新型コロナウイルスが世界的に感染拡大した影響により、これまでとは異なる生活様式が求められるようになっていますよね。
ただ、感染拡大が開始してからすでに数年経っていることもあり、現在では旅行に行ったり、外食をしたりする人も増えつつあります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「隔離」「水際対策」といった言葉を頻繁に耳にするようになりました。日本語では聞きなじみのある言葉になりつつありますが、英語で「何て言うんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
そこで今回は、「隔離する」の英語表現について解説します。
「自主隔離」「水際対策」などの感染症対策に関する英語についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「隔離する」は英語で?
新型コロナウイルスに関するニュースを見ていると、「隔離」「隔離する」という言葉を頻繁に耳にするでしょう。
「隔離する」というのは2種類の単語を覚えておくようにしましょう。
quarantine
まず、感染症を「隔離する」という表現で最も一般的なのがquarantineという動詞です。
quarantineはパッと見ると何て発音するのか分からないかもしれません。
というのも、quarantineはイタリア語が起源となっており、英語では見慣れないスペルなのです。
quarantineの語源
14世紀のイタリアでは、「ペスト」という感染症が流行していました。その際、感染が拡大していた町からヴェネツィアに入船するには40日間待機する必要があり、「quarantine=40日間」というイタリア語として使われていたのです。
そこから、「quarantine」→「40日間(待機)」→「隔離する」という意味の英語として使われるとようになったのが語源です。
quarantineの意味
quarantineはもともとペストという感染症を拡大しないようにするために使われていた言葉です。
そのため、quarantineは「“感染病予防のために”隔離する」という意味の動詞です。つまり、病気を媒介しないよう隔離するときに使われる単語のため、感染病予防目的以外の隔離には使われません。
また、quarantineを名詞として使う場合は「隔離」「隔離期間」という意味になり、「in quarantine」は「隔離して」という意味になります。
もし新型コロナウイルスの症状があるなら、あなたは自主隔離をするべきです。
isolate
quarantineのほか、isolateも「隔離する」という意味で使われる英単語です。
isolateは感染病予防目的に限らず、物理的に「(ヒトやモノを)引き離す」「孤立させる」という意味で使われます。そのため、使用シーンの限定がない表現だと言えます。
たとえば、「乗客1名が隔離された」「ケンカが始まりそうなので隔離した」など、感染病の拡大防止とは関係のないシーンでも使える表現なのです。
わたしは世界から隔離されていて孤独に感じます。
「quarantine」と「isolate」の違い
先ほど簡単に解説しましたが、「quarantine」と「isolate」はどのような目的の隔離なのかによってどちらを使うべきかが変わります。
・quarantine:病気を媒介しないようにという目的のもと隔離するときのみ使える表現
・isolate:目的に限定されない。物理的に引き離す場合ならどのようなシーンでも使える表現
感染症対策に関する英語表現
ここでは、感染症対策に関する英語表現を紹介します。
自主隔離
新型コロナウイルスの感染拡大によって、よく聞くようになった言葉の一つが「自主隔離」ですよね。
感染の疑いのある人が公的な場所に行くと、症状を自覚していなくても感染病を拡大させてしまう可能性があります。そのため、海外からの入国者などの感染の疑いがあると判断される人や、軽い症状を自覚している人には「自主隔離」が求められているのです。
そんな「自主隔離」は英語で「self-quarantine」と言います。「self- isolate」と表現されることもあります。
中国から帰国する人全員に2週間の自主隔離を義務付けました。
彼は家で自宅待機をしています。
隔離病棟
「隔離病棟」は英語で「isolation ward」と言います。
隔離病棟は感染症の拡大を防止するだけの場所ではなく、ほかの病気の人も利用しますよね。そのため、quarantineではなく、目的の限定されない隔離を表現できるisolationを使うのです。
wardは「病棟」「区」「監房」などの意味がある名詞です。
3人の患者が隔離病棟に入院しました。
水際対策
「水際対策のさらなる強化が求められる」「水際対策が重要だ」など、新型コロナウイルス関連のニュースでは「水際対策」という言葉を耳にするでしょう。
そもそも「水際」とは「上陸する寸前」「水面に接するところ」などの意味がありますが、「水際対策」で使われているのは「上陸する寸前」という意味です。
つまり、新型コロナウイルス関連のニュースにおける「水際対策」とは、「上陸寸前の対策」→「ウイルスが国内は入るのを防ぐ対策」と解釈でき、具体的には空港や港で行われる検疫や検査を意味するのです。
そんな「水際対策」は英語で「border security measures」と言います。というのも、 “水際”というのは島国の日本ならではの表現なので、英語では「国境」を意味する「border」という単語を使うのです。securityを省略して「border measures」とされることもあります。
また、measuresはmeasureの複数形です。measureだと「計量法」「寸法」「基準」などの意味で使われますが、複数形でmeasuresになると「手段」「方法」という意味になります。
つまり、「border measures」は「国境の手段」となり、「水際対策」と同様の意味合いになるのです。
水際対策を強化することが必要です。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「隔離する」に関する英語表現を紹介しました。
「隔離する」は二つの単語がありますが、隔離の目的によって表現を使い分けなければなりません。
・quarantine:病気を媒介しないようにという目的のもと隔離するときのみ使える表現
・isolate:目的に限定されない。物理的に引き離す場合ならどのようなシーンでも使える表現
また、新型コロナウイルス関連のニュースでは「自主隔離」や「水際対策」といった言葉もとく使われるので、今回の記事を参考に一緒にチェックしてみてくださいね。