は抜きませんよ。食事の中で一番大事ですから。
  • I won’t eat sushi; I’m allergic to seafood.
    私はお寿司を食べません。海産物アレルギーなので。

won’tの発音は?

won’tの発音はそのまま「ウォント」と言います。

「〜を求める」を意味する”want”と似た発音ですね。

won’tとwantの発音は、厳密に言えば違いがあるのですが、日本人がwon’tとwantの発音を的確に聞き分けて瞬時に判断するのは大変難しくので、文脈から判断したほうが現実的です。

won’tとwantの発音の違いを挙げるなら、「ウォ」の音の長さと、「ト」の発音の短さにポイントがあります。

「ウォ」の音については、won’tがカタカナの表記の通り「ウォント」と発音されますが、wantの方は「ウォーント」と少し「ウォ」を伸ばしたように発音されます。

また「ト」の音については、won’tのtが、場合によっては聞こえないくらいの弱い発音になります。対してwantのtはハッキリと「トゥッ」と発音されます。

”won’t be long”はどういう意味?

”won’t”の表現を見かける機会として、音楽の歌詞などで”won’t be long”というフレーズで見かけることが多いです。

”won’t be long”は直訳すると「長くはならないだろう」となり、転じて「まもなく」や「もうすぐ」という意味でも使われます。

移動中に「もうすぐ着きますよ」と言ったり、他にも「お仕事はそんなに長くかかりませんよ。」といった言い方もしますよ。

【例文】

  • The meeting won’t be long; it’s just a quick update.
    会議は長くはかかりません。ちょっとした情報共有だけです。
  • The repair won’t be long; the mechanic is very efficient.
    修理は長くはかかりません。整備士がとても優秀なので。
  • He won’t be long in the shower; he’s a quick bather.
    彼のシャワーは長くはかかりませんよ。彼はカラスの行水で済ませるので。

”wouldn’t”と”won’t”にはどんな違いがある?

won’tに似た表現として、”wouldn’t”が挙げられます。

”wouldn’t”は”would not”の短縮形で、wouldがwillの過去形ですので、英文読解で見かけたときや、英会話中で使おうとするときにwouldn’tとwon’tが混乱してしまいがちです。(今これを書いている筆者もそうです)

確かにwouldn’tとwon’tは、同じwillが変化した形であることや、否定を表す略語表現であることから似通った部分も多いです。

しかし同時に、wouldn’tとwon’tには意味や使われ方に大きな違いも持っています。

それぞれの意味、使い方を比較して、違いを見ていきましょう。

Wouldn’tの意味と使われ方

Wouldn'tの意味と使われ方

“wouldn’t”は、”will not”の過去形で、以下の意味で使われます。

  • 過去の状況や条件を表す
  • 丁寧な断りの表現

例えば…

Aさん
I wouldn’t go there if I were you.
訳)私ならそこに行かないでしょう。

上のような意味で”wouldn’t”を使った場合、wouldn’tは「過去の状況」や「仮定」を表しています。

もしくは…

Aさん
Wouldn’t you like some tea?
訳)お茶をいただきませんか?

上のような意味で”wouldn’t”を使った場合、wouldn’tは「丁寧な申し出」を意味しています。

won’tの意味と使われ方

“won’t”は、”will not”の短縮形であり、以下の意味で使われます。

  • 未来の出来事を否定するとき
  • 意思の表明や確信を示すとき

例えば…

Aさん
I won’t be able to attend the meeting tomorrow.
訳)明日の会議に出席できません。

上のような意味で”won’t”を使った場合は、「未来の出来事の否定」を意味しています。

また…

Aさん
She won’t tell anyone our secret.
訳)彼女は誰にも私たちの秘密を話さないでしょう。

上のような意味で”won’t”を使った場合は、「〜しないだろう」という「確信」を意味して使われています。

wouldn’tとwon’tの違い

上述したwouldn’tとwon’tの意味と使い方を比較しながら、それぞれの違いを見てみましょう。

時制

”wouldn’t”はwill notの過去形ですから、過去の状況や条件に基づいて、否定の表現で使われます。(〜しなかっただろう)

対して”won’t”はそのまま”will not”の省略表現なので、未来の出来事を否定するときに使われます。(〜しないだろう)

仮定法での使い方

“wouldn’t”の形では「仮定法」の形で使われることがあります。「(もし〜だったら)〜しなかっただろう」と仮定の話をする時にも使われるわけですね。

対して”won’t”は未来の出来事を表すので、現実に起きている事実に基づいて「〜しないだろう」という未来の判断をする意味で使われます。

まとめ

この記事では、”will not”の短縮表現である”won’t”についてお伝えしました。

ここまでお読みのあなたは、won’tの使い方からwantとの発音の違い、そして紛らわしいwouldn’tとの違いをしっかり把握しているでしょう。

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語表現をより豊かにできれば幸いです。