“accurate”という単語は高校英語で学ぶ単語であり、大学入試やTOEICなどあらゆる試験でも出題されやすい単語です。なぜ出題されやすいかというと、接尾語の”-ate”は動詞になることが多いにも関わらず、この単語の品詞は形容詞であるからです。文法問題では接尾語をヒントに消去法で解答を導くこともできますが、”accurate”は例外となるため意味を知っていなければ誤答に繋がってしまいます。

本記事では、試験でも頻出の”accurate”に焦点を当てて、意味や使い方を解説していきます。最後まで読んで”accurate”をマスターしましょう。

”accurate”の意味・使い方

”accurate”の意味・使い方

意味の解説に入る前に発音について触れておきます。”accurate”をカタカナ表記する場合、「アキュレイト」と表記されることが多いようですが、これは誤りです。”accurate”の発音記号は[ǽkjərət]で、あえてカタカナ表記するなら「アァキュレッ」となります。”a”がアクセントです。ただ、英単語の発音をカタカナ表記で覚えることはおすすめしませんので、実際に耳で聞いて発音を覚えるようにしましょう。

早速話が逸れてしまいました。それでは、意味を確認していきましょう。

限定用法:正確な、精密な

限定用法とは、”an accurate measurement”のように形容詞を名詞の前において、直接名詞を説明する用法のことです。この場合の”accurate”は「正確な、精密な」という意味を持ち、「慎重に注意を払った結果」というニュアンスが含まれています。

計算や寸法、情報などあらゆるものに対して使える便利な単語です。

Aさん
We need to tell them the accurate measurement of the room.
訳)私達は彼らにこの部屋の正確な寸法を教えなければなりません。

叙述的用法:正確な、<人が>(〜に)正確で、的確で

叙述的用法とは、”the watch is accurate”のようにbe動詞の後ろに形容詞をおくことで、形容詞が補語(主語を説明する)の働きを持つ使い方です。この場合も、限定用法と同様に「正確な、精密な」という意味をもちます。

また叙述的用法であれば、「人」に対しても”accurate”を使うことができるのですが、「人が正確である」とはどのような意味でしょうか?例文で確認してみましょう。

Aさん
He is accurate in/at his observations.
訳)彼の観察は正確です。

“accurate”の後ろに前置詞”in”もしくは”at”を置き、前置詞以降の事柄に関して正確である、という表現をすることができます。

名詞”accuracy”、副詞”accurately”の意味 

名詞”accuracy”、副詞”accurately”の意味 

冒頭で”accurate”は形容詞である、とお伝えしました。それでは、他の品詞では、どのような意味をもつのでしょうか?

“accurate”自身の接尾語は特殊でしたが、名詞、副詞となる場合はルール通りの変形となります。”-cy”は名詞の接尾語、”-ly”は副詞の接尾語です。ちなみに接尾語とは、その言葉が単語の最後につくことでその単語の性質を変える働きを持つ語を意味します。

名詞”accuracy”の意味

“accuracy”は、「正確性」「正確さ」「精度」を意味する単語です。”the accuracy of ~”で「〇〇の精度」という使い方をしたり、”with accuracy”で「正確に」と言った使い方をします。

Aさん
We need to verify the accuracy of the thesis.
訳)論文の正確さを詳しく確認する必要があります。

Aさん
He answered the question with accuracy.
訳)彼は質問に対して正確に解答しました

名詞となってもやはり「慎重に注意を払った結果」というニュアンスを含みます。

副詞”accurately”の意味

”accurately”は「正確に」「的確に」という意味です。つまり”with accuracy”と”accurately”は同じ意味を持つことになります。なぜこのようなことが起こるかと言うと、「with+抽象名詞」で副詞として扱うことができるからです。抽象名詞とは、概念的な意味を持つ名詞のことで、”accuracy”もこの抽象名詞の1つに数えられます。

Aさん
He answered the question with accuracy.
訳)彼は質問に対して正確に解答しました。

Aさん
He answered the question accurately.
訳)彼は質問に対して正確に解答しました。

この2つの文章は全く同じ意味を持つことになるため、どちらの使い方でも間違いではありません。

”accurate”と”precise”の違い

”accurate”と”precise”の違い

”accurate”と同じような意味をもつ単語に”precise”があります。こちらも意味は「正確な、精密な」とされていますが、両者に違いはあるのでしょうか?

正確性の違い

ここまで何度か触れてきましたが、”accurate”には「慎重に注意をはらった結果」というニュアンスを持ちます。その正確性はあくまで確認をした上で誤りがない、という程度のものです。一方で、”precise”には「寸分の狂いもなく正確」というニュアンスがあります。誤りがないだけでなく、実際に誤差もゼロ。これが”precise”の持つ正確性です。

また”precise”も”accurate”と同様に人に対して用いることができます。

Aさん
He is precise in manner.
訳)彼はマナーにうるさいです。

“precise”を人に使う場合は、あまりにも細かすぎる、というニュアンスが含まれます。よく言えば几帳面、悪く言えばうるさい、という意味になるので、使い方によっては不快感を与えかねないので注意しましょう。

最後に”accurate”と”precise”の正確性の違いを時計を例に解説します。

Aさん
The watch is accurate.
訳)この時計は正確です。(表示されている時間は正しいです。)

Aさん
The watch is precise.
訳)この時計は寸分の狂いもなく正確です。(コンマ1秒の狂いもありません。)

極端に言うと上記のような違いがあり、”accurate”は「時間」という概念が正確であること、”precise”は時計の中の機構が正確であることを示します。一般的に「時計が正確」という時には”accurate”が用いられます。

”precise”が持つ「強調」の意味

最後に”precise”の特殊な使い方について解説していきます。”precise”は「寸分の狂いもなく正確」というニュアンスがあると、お伝えしました。このニュアンスから、”precise”は「ぴったりの、ちょうど」という強調の意味があります。

Aさん
I arrived at the office at the precise time.
訳)時間ぴったりに会社に到着しました。

時間が正確である、という時には”accurate”を使うと説明しましたが、時間ぴったりであることを強調する場合は、例文のように”precise”を使います。

まとめ

今回は”accurate”の意味・使い方を解説してきました。最初にも述べたとおり、”accurate”はあらゆる試験で問われやすい単語です。「正確な」を意味する単語は”precise”以外にも”exact”や”correct”などがありますが、違いは何を基準に正確とするかにあります。”exact”は”precise”と同様細部まで正確、”correct”は基準・事実に合致していて正確という違いです。

このように日本語にすると同じ意味でも、伝わるニュアンスが異なるという英単語は数多く存在します。これらの単語を適当に使う分けるのではなく、ニュアンスをしっかり理解した上で使い分ける練習をしてみましょう。これが英話力アップへの近道です!