病気になったり事故に遭ったりしないためには、日頃からの「予防」が非常に重要です。適切な予防ができていれば、身の回りのリスクを最小限にして、健やかな生活を送れる可能性が高まります。

ということで、今回のテーマは「予防」です。英語で「予防」や「予防する」を何と言うかについて、詳しく解説していきます。

また、記事の後半では「予防注射(予防接種)」や「予防歯科」などの関連表現についても、英語で何と言うかご紹介します。

それでは、早速始めていきましょう!

「予防(防止)」は英語で何て言う?

「予防(防止)」は、英語で “prevention” か “precaution” を使って表します。

一括りに予防といっても、それぞれに表すニュアンスが異なるので、以下で詳細を確認していきましょう。

「予防」①:prevention

“prevention” は、「予防」の意味で最も一般的に使われている表現です。発音記号は【prɪˈvɛnʃən】で、カタカナだと「プリヴェンション」となります。

prevention は「先に(pre-)来ること(-vention)」の構造になっていて、先回りして行動することを表します。そこから、特に災害や病気などに対し、未然に防ぐための行動を取ることを意味します。

Aさん
Regular exercise is a key part of heart disease prevention.
訳)定期的な運動は、心臓病予防の重要な要素です。

「予防」②:precaution

“precaution” は、予防のために事前に注意する姿勢を表す表現です。発音記号は【prɪˈkɔːʃən】で、カタカナだと「プリコーション」と読みます。

precaution を分解すると「先に(pre-)注意する(caution)」の構造になっていて、事が起こってからではなく、まだ起こらないうちから注意を怠らない様子を表しています。

先ほどの prevention と precaution の違いは、予防のために何をしているかに集約されます。予防に向けて具体的な行動をしている場合は prevention、予防のために注意深い態度を取っているのであれば precaution が適しています。

とはいえ、実際は行動と態度は表裏一体な面もあるので、どちらを使っても問題ないケースも多々あります。

Aさん
As a precaution against accidents, it’s important to wear a helmet when riding a bicycle.
訳)事故予防として、自転車に乗るときはヘルメットを被ることが大切です。

「予防する(防止する)」は英語で何て言う?

「予防する(防止する)」は英語で何て言う?

ここでは、「予防する(防止する)」と動詞形で使える表現を確認しておきましょう。

「予防する」の意味でよく使われるのは、”prevent” と ”protect” の2種類です。それぞれの意味やニュアンスの違いについて、以下で詳しく確認していきます。

「予防する」①:prevent

“prevent” は、先ほど挙げた「予防」を意味する prevention の動詞形です。念のため、発音記号は【prɪˈvɛnt】で、カタカナだと「プリヴェント」と読みます。品詞は変わっても表す意味のニュアンスは変わらないので、語源やイメージは割愛します。

prevent は、”prevent ○○” の形で「○○を予防する」と使うのが最も一般的です。ただ、中には “prevent △△ from ○○” の形で、「○○から△△を守る」という意味で使われることもあります。この場合、△△の部分には人が来ることが多いです。

Aさん
In order to prevent myself from infection, I wear a mask every day without fail.
訳)感染症から身を守るために、毎日欠かさずマスクを着けています。

「予防する」②:protect

“protect” は、人や物を脅威から守ることを意味する動詞です。発音記号は【prəˈtɛkt】で、カタカナだと「プロテクト」となります。

protect を分解すると「先に(pro-)覆う(-tect)」となっていて、対象の人や物に覆いをかけ、外部から保護するイメージを表します。

prevent と protect は非常に似ていますが、厳密には prevent が「現象などが起こるのを防ぐ」のに対し、protect は「攻撃などから守る」とニュアンスに違いがあります。

そのため、たとえば感染症を予防する場合は prevent が適切で、ウィルスから身を守る場合は protect が適切です。

Aさん
To protect yourself from viruses, always remember to wash your hands after returning home.
訳)ウィルスから身を守るため、帰宅後は必ず手を洗いましょう。

「予防注射(予防接種)」や「予防歯科」などの「予防○○」を英語で言ってみよう!

「予防注射(予防接種)」や「予防歯科」などの「予防○○」を英語で言ってみよう!

最後に、日本語で「予防○○」の形でよく使われる表現について、英語で何と言うか、詳しく確認していきましょう。

「予防注射(予防接種)」in English

「予防注射(予防接種)」は、英語だと “vaccination(ヴァクシネーション)”、“immunization(インミュニゼーション)” と言います。

vaccination は予防のためにワクチン(vaccine)を注射することです。ちなみに、日本ではワクチンと言いますが、英語では「ヴァクシーン」と聞こえ、だいぶ発音が違うので注意しましょう。

immunization は、身体の中に免疫(immunity)を形成させるために打つ注射です。ただ、免疫を作るためには通常ワクチンが使われるので vaccination と意味の違いはほとんどありません。

また、○○の予防接種と言う場合は “○○ shot” が使われることもあります。たとえば、インフルエンザの予防接種であれば “flu shot” です。

「予防歯科」in English

「予防歯科」は、英語で “preventive dentistry” と言います。読み方は「プリヴェンティブ デンティストリー」となります。

ここで使われているpreventive は、先述の prevent の形容詞形です。予防歯科とは、虫歯や歯周病などにならないように行う歯科医療なので、病気を未然に防ぐ意味の prevent のイメージがぴったりだといえるでしょう。

「予防薬」in English

「予防薬」は、正式な英語だと “prophylactic medicine” と表現します。読み方は「プロフィラクティック メディシン」です。

ここで使われている prophylactic は「予防」を意味する表現ですが、専門的な響きのする医学用語なので、日常生活ではまず使われません。

そのため、予防薬を日常会話で表現する際は、先述の予防歯科と同じイメージで “preventive medicine” と言ってしまってもOKです。

まとめ

今回は「予防」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

「予防」は英語で “prevention” か “precaution” を使って表すのが一般的です。prevention が予防的行動、precaution が予防的態度を表すという違いはありますが、実際は意味が重なり合う部分も大きいので、あまり気にせず使ってしまっても問題ありません。

今回ご紹介したことを参考に、英語でも病気や事故などを適切に予防し、健康的な生活を送れるようにしていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!