新しいテキストベース型のSNSとして、業界最大手のMetaから「Threads(スレッズ)」というアプリがリリースされました。

テキストベースのSNSというと、これまでは「Twitter(ツイッター)」一強の状態で、Twitterは2023年に”X”に改称しましたが、今後はこれら2つのアプリのどちらを使うか判断が問われそうです。しかし、ThreadsとX(旧Twitter)で何が違うかがわからず、どちらを使えばよいか迷っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ThreadsとX(旧Twitter)のどこに違いがあるのか、8つの観点から詳しく確認していきます。これを読めば、ThreadsとX(旧Twitter)それぞれの特徴が掴め、ニーズに合ったアプリを選べるようになりますよ。

それでは、さっそく始めていきましょう!

Threads(スレッズ)とは?

Threads(スレッズ)とは、2023年7月6日にサービスを開始したばかりの最新SNSです。その登録者数は初日で約3万人、リリース後数日で1億人を突破し、その後も驚異的な勢いで利用者数を増やしています。

Threadsという名前の由来は、英語で「糸」を表す “thread(スレッド)” です。SNS上でユーザー同士のコミュニケーションが糸のように繋がることから、このように名付けられたのでしょう。

そんなThreadsの運営会社は、Instagram(インスタグラム)やFacebook(フェイスブック)も有するMeta社です。Meta社はSNS界を牽引する存在として有名なので、今後Threadsがどのように成長していくか、多くの注目を集めています。Meta社はThreadsを開始することによって、Instagramとは異なるアプローチで、リアルタイムの近況や興味をテキストでシェアし会話を楽しめるサービスを提供することを目指したと考えられます。

X(旧Twitter ツイッター)とは?

Twitter(ツイッター)とは、アメリカ発祥のテキストベースのSNSです。2006年のサービス開始以降、世界中で利用者の数を増やしていて、現在では世界で数億人の人が利用する巨大SNSとなっています。

Twitterという名前の由来は、「鳥のさえずり」を意味する “tweet(ツイート、トゥイート)” で、現在でもアプリ内の投稿はツイートと呼ばれます。

ツイッターはもともと同名の Twitter社によって運営されていましたが、2023年7月からはX Corp.(エックスコープ)によって運営されており、Xという名前に改称しました。

Threads(スレッズ)とX(旧Twitter ツイッター)の違い

Threads(スレッズ)とTwitter(ツイッター)の違い

Threads(スレッズ)とX(旧Twitter  ツイッター)は、どちらもテキストベースのSNSですが、多くの点で違いがあります。

ここでは、代表的な9つの違いについて、詳しく確認していきましょう。Threadsの開設当時は違いがありましたが、その後改善された違いも含まれています。

違い①:投稿できる文字数

ThreadsとX(旧Twitter)は、投稿できる文字数に違いがあります。

まずTwitterの場合、無料アカウントだと最大140文字までという文字数制限があります。ツイートは「つぶやき」とも訳されることから、その投稿の短さが大きな特徴だともいえます。

その一方、Threadsは最大500文字までの投稿が可能です。そのため、今までX(旧Twitter)の140文字が短いと感じていた方にとっては、非常に使い勝手のよいSNSになるでしょう。

なお、Twitterの有料サブスクリプションである “Twitter Blue” の場合は、最大1万文字まで投稿可能です。日常的に使うにはオーバースペックかもしれませんが、商用利用などでは検討してもよいでしょう。

違い②:投稿できる画像の数

ThreadsとX(旧Twitter)は、一度の投稿に使える画像の枚数においても違いがあります。

X(旧Twitter)は最大で一度に4枚までの画像が投稿可能です。ただし、枚数が増えるごとにタイムライン上での画像サイズも小さくなり、4枚だと1枚の4分の1のサイズとなります。

その一方、Threadsでは一度で最大10枚までの画像が投稿可能です。これはInstagramと共通の仕様なので、Threadsは画像のシェアにおいては、Twitterより一歩先を行くといえるでしょう。

違い③:投稿できる動画の長さ

ThreadsとX(旧Twitter)は、投稿できる動画の長さにも違いがあります。

まずX(旧Twitter)の場合は、無料アカウントだと2分20秒(140秒)までの動画が投稿できます。有料のTwitter Blueだと60分に伸びますが、日常使用でそこまでの長さの動画を投稿するのは稀でしょう。

その一方、Threadsで投稿できる動画の長さは、最大5分です。これはInstagramに比べても長いので、今までTwitterやInstagramの動画投稿の長さにネックを感じていた人にとっては嬉しいポイントでしょう。

違い④:ダイレクトメッセージ(DM)機能の有無

X(旧Twitter)にあってThreadsにない機能の1つに「ダイレクトメール(DM)」があります。

DMとは、ユーザー間で直接やり取りできるメッセージ機能のことです。これを使うと、他のユーザーに知られることなく個人間や個人対企業間でコミュニケーションが取れます。

TwitterにはDM機能が付いており、知り合いとのやり取りや商用利用で非常に重宝されていますが、Threadsにはリリース時点でDMは搭載されていません。

しかし、Metaはリリース後にも適宜機能をアップデートしていくと発表しているので、今後ThreadsにDMが搭載される可能性も高いといえるでしょう。

違い⑤:ハッシュタグに対応しているかどうか

X(旧Twitter)にあってThreadsにない機能として「ハッシュタグ」に対応しているかどうかという問題がありましたが、2023年12月以降、どちらもハッシュタグに対応できるようになりました。

ハッシュタグとは、「#○○」と投稿に入れ込むことでリンク化され、同じハッシュタグの付いた投稿と関連づけられるシステムです。TwitterだけでなくInstagramやFacebookなどにも搭載されているため、SNSの基本仕様の1つと考えられています。

そんなハッシュタグは、Threadsで使えなかったのですが、不便に感じていた人も多かったでしょう。しかし、2023年12月以降、検索が可能となりました。

ハッシュタグ機能が追加されるまでは、関連する投稿を見つけるのに便利なハッシュタグ機能がなかったため、投稿に対するカテゴリやトピックの分類が困難でした。

しかし、2023年12月以降は、Threadsの検索でも、特定のハッシュタグを入れるとそれに関連する投稿を閲覧することができるようになりました。

違い⑥:キーワード検索できるかどうか

ThreadsとX(旧Twitter)は、検索システムにも違いがありました。

Twitterでは、各ユーザーのアカウント名だけでなく、ツイートに含まれるキーワードを抽出するキーワード検索もできます。興味のあるキーワードに関する投稿が一度に確認できるため、非常に便利な機能です。

その一方、リリース直後の時点では、Threadsはキーワードでの検索ができませんでした。先述の通り、ハッシュタグにも非対応でしたので、アカウント名での検索のみに対応していました。

しかし、同じMeta社のSNSであるInstagramも、リリース後しばらくはキーワード検索ができなかったのにできるようになったのと同様に、2023年12月以降に、Threadsでもキーワード検索ができるようになりました。

違い⑦:広告があるかどうか

X(旧Twitter)にあってThreadsにない存在として「広告」が挙げられます。

X(旧Twitter)では、所定の掲載費用を支払うことで、タイムラインや検索結果などに広告を載せられます。そのため、商用目的で利用する場合にも使いやすいSNSだといえるでしょう。

その一方、Threadsはリリース時点では広告非対応になっています。商用利用したい場合はデメリットといえますが、日常使用する人にとっては、広告に邪魔されずに使えるので大きなメリットだといえるでしょう。

Threadsの広告掲載についても、今後は方針が変更になる可能性があります。そのため、広告なしでゆったり使ってみたい人は、なるべく早めにThreadsをインストールしてみましょう。

Meta社が広告業界幹部らに2024年後期にはThreadsの広告枠を買えるようになる」との旨を伝えたらしく、Threadsが広告を導入する見込みと考えられています。

違い⑧:PCブラウザで利用できるかどうか

ThreadsとX(旧Twitter)は、利用できるデバイスにおいても違いが見られます。

まずX(旧Twitter)は、スマートフォン用のアプリはもちろん、PCブラウザからも利用が可能です。そのため、外出先ではスマートフォンから、会社などではPCからなど、臨機応変に使用できる点が魅力でしょう。

その一方、Threadsはリリース直後の段階でPCブラウザでの利用に対応していません。目的のユーザーのURLさえわかれば、投稿を読むことはできますが、それ以外の機能は制限されています。

おそらく、PC利用は商用目的が多いため、広告と同じ理由から非対応なのでしょう。先々で仕様変更される可能性もありますが、現状はスマートフォンやタブレットで使用するようにしましょう。

違い⑨:他のSNSとの連携

X(旧Twitter)にはないThreadsの特徴としては、他のSNSとの連携が挙げられます。

Threadsはリリース時点で、他のSNSと連携する「フェディバース」に対応することを表明しています。これにより、分散型SNSである “Mastodon(マストドン)” や “Misskey(ミスキー)” などとも今後連携され、相互アプリ間でのやり取りがスムーズにできるようになります。

X(旧Twitter)の場合は、現在のところフェディバースへの対応は発表されていません。まだ大きな違いには至っていませんが、今後SNSの分散化が進むと、ThreadsとX(旧Twitter)の使い勝手に大きな差が生まれるかもしれません。

Threads(スレッズ)とX(旧Twitter(ツイッター)の今後の展望

Threads(スレッズ)とTwitter(ツイッター)の違い

Threads(スレッズ)とX(旧Twitter(ツイッター)の9つの違いについて解説してきましたが、次に今後の展望について見ていきましょう。

Threads の展望

ThreadsをXの代替アプリとして見る向きもありますが、今後その独自性を発揮して、ますます顧客を増やして、独自の未来が切り拓いていけるのでしょうか。

女性ユーザーの獲得が見込める

Threads は、Instagramとは異なるアプローチで、リアルタイムの近況や興味をテキストでシェアし会話を楽しめるサービスを提供することを目指して立ち上げられました。最近は、Instagramを積極的に活用している女性がThreadsにも熱心に投稿しているというデータもあるので、Threadsには、女性ユーザーがもっと増えることが予想されます。

画像や動画を中心とした交流には Instagramを使用して、感情についての記入はテキストベースのThreadsを使用するという女性も増えていると考えられます。

アカウント登録が簡単

Threadsは、Instagramのユーザーであれば、Instagramと連携することで、初期登録を簡単に済ませることができます。Instagramに登録しているプロフィールが、そのままThreadsで使えるので、Instagramのアカウントを持っていれば、数分でTreadsに登録できます。

総務省が公表している、世界の主要SNSの月間アクティブユーザー数(2022年1月)によれば、Xのユーザー数は4.36億人であるのに対し、Instagramは約15億人ものユーザーが存在しています。仮に、Instagramのユーザーの3分の1がThreadsにもアカウント登録をした場合、Threadsのユーザー数は、Xのユーザー数を超えることになります。

ThreadsからInstagramへの誘導にも使える

Threads は Instagram と連携しているので、Threads にテキストで広告メッセージを出して、Instagramの画像や動画へと誘導する使い方もされ始めています。

実際に、有名人などのインフルエンサーは、Threadsにテキストメッセージを出して、自分のInstagramへの誘導しており、インフルエンサーにとって Treads は 便利なSNSのツールとして活用される可能性が高いです。

X(旧Twitter(ツイッター)の展望

爆発的にユーザー数を伸ばしているTreadsに対して、X(旧 Twitter)にも利点はあります。具体的に見ていきましょう。

トレンド検索の便利さは健在

X(旧 Twitter)にあって、Treadsにないものの一つとして、「トレンド検索ができること」が挙げられます。

X社によれば、「トレンドはアルゴリズムによって決定され、初期設定では、フォローしているアカウント、興味関心、位置情報をもとにカスタマイズされている」とのことですが、このトレンド検索を活用しているユーザーも多いと考えられます。今まさに注目されているトピックが選び出されるため、Xで盛り上がっている最新の話題をリアルタイムで見つけることができるのは、とても便利な機能ですね。

いいね!が非表示になる

2024年6月中旬、X社のイーロン・マスク氏が、「Xではいいね!が非表示になる」という発表しました。その理由は、「ユーザーのプライバシー保護のため」としています。

変更後は、自分がどの投稿にいいねしたかは分かりますが、他人からは見られなくなります。また自分の投稿に誰がいいねしたかは分かりますが、他人の投稿に誰がいいねしたかは見えなくなります。なお、いいね数などの指標は今後も通知の下に表示されるそうです。

自分が支持している人が、他の誰の投稿に「いいね!」しているのかをチェックして、いいね!されている人の投稿をチェックしていた人もいるので、それがチェックできなくなるのは不便になるかもしれません。

まとめ

今回は、話題の新アプリ「Threads(スレッズ)」と、似た機能で定評のある「旧Twitter(ツイッター)」について、それぞれの違いを詳しく確認してきました。

最後に、今回取り上げた違いを表にして復習しておきましょう。

Threads(スレッズ) X (旧Twitter ツイッター)
投稿できる文字数 最大500文字 140文字(無料アカウント)

 

※有料サブスクリプションの場合は最大1万文字まで可能

投稿できる画像の数 10枚まで 4枚まで
投稿できる動画の長さ 5分まで 2分20秒まで

 

※有料サブスクリプションの場合は60分まで可能

DM機能の有無 無し 有り
ハッシュタグへの対応 有り (2023年12月以降) 有り
検索機能 キーワードやハッシュタグでも検索可能(2023年12月以降) キーワードやハッシュタグでも検索可能
広告の有無 無し 有り
PCブラウザでの利用 閲覧のみ可能 全機能が利用可能
他のSNSとの連携 フェディバースに対応し、分散型SNSと連携予定 非対応

Threadsと旧TwitterはどちらもテキストベースのSNSですが、投稿可能な文字数や画像数などが違うなど、いくつかの点で違いがあります。また、Threadsは当初は商用利用を視野に入れていなかったため、DMや広告に対応していませんが、今後は機能が実装される可能性もあり、2024年後期にはThreadsが広告を導入する見込みであると言われています。

今回の内容を読んでThreadsに興味が出てきた方は、ぜひ実際にインストールしてみてください。