新型コロナウイルスが流行して間もないころは、「マスク不足」「トイレットペーパー不足」などが深刻な問題となりましたよね。

このような何かが「不足する」という事態は予想していない形で発生するケースが多くあります。また、「人手不足」「電力不足」といった言葉もニュースなどで耳にしますね。

では、「不足」「足りない」は英語で何と表現するのでしょうか。意外と言葉が思い浮かばない方が多いでしょう。

そこで今回は、「不足」の英語表現について解説します。日常会話で使える表現をたくさん紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「不足」の英語表現

「不足」の英語表現

「不足」というのは便利な言葉で、たった一言でさまざまなシチュエーションを表現できます。

しかし、英語には日本語の「不足」のように幅広い意味を一つの単語で表現できるものがありません。そのため、 “どのように不足しているのか” によって適切な表現の使いわけが必要です。

not enough

「十分」という意味のenoughに否定のnotと付け加えて「not enough=不足」と表現できます。ネイティブも日常的によく使う表現です。

「十分な」という意味のenoughが元になっているため、不足の中でも「十分ではない」というニュアンスがあります。

つまり、全くないというよりかは「時間が足りない」「お金が足りない」「情熱は足りない」など、ゼロではない不足の状態を表現するときに用いられます。

Aさん
There is not enough money
お金が足りないです。
Aさん
I don’t have enough ability to focus.
わたしは集中する能力が足りないです。

shortage

shortageは「不足」「払底」という意味の名詞です。形容詞のshortが名詞になるとshortageになります。

形容詞のshortと聞くと、「短い」「近い」という印象が強いかもしれませんが、“平均値・基準値・期待値に届かない“というのがコアイメージです。そのため、長さが値に届かないときは「短い」、数量が値に届かないときは「足りない」という意味で用いられるのです。

そんなshortが名詞になるとshortageになるので、「不足」を表現できます。とくに需要に対して供給が追い付いていないときに用いられます。

・toilet paper shortage:トイレットペーパー不足
・mask shortage:マスク不足
・staff shortage:人手不足
・power shortage:電力不足

Aさん
The shortage of energy is the problem.
エネルギー不足が問題となっています。
Aさん
There was a serious shortage of snow this winter.
この冬は深刻な雪不足でした。

 

short

先ほど簡単に解説しましたが、shortのコアイメージは“平均値・基準値・期待値に届かない“です。

そのため、shortは長さが値に届かないときは「短い」、数量が値に届かないときは「足りない」という意味で用いられます。つまり、基準となる値を満たせないときはshortを使って「足りない」を表現するとよいでしょう。

Aさん
The sum is 100 yen short.
合計で100円不足しています。
Aさん
We’ve run short of money.
わたしたちは資金不足です。

lack

lackは「欠乏」「不足」の中でも、必要としているものの不足、望ましいものの不足を表現できます。

また、名詞と動詞があり、異なる品詞でもlackという形は変わりません。よく使うフレーズが以下の通りです。

【名詞のlack】
・lack of 〜:~不足

Aさん
You should excuse his lack of experience. He is only a child.
彼の経験不足は許してあげるべきです。彼はまだ子供です。

【動詞のlack】
・be lacking in:~が不足している

Aさん
He is lacking in experience.
彼は経験が不足しています。

understaffed

シーンが限定されますが、人手不足というのを表現するときはunderstaffedを使って表現することも可能です。主に従業員が不足しているときに使われる表現で、少しフォーマルな印象があります。

understaffは「人手不足になる」、understaffedは「人手不足の」という意味です。

Aさん
My company is understaffed now.
わたしの会社は人手不足の状況です。

shorthanded

shorthandedも「人手不足の」という意味の形容詞です

shorthandedは、先ほど紹介したunderstaffedよりもカジュアルな印象のある表現です。従業員の限らず、何かのグループの人数が足りなかったり、スタッフの人数が足りなかったりと、幅広い人手不足のシーンで用いられます。

Aさん
They were shorthanded at the volunteer group, so I was very welcome.
そのボランティア団体は人手不足だったので、わたしはとても歓迎されました。

「不足」に関連する英語表現

「不足」に関連する英語表現

さまざまな「不足」「足りない」に関する英語表現を解説しました。

ここでは、「寝不足」「実力不足」など「不足」に関連する表現を紹介します。

寝不足

試験前や仕事が忙しくて、寝不足になることもありますよね。

「get enough sleep」は「十分な睡眠をとる」という意味なので、この表現を否定形にすると「not getting enough sleep」で「寝不足」と表現できます。

Aさん
Are you all right? You look very tired.
大丈夫?疲れているように見えるよ。
Bさん
Well, I’m tired every day. I’m not getting enough sleep lately.
そうだね、毎日疲れているよ。最近ずっと寝不足で。

実力不足

実力は必要としているものの不足、望ましいものの不足を表現するlackを用いて表現します。

「lack of ability=実力不足」となりますね。

Bさん
I realized my lack of English ability.
わたしは英語力の足りなさを自覚しました。

食糧不足

食糧不足は需要に対して供給が追い付いていないときの不足を表すshortageを使って表現できます。

「食糧不足=food shortage」となりますね。

Aさん
The labor shortage in Japan caused a shortage of food too.
日本の労働力不足は食糧不足も引き落とします。

「labor force」は「労働人口」という意味です。

まとめ

いかがでしょうか。

今回は「不足」「足りない」の英語表現を解説しました。

英語には日本語の「不足」のように幅広い意味を一つの単語で表現できるものがないので、 “どのように不足しているのか” によって表現を使い分ける必要があります。

そのため、単語ごとのニュアンスの違いを理解し、どのようなシーンで使うのかを押さえておきましょう。

ぜひ今回の記事を参考に「不足」の英語表現を会話で活用してみてくださいね。