「〇〇会社プレゼンツ」や「プレゼンツバイ〇〇」という言葉を耳にしたことはありませんか?
イベントや番組、企画などの主催者を示す表現として、ビジネスシーンでよく使われていますよね。
「プレゼンツ」は、英語の”present”からきたカタカナ語ですが、正確な意味や使い方まではわからないという人も多いのではないでしょうか?
今回は、聞き慣れたカタカナ語「プレゼンツ」について、正しい意味と使い方、言い換え表現などを紹介していきます。
「プレゼンツ」の意味
「プレゼンツ」は、「提供する」「贈呈する」「主催する」を意味するカタカナ語です。
英語”present”(動詞)の三人称単数現在形”presents”が、カタカナ発音されて定着しました。
イベントや番組などの運営元や提供元、スポンサーなどを表すときによく使われます。
「提供」や「主催」は資金を提供している場合に用いられることが多いですが、「プレゼンツ」には、資金だけでなく企画やアイディアを提供するという意味も含まれます。
「プレゼンツ」の使用例
・ヤマハプレゼンツのピアノコンクール ・トヨタプレゼンツの試乗イベント ・ロッテプレゼンツの品評会 ・ユニクロプレゼンツの感謝祭 ・現役野球選手プレゼンツのスポーツ大会など |
”presents”の意味と用法
「プレゼンツ」は、動詞の”present”の三単現”presents”からきた言葉でしたね。
元になっている”present”には、動詞、名詞、形容詞の用法がありますが、”presents”となるのは、動詞と名詞の場合に限ります。
文脈によって使い方も解釈も異なるため、それぞれを正しく理解しておくことが大切です。
辞書で定義されている意味を改めて確認してみましょう。
【動詞 他動詞】
- (人に)(ものを)贈呈する、贈る
- (…を)(…に)提出する、差し出す
- (敬意などを)ささげる
- (人を)紹介する
- (…を)(…に)描く、描写する
- (劇を)上演する、(制作会社が)映画を提供する、公開する
- (俳優などを)出演させる
- (テレビやラジオ番組の)司会をする
- (人が)(…に)現れる、出頭する、出席する
- (機会などが)訪れる、(考えなどが)胸に浮かぶ
- (問題や状態などを)呈する、引き起こす
- (人に)(問題や機会などを)提供する
- (光景や様子などを)表示する、示す
- (武器などを)(…に)ねらいをつける、向ける
【名詞 可算名詞】
- 贈り物、プレゼント、みやげ、ギフト、寄付
参考:Weblio英語辞書
【verb】
- to give, provide, or make something known
何かを与える、提供する、知らせる- to introduce a television or radio show
テレビやラジオ番組を紹介する- to introduce a person
人を紹介する- to offer your thoughts, ideas, plans, etc., to others for them to consider
自分の考え、アイデア、計画などを他の人に提供し、検討してもらう- to give a bill, cheque, document, etc., to someone
請求書、小切手、書類などを誰かに渡す- if someone or something presents a problem, opportunity, etc., they create it
問題や機会を作り出す【noun】
- something that you are given, without asking for it, on a special occasion, especially to show friendship, or to say thank you
特別な機会に、特に友好を示すため、あるいは感謝の気持ちを伝えるために、頼んでいないのにかかわらず与えられるもの
”presents”は、動詞”present”に三単現の「s」がついた形で、「提供する」「提示する」「贈る」といった意味で使われる場合が多いです。
名詞では、”present”の複数形になり、いわゆる「誕生日プレゼント」や「クリスマスプレゼント」のような贈り物を表します。
”presents”の発音記号は /prɪˈzent/ で、「プリゼンツ」のように発音します。
「re」の部分をローマ字読みした「プレゼンツ」とは少し読み方が違うので注意しましょう。
”present”は、11世紀頃の古フランス語”presenter(提示する)と、ラテン語”praesentare”(見せる)に由来しています。
14世紀後半に「展示する、公開する、提供する、表示する」をはじめ、「代表する、描写する」という意味でも使われるようになりました。
英単語の意味が難しいときは、語源をさかのぼると成り立ちや変化の過程がわかるので覚えやすくなりますよ。
”presents”の例文
”presents”の使い方を動詞、名詞の用法別に紹介します。
例文を練習することで、英語本来の正しい使い方を習得していきましょう。
動詞としての”presents”
Daniel presents her with a signed copy of his book.
訳)ダニエルは、彼女にサイン入りの本をプレゼントしました。
Steven presents his ideas clearly and concisely.
訳)スティーブンは、自分の考えを明確かつ簡潔に述べています。
The company presents a three-act play today.
訳)その劇団は、今日3幕の芝居を上演します。
Mr. White presents a forceful and impressive speech.
訳)ホワイト氏は力強く印象的なスピーチを披露しました。
名詞としての”presents”
The children were excited to open their Christmas presents.
訳)子どもたちは、クリスマスプレゼントを開けるのが楽しみでした。
Ashley always gives thoughtful presents to her friends.
訳)アシュリーはいつも、友人に気の利いたプレゼントを贈ります。
My grandmother bought presents for my family during her trip.
訳)祖母は旅行中、わたしの家族にプレゼントを買ってきてくれました。
My parents gave me a watch as a graduation present.
訳)両親は、卒業祝いに腕時計をプレゼントしてくれました。
”presents”と”presented by”
「プレゼンツ」は、しばしば「プレゼンツバイ」と表記されることがありますが、これは文法的に正しくありません。
「プレゼンツ」の”presents”は、三単現のときに使われる表現です。
そのため、「プレゼンツバイ」は、受動態で使われる前置詞”by”をつけた過去分詞で、”presented by”とするのが正解です。
Mr. Smith presents this event.
= This event is presented by Mr. Smith.
訳)このイベントはスミスさんの企画です。
”presents”の言い換え表現
「提供する」や「贈呈する」の意味で使われる動詞”presents”は、ほかにもいろいろな英語で言い換えられます。
”presents”と似た意味を持つ英語の言い換え表現を3つ紹介します。
supported by
”supported by”は、「…の後援のもとに」という意味の英語です。
イベントや企画の支援を指しており、資金や人材などによる協力・協賛を表すときに使われます。
スポーツの試合のアナウンスで流れたり、会場の広告で表示されていたり、身近なところで目にすることの多い表現です。
The event was supported by ABC Publishing.
訳)このイベントはABCパブリッシングの後援で行われました。
sponsored by
”sponsored by”は、「…主催の」「…に出資を受けた」という意味の英語です。
会社や組織、団体などから資金提供を受けている、また出資してもらっているときなどに使われます。
The city has many social activities sponsored by churches and civic organizations.
訳)その街では、教会や市民団体の主催のコミュニティ活動も盛んです。
powered by
”powered by”は、「…によって運営される」「…によって提供される」という意味を表します。
技術やサービスの運営元や提供元を強調して示すときによく使われます。
This popular game is powered by an industry-leading gaming supplier.
訳)この人気ゲームは、業界を牽引するゲームメーカーが運営しています。
まとめ
カタカナ語「プレゼンツ」について、正しい意味と使い方、言い換え表現などを紹介しました。
「プレゼンツ」は英語”present”の三単現”presents”からきた言葉です。
「〇〇プレゼンツ」で使われている”presents”は、動詞として「提供する」や「贈呈する」などいろいろな意味を表します。
文脈や用法によって意味の異なる”presents”は、動詞、名詞それぞれを正しく理解しておくことが必要です。
いざというときに困らないよう、カタカナの「プレゼンツ」に惑わされず、英語本来の使い方を身につけていきましょう。
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