学生の頃ある小説を読んでいたら、最後の一文で思わず鳥肌が立ちました。しかし、なぜその一文に身体が反応したかわからず、それ以来、その原因を探るために色々な本を読みふけるようになりました。意味を理解するより身体が先に反応する、鳥肌って不思議な現象ですよね。

さて、そんなわけで今回のテーマは「鳥肌」です。鳥肌を英語で何と表現すれば良いかについて、由来なども含めつつ詳しく解説していきます。

それでは、早速始めていきましょう!

「鳥肌」は英語で何て言う?

「鳥肌」は英語で何て言う?

「鳥肌」は英語で “goosebumps” と言います。発音記号は【ˈɡuːsˌbʌmps】で、カタカナだと「グースバンプス」と読みます。

goosebumps はもともと goose と bumps の2語で、それらが合成されて生まれました。そのため、分けて goose bumps と綴っても問題ありません。

このうち、goose は「ガチョウ」を、bumps は「イボ、コブ」を意味します。つまり、goosebumps で「ガチョウのイボ」という意味になります。

なお、イボは複数集まった状態がイメージされるため、goosebump と単数形にはならず、goosebumps と常に複数形になる点に注意しましょう。

ちなみに、私たち日本人が「鳥肌」を想像すると、ほとんどの場合「鶏」がイメージされると思います。しかし、英語圏では鶏ではなくガチョウがイメージされるので、”chicken skin” などと直訳しても通じません。※日本語の影響が強いハワイのピジン英語では通じるようです。

Aさん
I got chicken skin while reading a certain novel.
訳)ある小説を読んでいるときに鶏の肌を手に入れたんだ(「鳥肌が立った」と言ってるつもり)。
Bさん
I see, you were doing some shopping while reading.
訳)なるほど、読書しながら買い物してたんだね。

 

なぜ英語圏では「鳥肌=ガチョウ」なのか

なぜ英語圏では「鳥肌=ガチョウ」なのか、おそらくその背景にはクリスマスに出る「鳥の丸焼き」の文化が関係しています。

クリスマスに食べる鳥というと七面鳥(turkey)をイメージする方が多いかもしれませんが、これはアメリカ式の文化で、英語本家のイギリスではガチョウ(goose)を食べるのが一般的です。アメリカはイギリスと風土が異なり、ガチョウがあまり獲れないことから、代替策として七面鳥を採用したのでしょう。

そのため、もしこの言葉がアメリカ発祥だったとしたら、goosebumps ではなく “turkeybumps” になっていたかもしれませんね。

Aさん
Why do Americans eat turkey on Christmas?
訳)アメリカではなぜクリスマスに七面鳥を食べるの?
Bさん
According to one theory, it’s said they imitated eating goose, which was common in England.
訳)一説によると、イギリスでガチョウを食べていたのを真似したといわれているよ。

 

イギリス英語では “goose pimples” も使われる

英語の本場イギリスでは、「鳥肌」を意味して “goose pimples(ピンプルズ)” と表現することもあります。

pimple は「ニキビ、吹き出物」という意味で、やはり複数ある状態が想定されるので、pimples と複数形で使われます。

bumps も pimples も同様に肌がデコボコしている状態がイメージされますが、何となくイボよりニキビの方が穏やかな印象に感じられますね。紳士の国イギリスらしい表現です。

Aさん
How was the movie?
訳)映画どうだった?
Bさん
It was so moving, I got goose pimples.
訳)感動して鳥肌が立っちゃったよ。

 

Aさん
That expression, you must be from England, aren’t you?
訳)その言い方、さては君はイギリス出身だね?

「鳥肌が立つ」「鳥肌もん」などの英語表現をマスターしよう!

「鳥肌が立つ」「鳥肌もん」などの英語表現をマスターしよう!

ここからは、「鳥肌が立つ」や「鳥肌もん」など、鳥肌に関する英語表現を詳しく確認していきましょう。

「鳥肌が立つ」in English

「鳥肌が立つ」は英語で “get goosebumps” と表現します。

直訳すると「鳥肌を得る」となりますが、get tired(疲れる)や get angry(怒る)などと同様に、状態や感情の一種として goosebumps が使われていると考えると良いでしょう。

なお、イギリス英語の場合は “get goose pimples” もよく使われます。

Aさん
Whenever I walk down this street, I always get goosebumps for some reason.
訳)この道を歩くと、なぜかいつも鳥肌が立つんだよね。
Bさん
What? That sounds creepy.
訳)何それ恐い。

 

「鳥肌を立たせる」in English

「鳥肌を立たせる」は英語で “give someone goosebumps” と言います。

「○○に鳥肌を立たせる」と具体的に表現する場合は、someone の部分を変更すればOKです。また、単語が長い場合は “give goosebumps to ○○” と後置することもあります。

こちらの場合も、イギリス英語であれば “give someone goose pimples” と表現されます。

Aさん
That CEO’s speech gave goosebumps to most of the audience.
訳)その社長のスピーチは、ほとんどの聴衆に鳥肌を立たせました。

「鳥肌もん」in English

日本語ではズバ抜けたものを指して「鳥肌もん」と言いますが、これに近いニュアンスの英語としては “hair-raising(ヘア レイジング)” が挙げられます。

hair-raising を直訳すると「毛(hair)を逆立たせる(raising)」となります。鳥肌が立つと毛が逆立つので、そのイメージを上手く使ったスラング的な表現だといえます。

Aさん
Did you read the Akutagawa Prize-winning work this time?
訳)今回の芥川賞の受賞作読んだ?
Bさん
Yes, I did. It was hair-raising, absolutely wonderful.
訳)読んだよ。鳥肌もんだったね、素晴らしい。

 

鳥肌を意味するスラング

鳥肌を意味するスラング的な表現として、”chills(チルズ)” もぜひ覚えておきましょう。

chill はもともと「冷気、寒気」を表す単語ですが、そこからイメージが発展して、寒いときに生じる鳥肌の意味でも使われるようになりました。goosebumps のイメージが活きているのか、chills と複数形になる点に注意しましょう。

使い方は goosebumps と同様で、「鳥肌が立つ」なら “get chills” に、「鳥肌を立たせる」なら “give someone chills” になります。

Aさん
Hearing the ghost story around the campfire gave everyone chills.
訳)キャンプファイヤーで幽霊の話を聞いて、みんな鳥肌が立ちました。

まとめ

今回は「鳥肌」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。

鳥肌は英語で “goosebumps” と言います。日本語式に「chicken(鳥の)skin(肌)」と言っても、基本的には通じないので注意しましょう。

寒気や恐怖、そして感動などで鳥肌が立つのは万国共通の現象です。今回ご紹介したことを参考に、鳥肌を英語で上手に表現して、よりコミュニケーションの幅を広げていきましょう。

それでは、これからも楽しい英語学習を。

Let’s enjoy!!