「思いやり」というのは日本人の中に浸透している概念と言えるでしょう。

たとえば、電車に乗るときに早く列に並んでいる人がいたら割り込みをしない、公共交通機関の中では大きな音を出さないといった行動は当たり前のように浸透していますよね。

挙げだしたらキリがありませんが、このように「思いやり」を重んじる日本人だからこそ、当たり前のマナーとなっていることも多くあるのです。

そこで今回は、日本らしい概念である「思いやり」の英語表現について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

「思いやり」という言葉は英語にない?

日本人の多くは潜在的に他人を思いやる心を持っているのではないでしょうか。

当たり前だと考えていることが「思いやりの心」からきており、海外の人から驚かれることも少なくありません。

たとえば、日本のトイレは世界トップレベルで清潔とされていますよね。それは次に使う人のことを考えている、掃除をしてくれるスタッフの方のレベルが高いなどさまざまな要因がありますが、どれも自分以外の人が使うことを考えているからでしょう。

そのほか、街にゴミが落ちていない、お店の商品の陳列が見やすいといったことも、他人を思いやる気持ちを大切にしているからだといえます。

日本では当たり前のように浸透している「思いやり」という概念は深い意味があるため、英語でそのまま直訳することはできません。

ただ、どのような気持ち・ニュアンスなのかによって、近い意味を英語で表現することは可能です。

「思いやり」は英語で?押さえておきたい5つの英語表現

「思いやり」は英語で?押さえておきたい5つの英語表現

「思いやり」は一言でさまざまな意味を表現できる便利な言葉です。

ただ、日本語の「思いやり」とイコールになる英単語がないため、どのような思いやりなのかによって単語を使い分けなければなりません。

そこで、「思いやり」を英語で表現するときに使える5つの単語を解説します。

consideration

considerationは「よく考えること」「熟慮」「考慮」「思いやり」などの意味がある名詞です。

considerationを使って表現される思いやりは、「“人のことをよく考慮してから行う”思いやり」というニュアンスがあります。

ちなみに、形容詞はconsiderateで「思いやりがある」、否定の接頭辞「in」をつけてinconsiderateにすると「思いやりがない」という意味になります。一緒に覚えておきましょう。

Aさん
I think that your consideration is great.
わたしはあなたの思いやりがすばらしいと思います。

compassion

compassionという名詞を使って思いやりを表現するケースもあります。

compassionの意味は「同情心」「哀れみ」です。ラテン語で「com=ともに」、「passion=痛み」という意味があり、compassionで「同情心」「哀れみ」となるのです。

つまり、compassionを使って「思いやり」を表現する場合、相手の苦痛や悲しみを思いやるシチュエーションで使われます。

Aさん
The girl ‘s heart melted with compassion.
女の子の心は思いやりによって和らぎました。

kindness

kindは「親切な」「優しい」という意味の形容詞なので、名詞のkindnessも同じような意味で「親切」「いたわり」「優しさ」と訳されます。

つまり、優しさからくる思いやりにはkindnessが使われるのです。

Aさん
I shall never forget your kindness.
わたしはあなたの優しさ(思いやり)を忘れません。

caring

caringは名詞で「世話」「介護」という意味あり、そこから「世話をする」→「優しさ」「思いやり」という意味でも使われる単語です。

Aさん
She has become able to have caring feelings.
彼女は思いやりの心を持てるようになった。

thoughtfulness

thoughtfulnessは名詞で「思いやり」「心遣い」という意味があります。

thoughtfulnessの思いやりは、物事を慎重に考えて正しい判断をするというニュアンスがあります。思慮深いというのが近いニュアンスでしょう。

Aさん
I greatly appreciate your thoughtfulness.
あなたの心遣いに感謝します。

「思いやり」に関連する英語表現

「思いやり」に関連する英語表現

「思いやり」の5つの英語表現を紹介しました。単語によってニュアンスの違いがあるため、どのような意味の思いやりなのかによって使い分けできるといいですね。

ここでは、「思いやり」に関連する英語表現を紹介します。

思いやりがある

「思いやりがある」というのは複数の表現があります。

Aさん
He is considerate.
彼は思いやりがある。
Aさん
He is considerate of others.
彼は他人に思いやりがある。

これは先ほど紹介した名詞のconsiderationではなく、形容詞の「considerate:思いやりのある」を使った表現です。

Aさん
He is very thoughtful.
彼はとても思いやりがある。
Aさん
He has a warm heart.
彼は思いやりがある。

これは「思いやり」という直接的な意味を表現する単語が含まれていませんが、「warm heart=温かい心」→「思いやり」と解釈できます。

お気遣いありがとうございます

相手が気遣いをしてくれたときは、感謝の気持ちを伝えたくなりますよね。

もちろん「Thank you.」だけでも感謝の気持ちは伝わりますが、ちょっとした工夫で何に感謝しているのかも伝えられるようになります。

Aさん
Thank you for being so considerate.
お気遣いありがとうございます。
Aさん
Thanks for your concern.
お気遣いありがとうございます。

concernは「~に関係している」「心配をしている」といった意味があり、相手を気にかけている様子の「思いやり」を表現できます。

お心遣いに感謝します

より丁寧な形で、心遣いや思いやりに対して感謝を表現したいときは、以下のフレーズを終えておくと便利です。

Aさん
Thank you for your consideration.
お心遣いに感謝します。
Aさん
I appreciate your thoughtfulness.
あなたのお心遣いに感謝申し上げます。

「Thank you」と「appreciate」はどちらも感謝の気持ちを伝えるときの定番ですが、appreciateの方がフォーマルな印象があります。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「思いやり」に関する英語表現を紹介しました。

「思いやり」にはさまざまな意味が含まれているため、英語ではどのような思いやりの感情なのかによって複数の単語を使い分ける必要があります。

単語が多すぎて混乱する場合は、馴染みのある単語のkindnessや基本のconsiderationから覚えてみてください。

また、相手の気遣いに対し、きちんと感謝の気持ちを伝えられれば信頼関係を築けるでしょう。「Thank you.」だけでも感謝の気持ちは伝わりますが、「Thanks for your concern.」などのフレーズもぜひ活用してみてくださいね。