日本語では普段の会話でよく「しつこい」という言葉を使いますよね。

「しつこい」は便利な言葉の一つで、一言でさまざまな意味を表現できます。
たとえば、「メールがしつこい」「汚れがしつこい」「味がしつこい」などは、同じ「しつこい」でもニュアンスが異なるでしょう。

このような「しつこい」を英語で表現したい場合、何と言うのでしょうか。

ただ、英語では日本語の「しつこい」のように、一言で幅広い意味を表現できる単語は英語にはないため、どのような意味合いなのかによって表現を使いわける必要があります。

そこで今回は、「しつこい」の英語表現を解説します。ぜひ参考にしてください。

「しつこい」の意味は3種類に分けられる

そもそも「しつこい」にはさまざまな意味がありますが、3つの意味に大別できます。

 迷惑に感じるほどつきまとう、何度も同じことを繰り返す→メールがしつこい、しつこく質問するなど
 飽きていやになるほど一つのことを繰り返す→しつこい汚れ、しつこい風邪
 味・匂いなどが濃厚・脂っこい→味がしつこい、匂いがしつこい

以上の3つです。どれもよく使う表現ではないでしょうか。

それぞれニュアンスは異なるものの、「しつこい」のコアイメージは「くっついて離れない」だと言えるでしょう。

「しつこい」は英語で?意味によって表現を使い分けよう

日本語の「しつこい」の意味について解説しました。

英語では先ほど解説した「しつこい」の3つの意味をまとめて表現できる単語がないため、意味によって表現を使い分ける必要があります。

何度も同じことを繰り返す

「しつこい」は英語で?意味によって表現を使い分けよう

「何度も同じことを言われる」「繰り返し同じ内容のメールがくる」などに使われる「しつこい」の英語表現を解説します。

persistent

persistentは「しつこい」「頑固な」という意味で使われる形容詞ですが、「根気強い」「粘り強い」というポジティブな意味でも使われる表現です。

Aさん
You are a persistent person.
あなたはしつこい人です。
Aさん
He is being persistent about this case.
彼はこのケースに固執しています。
Aさん
He is famous for having a persistent character.
彼は性格がしつこいことで有名です。
Aさん
He is a persistent person.
彼は粘り強い人です。

insistent

insistentも「しつこい」という意味を表現できますが、「強要する」「せがんで」「主張して」などの意味もあります。

そのため、insistentを使って「しつこい」を表現する場合は、人に何かを押し付けているようなニュアンスを含みます。

Aさん
My daughter was insistent on seeing him.
娘はどうしても彼に会いたいと言って聞かなかった。
Aさん
He was insistent on taking the train home.
彼は電車で家に帰ると言って聞かなかった。

annoying

「迷惑な」「うるさい」「うっとうしい」などの意味で使われる形容詞のannoyingも、「しつこい」という意味合いで使われることがあります。

Aさん
Isn’t that annoying?
しつこくない?
Aさん
It’s really annoying.
本当に迷惑(しつこい)。

一つのことを繰り返す

一つのことを繰り返す

どんなに掃除しても落ちない汚れや、風邪がなかなか治らないなど、「頑固な」「ずっと同じ状態が続く」といった場合にも「しつこい」という言葉を使いますよね。

can’t get rid of・can’t come off

「get rid of」=「取り除く」という意味なので、can’tを付けると「can’t get rid of」=「取り除けない」となってしつこい汚れやゴミなどが落ちない様子を表現できます。

また、「come off」=「はがす」という意味があり、can’tを付けると「can’t come off」=
「はがれない」様子を表現できます。

Aさん
I can’t get rid of a cold.
風邪が治りません。
Aさん
I can’t get rid of the stain.
汚れを落とすことができません。
Aさん
This is a stain which can’t quite come off.
この汚れはなかなか落とせません。

won’t go away

風邪がなかなか完治しないときなど、「よくならない」というのを表現するときに使える表現が「won’t go away」です。
「go away」は「立ち去る」という意味なので、否定形で「won’t go away」とすると「立ち去らない」→「(状態や症状などが)よくならない」となるのです。

Aさん
The headache won’t go away.
頭痛がしつこい。(よくならない)

stubborn

stubbornは「頑固な」「強情な」「不屈の」などの意味があり、汚れや風邪などが頑固な様子に加え、人に対しても使われます。

Aさん
She is stubborn.
彼女は頑固です。
Aさん
I have caught a stubborn cold.
私はしつこい風邪をひいてしまった。
Aさん
I want to erase the stubborn stain on my face.
わたしは顔にある頑固なシミを消したいです。

料理の味が濃い、重い、脂っこい

「しつこい」の意味は3種類に分けられる

料理の味が濃すぎた、脂っこい料理を食べて胃もたれしそうになる様子に対しても「しつこい」という表現が使われますよね。

heavy

一口に味がしつこいといってもさまざまなニュアンスがあり、中でも「くどい」というニュアンスを表現したいときはheavyという形容詞を使います。

味を表現するときにheavyを使うと、「くどい」「胃にもたれるような」ニュアンスとなります。

Aさん
I think the sauce is too heavy.
わたしはこのソースの味がしつこい(くどい)と思います。

greasy

揚げ物や脂の乗ったお肉など、脂肪分が多く胃もたれする、気持ち悪くなるときに使える表現がgreasyです。
そのため、単純に味が濃い、濃厚という場合ではなく、脂っこい料理を食べた時のしつこい様子を表現するときに使いましょう。

greasyは「脂っこい」「脂ぎった」などの意味があり、料理が脂っこい様子だけでなく、態度や口調がお世辞っぽい、皮膚や脂ぎっている様子などにも使われます。

Aさん
This food is greasy.
この食べ物は脂っこいです。
Aさん
Greasy food sits heavy on me stomach.
脂っこい食べ物は胃もたれします。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「しつこい」の英語表現について解説しました。

persistentやinsistentは「しつこい」と否定的な意味で使うこともあれば、「persistent=粘り強い」、「insistent=主張が強い」と肯定的に使えることもあります。

ただ、「うざい」「迷惑」というニュアンスの強いannoyingはしつこいの中でもネガティブな印象が強い表現となります。

単純に「しつこい」の英単語を暗記するだけでなく、単語ごとのニュアンスの違いや使うシーンもチェックしてみてくださいね。